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荒川8月の釣り完全ガイド!初心者必見の釣れる魚・ポイント・釣り方をプロが徹底解説

都会の喧騒を背に、ゆったりと流れる荒川。夏の強い日差しが水面に反射し、きらきらと輝くこの季節、実は身近な大自然への扉が開かれています。釣りというと「夏は釣れない」というイメージがあるかもしれませんが、8月の荒川は一味違います。夏の盛りのパターンと、秋の気配を感じ始める過渡期ならではのドラマが待っているのです。

この記事では、そんな8月の荒川下流域の釣りを、初心者の方でも安心して楽しめるように、専門家の視点から徹底的に解説します。ターゲットは、都会の川の王者「シーバス」、力強い引きが魅力の「クロダイ(チヌ)」、そして家族で楽しめる釣りの入門に最適な「ハゼ」の三大魚種。

「どんな魚が釣れるの?」「どこに行けばいいの?」「どんな道具が必要?」「釣り方って難しい?」そんなあなたの疑問にすべてお答えします。この記事一本で、必要な知識から安全対策、具体的なポイント選びまで、すべてがわかる完全ガイドです。さあ、この夏、荒川で忘れられない釣りの思い出を作りましょう。

8月の荒川下流域で狙える!三大人気ターゲット魚種

8月の荒川下流域は、多様な魚たちがアングラー(釣り人)を待っています。その中でも特に人気が高く、初心者からベテランまで楽しめるのがこの三大ターゲットです。それぞれの魚に合った釣り方があり、自分のスタイルやその日の気分で狙いを変えられるのも、この時期の荒川の魅力です。

  • シーバス(スズキ): ルアーフィッシングの代表的なターゲット。「川の王者」とも呼ばれ、その力強い引きと美しい魚体は多くのアングラーを魅了します。8月は特定のパターンを掴むことで、大型との出会いも夢ではありません。
  • クロダイ(チヌ): 非常に賢く、引きもパワフルな好敵手。近年、荒川でも個体数が増えていると言われ、ルアーで狙う「チニング」や、伝統的なエサ釣り「ヘチ釣り」など、多彩なアプローチで楽しむことができます。
  • ハゼ: 夏の風物詩ともいえる魚。8月はまさにシーズンインの時期で、子供や釣りが初めての方でも簡単に釣ることができる、最高の入門ターゲットです。手軽な仕掛けで数釣りが楽しめ、食べても美味しい魚です。

【大物狙いの定番】荒川シーバス攻略法

荒川の釣りで最も人気のあるターゲットと言えば、やはりシーバスでしょう。都市河川という身近なフィールドで、メータークラスに迫る大物と渡り合えるスリルは格別です。しかし、夏のシーバスは一筋縄ではいきません。彼らの行動を理解し、正しい戦略で挑むことが釣果への鍵となります。

8月の荒川シーバスの生態と狙い方

8月のシーバス攻略を理解する上で最も重要なのは、この月が「二つの顔を持つ」ということです。月の前半と後半では、シーバスの行動パターンが大きく変わるため、それに合わせたアプローチが必要になります。

8月前半~中盤:真夏のデイゲームとナイトボイル

この時期は水温が最も高くなり、シーバスは日中の本流では体力を消耗しないよう、比較的活性が低くなります。しかし、釣れないわけではありません。狙うべきは、明確な「時合(じあい)」、つまり魚が捕食活動を行うタイミングです。

  • 夏の早朝トップパターン(デイゲーム): 夏の潮回りは、日中に干満差が大きくなる特徴があります。潮が大きく動くことでベイト(エサとなる小魚)が動き、それを捕食するためにシーバスの活性が上がります。特に狙い目なのが「朝マズメ」、つまり日の出前後の時間帯です。この時間はシーバスが水面を意識していることが多く、水面を泳ぐトップウォータールアーに派手に飛び出してくることもあり、非常にエキサイティングな釣りが楽しめます。
  • イナッコボイルパターン(ナイトゲーム): 夜になると、別のパターンが現れます。この時期、荒川本流と支流を繋ぐ水門周りや、流れの緩やかな水路には「イナッコ(ボラの幼魚)」が大量に集まります。シーバスはこのイナッコの群れに付き、水面を割って捕食を繰り返す「ボイル」を発生させます。目の前で「バコン!」という大きな捕食音が響き渡る光景は圧巻ですが、実はこのボイル、ルアーに反応させることが非常に難しいことでも知られています。初心者はまず、そうした生命感溢れる光景を楽しんでみることから始めるのが良いでしょう。

8月後半:秋の気配とサッパパターン

例年、8月20日を過ぎたあたりから、荒川の状況は少しずつ変化します。花火大会などの影響で水がかき回されたり、朝晩の気温がわずかに下がることで水温が低下し始めると、秋の釣りの主役となるベイトフィッシュ「サッパ」が東京湾から川へ入ってくるのです。

このサッパの進入が、秋の「荒食い」シーズンの幕開けを告げる合図となります。シーバスは橋の明暗部や杭などのストラクチャー(障害物)に身を潜め、回遊してくるサッパの群れを待ち伏せるようになります。この時期から、夜の橋脚周りを狙う、シーバス釣りの王道ともいえるパターンが本格的にスタートします。

初心者向け!シーバスタックル入門

シーバスフィッシングの道具(タックル)は多種多様で、初心者には何を選べば良いか分かりにくいかもしれません。しかし、基本となる一本があれば、荒川のほとんどの状況に対応できます。夏のシーバスは非常に元気が良く、力強い引きを見せるため、少し強めのタックルを準備するのがおすすめです。

専門的なタックルも数多く存在しますが、まずは以下の表を参考に、汎用性の高いバランスの取れたタックルを揃えてみましょう。この組み合わせなら、軽いルアーから重めのバイブレーションまで幅広く扱うことができ、荒川でのシーバスフィッシングを存分に楽しむことができます。

表1: 初心者向けシーバスタックル推奨スペック部品初心者向け推奨スペックなぜこれがおすすめかロッド(竿)長さ: 8フィート6インチ~9フィート6インチ (約2.6m~2.9m) 硬さ: ML(ミディアムライト)~M(ミディアム)クラス荒川の広い河川敷での遠投性能と、橋脚周りでの操作性のバランスが良い長さです。ML~Mの硬さは、夏に使われるほとんどのルアーに対応できる万能な選択肢です。リールスピニングリール サイズ: 3000番~4000番 (ハイギア/HGモデル推奨)ロッドとのバランスが良いサイズです。4000番は糸巻量も十分で、夏のパワフルなシーバスとのやり取りにも安心感があります。ハイギア(HG)モデルはルアーの回収が速く、手返し良く釣りができます。ライン(道糸)PEライン: 1.0号~1.2号強度と飛距離のバランスが最も良い太さです。これより細いと飛距離は出ますが、根掛かりや大物が掛かった時に切れやすいリスクがあります。1.0号~1.2号なら安心してやり取りができます。リーダーフロロカーボン: 20lb~25lb (約5号~6号)PEラインの先につける、魚から見えにくい糸です。根ズレ(障害物で糸が擦れること)からメインラインを守り、魚が掛かった時の衝撃を和らげる役割も果たします。20lb~25lbは夏の荒川のシーバスに最適です。

状況別・シーバスルアーの選び方と使い方

ルアーの種類は無数にありますが、初心者はまず状況に合わせて3つのタイプを使い分けることから始めましょう。

  • 朝マズメ(トップウォータールアー): 水面がざわつき、小魚が逃げ惑っているような状況で使います。ペンシルベイトやポッパーといった、水面を泳ぐルアーが有効です。竿先をチョンチョンと動かし、ルアーが左右に首を振る「ドッグウォーク」というアクションで誘います。
  • 日中(バイブレーション): 魚の活性が低い日中や、魚がどこにいるか分からない時に活躍するのが「バイブレーション」と呼ばれるルアーです。金属製(鉄板バイブ)やプラスチック製があり、投げて底まで沈め、あとは一定の速さで巻くだけ。このシンプルな使い方で、リアクションバイト(反射的な食いつき)を誘発できます。夏のデイゲームでは最も基本となる釣り方です。
  • 夜(シンキングペンシル・ミノー): 橋の明暗部を狙うナイトゲームの主役です。橋の光が当たっている「明」の部分にルアーを投げ、流れに乗せて光の当たらない「暗」の部分に送り込むのが基本テクニック。シーバスは暗闇に潜んで、明かりに集まるベイトを待ち構えています。イナッコやサッパを模した、比較的小さめのシンキングペンシルやミノーを使い、ゆっくりと自然に流し込むのがコツです。

厳選!荒川下流シーバス鉄板ポイント

広大な荒川の中から、初心者でもアクセスしやすく、実績の高いポイントをいくつかご紹介します。

  • 平井大橋: 荒川と中川の合流点に近く、流れが複雑に絡み合う一級ポイントです。ベイトフィッシュが溜まりやすく、常にシーバスのストック量が多いことで知られています。河川敷が公園として整備されており、足場が良いのも魅力です。非常に人気が高いため、平日でも釣り人が多いです。
  • 清砂大橋・荒川河口: 東京湾に最も近いエリアで、潮の動きに乗って遡上してくる、あるいは海へ下るシーバスを狙えるポイントです。特に潮の動きが大きい大潮周りはチャンスが広がります。広大なエリアなので、遠投して広範囲を探る釣りが有効です。ランカーサイズ(80cm以上)の実績も高いですが、その分釣り人も多い激戦区です。
  • 岩淵水門・芝川水門: 少し上流になりますが、荒川と隅田川、新芝川を分ける水門があるエリアです。これらの水門が作り出す流れの変化がベイトフィッシュを寄せ、シーバスの絶好の付き場となります。ハゼ釣りの名所としても知られており、シーバスがハゼを捕食していることもあります。

シーバス釣りについてより詳しく知りたい方は以下記事も参考にしてください。

【2025年版】シーバス釣りの完全ガイド!初心者向け釣り方(ルアー・餌)の種類とコツを徹底解説

【頭脳派ファイター】荒川クロダイ(チヌ)攻略法

シーバスが「動」の釣りなら、クロダイ(チヌ)は「静」と「動」を兼ね備えた、奥深い釣りが楽しめるターゲットです。警戒心が強く、釣り上げるには工夫が必要ですが、その分、一枚釣れた時の喜びは格別。力強い引きも魅力で、一度味わうと病みつきになるアングラーも少なくありません。

8月の荒川クロダイの生態と付き場

クロダイは基本的に底付近にいる魚で、カニや貝類、ゴカイなどを捕食しています。そのため、彼らを見つけるには、エサが豊富な場所を探すのが一番の近道です。荒川下流域では、護岸沿いのゴロタ石(大きな丸い石が敷き詰められた場所)やカキ瀬(カキの殻が密集している場所)、そして橋脚水門といった人工構造物が絶好のポイントになります。これらの場所は、クロダイのエサ場であり、隠れ家でもあるのです。

シーバスの反応が渋い時でも、クロダイは底で果敢にルアーにアタックしてくることが多く、頼れる「プランB」としても最適です。シーバス狙いでボトム(底)を探っていたら、思わぬ大物のクロダイがヒットすることも珍しくありません。近年では、かなり上流のエリアでもその数を増やしているという報告もあり、荒川全域で狙える身近なターゲットになりつつあります。

ルアーで挑戦!「チニング」入門

クロダイをルアーで狙う釣り方を「チニング」と呼びます。シーバスとはまた違ったゲーム性があり、近年非常に人気が高まっています。

基本テクニック:「ボトムずる引き」

チニングの最も基本的で効果的なテクニックが「ボトムずる引き」です。やり方は非常にシンプルです。

  1. ルアーを流れの少し上流側(アップクロス)に投げます。
  2. ルアーが底に着くのを待ちます。糸のテンションを少し張ったまま沈めると、着底が分かりやすいです(テンションフォール)。
  3. リールをゆっくり巻き、ルアーが底の石や障害物に「コツコツ」と当たるのを感じながら引いてきます。
  4. アタリは「ガツン!」と来ることは少なく、「モゾっ」とか「ヌーっ」と重くなるような独特の感触です。その違和感があったら、しっかりとアワセ(竿を立ててフックを魚の口に掛ける動作)を入れます。

ルアーとリグ(仕掛け)

初心者がチニングを始めるのに最もおすすめなのが、ジグヘッドというオモリ付きの針に、ワーム(柔らかいプラスチック製のルアー)をセットしたリグです。カニやエビを模した形のワームが特に効果的です。このリグは針が一つなので、根掛かりが少なく、初心者でも扱いやすいのが最大のメリットです。嬉しいことに、前述したシーバス用のタックルをそのまま流用できるため、新たに道具を揃える必要もありません。

伝統釣法に挑戦!「ヘチ釣り」入門

クロダイ釣りには、ルアーだけでなく、東京湾発祥とされる伝統的なエサ釣り「ヘチ釣り」という釣法もあります。これは、極めてシンプルな仕掛けで、堤防の「ヘチ(縁)」に潜むクロダイを狙い撃つ、非常に奥深くスリリングな釣りです。

ルアーで広範囲を探るチニングが「横の釣り」なら、ヘチ釣りは足元を縦に探る「縦の釣り」。アングラーの気配を消し、クロダイとの一対一の駆け引きを楽しむ、まさに玄人好みの釣りと言えるでしょう。このスタイルが性に合うと感じる方も多いはずです。

ヘチ釣りのテクニック

ヘチ釣りの基本は、エサを付けた針を、オモリの重さだけで堤防の壁際に沿ってゆっくりと落とし込んでいくことです。まるで壁に付いていたエサが自然に剥がれ落ちたかのように見せかけるのがキモ。特に夏は、クロダイが壁に付着したイガイ(カラス貝)やカニを盛んに捕食するため、ヘチ釣りのベストシーズンとされています。

エサ

エサは、その場所でクロダイが普段食べているものを使うのが最も効果的です。荒川下流域では、カニイガイが定番のエサとなります。

ヘチ釣り専用タックル

ヘチ釣りは、その独特な釣り方のために専用のタックルが必要となります。シーバス用のタックルでは代用が難しいため、もし挑戦するなら専用品を揃えることをお勧めします。以下の表は、初心者が最初に揃えるべき、バランスの取れたタックルの組み合わせです。

表2: 初心者向けヘチ釣りタックル推奨スペック部品初心者向け推奨スペックなぜこれがおすすめかロッド(竿)長さ: 2.7m (約9ft) ヘチ釣り専用竿(ヘチ竿)2.7mは荒川の様々な高さの足場に対応しやすい万能な長さです。専用竿は穂先が非常に繊細に作られており、クロダイの僅かなアタリを捉えることができます。リールタイコリール(ヘチリール)ドラグ機能のない、極めてシンプルな構造のリール。指で直接糸を送り出し、アタリを取るため、魚とのダイレクトなやり取りが楽しめます。このリールならではの感度がヘチ釣りには不可欠です。ライン(道糸)ナイロンライン 2.0号~2.5号(マーカー付き)ナイロンラインはしなやかで初心者にも扱いやすいです。一定間隔で色が付いているマーカーラインを使うと、糸の動きでアタリを取ったり、どの深さまでエサを落としたか把握しやすくなります。ハリスフロロカーボン 1.5号~2.0号1mほどの長さで道糸に結びます。壁際で糸が擦れることに強く、魚に見切られにくいフロロカーボンが適しています。この太さは初心者にとって扱いやすさと強度のバランスが良いです。針とオモリチヌ針 2号~4号、ガン玉 B~3B針の大きさは使うエサに合わせます。ガン玉という小さなオモリを針のすぐ上に噛みつけて、エサを沈めます。重さは潮の流れや風の強さに応じて調整します。

厳選!荒川下流クロダイ鉄板ポイント

クロダイを狙うなら、とにかく「変化」のある場所を探しましょう。

  • 荒川ロックゲート: 荒川と旧中川を結ぶこの水門周辺は、壁、ゴロタ、流れの変化と、クロダイが好む要素が凝縮された一級ポイントです。シーバスやハゼなど、他の魚種も豊富なため、一日中楽しむことができます。
  • ゴロタ場: 護岸がコンクリートで固められているだけでなく、大きな石が敷き詰められている場所はすべてがポイントになります。特に清砂大橋周辺のゴロタ場は実績が高いことで知られています。自分の足で歩いて、いかにもクロダイが潜んでいそうな場所を見つけるのも、この釣りの楽しみの一つです。

クロダイ釣りについてより詳しく知りたい方は以下記事も参考にしてください。

クロダイ(チヌ)のルアー仕掛けの紹介!チニングのコツも伝授します。

【ファミリー・初心者向け】荒川ハゼ釣り攻略法

「釣りを始めてみたいけど、難しそう…」「子供に釣りの楽しさを教えたい」。そんな方に心からお勧めしたいのが、8月のハゼ釣りです。ハゼ釣りは、釣りの楽しさ、手軽さ、そして美味しさが詰まった、まさに「釣りの入門」に最適なアクティビティです。一度この楽しさを知れば、きっと釣りの世界の虜になることでしょう。

8月のハゼはなぜ最高?生態と魅力

ハゼは春に生まれ、夏にかけてぐんぐん成長します。7月頃から釣れ始めますが、まだサイズが小さく、アタリも繊細です。しかし、8月になると5cmから10cmほどの釣って楽しいサイズに成長し、食欲も旺盛になります。特に8月下旬からは絶好調のシーズンに突入し、初心者でも簡単に数釣りが楽しめます。浅い場所に群れでいるため、遠くに投げる必要もなく、子供でも安全に楽しむことができるのです。

これだけあればOK!ハゼ釣り道具一式

ハゼ釣りの魅力は、その手軽さにあります。高価な道具は一切必要ありません。

「ちょい投げ」セットがおすすめ

ハゼ釣りで最も一般的なのが「ちょい投げ」という釣り方です。その名の通り、仕掛けを軽く投げて釣るスタイルです。釣具店やインターネットでは、この「ちょい投げセット」が数多く販売されています。これらのセットには、竿、リール、糸、簡単な仕掛けまで全て入っており、価格も2,000円~4,000円程度と非常に手頃。これさえ買えば、あとはエサを用意するだけですぐに釣りが始められます。

自分で揃える場合

もし自分で道具を揃えるなら、長さ1.8m~2.7mの短い竿、小型のスピニングリール、そして「天秤(てんびん)」というオモリと針が一体になった仕掛けを用意しましょう。

エサ

ハゼ釣りのエサは、アオイソメイシゴカイ(ジャリメとも呼ばれる)という虫エサが定番です。釣具店で500円分も買えば、一日中楽しめます。これを1cm~3cmほどの長さにハサミで切って、針に付けます。虫が苦手な方は、指サックやピンセットを使うと良いでしょう。

簡単3ステップ!ハゼのちょい投げ釣り講座

ハゼの釣り方は本当に簡単です。以下の3つのステップを覚えれば、誰でも釣ることができます。

  1. エサを付ける: 小さく切ったイソメを、針の先端から通して付けます。
  2. 軽く投げる: 遠くに投げる必要はありません。5m~15mほど先に、仕掛けをポチャンと落とすイメージで軽く投げ込みます。
  3. アタリを待つ: 仕掛けが底に着いたら、ゆっくりとリールを巻いて、仕掛けを少しずつ手前に引いてきます。すると、竿先に「プルプルッ」とか「コツコツッ」という小さな振動が伝わってきます。これがハゼのアタリです。アタリがあったら、そのままゆっくりとリールを巻き続ければ、ハゼが掛かっています。置き竿にして、竿先に鈴を付けてアタリを待つのも楽しい釣り方です。

厳選!荒川下流ハゼ釣り安心ポイント

ハゼは川の広い範囲に生息していますが、特に初心者や家族連れにおすすめなのは、安全で設備が整っている場所です。足場が良く、流れが緩やかで、トイレや駐車場が近くにある場所が理想的です。

  • 荒川・砂町水辺公園: 広々とした公園で、足場も良く安全です。トイレもあり、家族連れに最適です。シーバスやクロダイのポイントとしても知られていますが、岸際はハゼの絶好の釣り場です。
  • 岩淵水門周辺: こちらも有名な釣り場で、足場が良い場所が多くあります。流れが比較的緩やかなエリアを選んで竿を出すと良いでしょう。
  • 都市農業公園周辺: 駐車場が完備されており(有料)、車でのアクセスに便利です。公園内のトイレも利用できるため、安心して釣りを楽しめます。

ハゼ釣りについてより詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

ハゼ釣り完全ガイド!初心者でも爆釣できる釣り方、仕掛け、場所を徹底解説

安全に楽しむための最重要知識

釣りは楽しいアクティビティですが、自然を相手にする以上、常に安全への配慮が不可欠です。特に真夏の荒川では、二つの大きなリスク、「熱中症」と「危険生物」について、正しい知識を持つことが何よりも重要です。

夏の釣りの必需品!熱中症対策を万全に

8月の炎天下での釣りは、想像以上に体力を消耗し、熱中症のリスクが非常に高まります。楽しい一日を台無しにしないためにも、以下の対策を徹底してください。

  • 服装: 「涼しいから」とTシャツや短パンで釣りをするのは最も危険です。直射日光を浴び続けると、体力が奪われ、熱中症のリスクが急激に高まります。
    • 基本は「肌を隠す」こと: UVカット機能のある長袖のラッシュガードやアームカバー、そしてレギンスやタイツを着用しましょう。これらは吸汗速乾性に優れ、汗が蒸発する際の気化熱で、実は半袖よりも涼しく感じられます。
    • 色は白っぽいものを: 黒や紺などの濃い色は熱を吸収します。白やライトグレーなどの淡い色のウェアを選びましょう。
    • 帽子は必須: ツバの広い帽子(サファリハットなど)を必ずかぶり、頭部と首筋を直射日光から守りましょう。
  • 水分補給: 「喉が渇いた」と感じる前に、こまめに水分を補給することが重要です。最低でも2リットルの飲み物(水やお茶、スポーツドリンク)を持参しましょう。
  • 時間帯: 可能であれば、気温が最も高くなる午前10時から午後3時頃の時間帯を避けて、朝夕の涼しい時間帯に釣りをするのが賢明です。

【最重要】危険生物アカエイに要注意!

荒川下流域で釣りをする上で、**最も注意すべき危険生物が「アカエイ」**です。これは些細なリスクではなく、重大な事故に繋がりかねない、非常に重要な警告です。

アカエイの脅威

アカエイは、春から秋にかけて、荒川下流域の砂泥底に広く生息しています。普段は砂に潜って隠れているため、その存在に気づきにくいのが特徴です。彼らは攻撃的ではありませんが、誤って踏みつけてしまうと、防御のために尾の付け根にある強力な毒針で刺してきます。

この毒針は非常に鋭く、ゴム製の長靴を貫通するほどの威力があり、刺されると激しい痛みに襲われます。重症化すると入院が必要になるケースも少なくなく、まさに「干潟の地雷」と呼ぶべき危険な存在です。

刺されないための対策

アカエイによる事故を防ぐ方法はただ一つ、**「踏まない」**ことです。

  • 安易に水に入らない(ウェーディングしない): 特に砂地や泥底の浅瀬では、アカエイが潜んでいる可能性が非常に高いです。むやみに水の中を歩き回るのは絶対にやめましょう。
  • 「エイ・シャッフル」を実践する: どうしても水に入る必要がある場合は、足を高く上げて歩くのではなく、**すり足で歩く「エイ・シャッフル」**を徹底してください。これにより、アカエイを直接踏みつけるのではなく、体に触れることで驚かせて逃げさせることができます。
  • 釣れてしまった時の注意: 投げ釣りなどで偶然アカエイが釣れてしまうこともあります。尾を鞭のように振り回すため、非常に危険です。針を外すのが難しいと感じたら、無理をせず、糸を切って逃がしましょう。

もし刺されてしまったら?救急処置と正しい対処法

万が一、アカエイに刺されてしまった場合は、パニックにならず、冷静に正しい処置を行うことが重要です。以下の手順は、海上保安庁などの公的機関も推奨している対処法です。

表3: アカエイ刺傷時の救急処置クイックリファレンスステップ行動重要な詳細1安全確保と救助要請すぐに水から上がる。一人であれば、ためらわずに119番に電話する。2傷口の洗浄清潔な水(可能なら真水)で傷口を優しく洗い、目に見えるトゲの破片を取り除く。傷口から毒を絞り出すようにする。止血はしない。3熱による毒の無力化**火傷しない程度の熱いお湯(40~45℃)**に患部を30~90分浸す。アカエイの毒はタンパク質なので熱で分解される。冷やすと痛みが増すので絶対に冷やさない。4必ず医療機関へ応急処置をしても、必ず病院で診察を受けること。 破傷風の予防や、体内に残ったトゲの除去が必要な場合がある。

荒川のルールとマナーを守って、未来へ繋ぐ

私たちがこれからも荒川で釣りを楽しむためには、一人ひとりがルールとマナーを守ることが不可欠です。ルールを守ることは、自分自身の安全を守るだけでなく、この素晴らしい釣り場を未来の世代に残すための大切な責任です。他の河川では、マナー違反が原因で釣りが禁止になってしまった場所もあります。

最低限、以下の3つのルールは必ず守りましょう。

  1. ゴミは必ず持ち帰る: ルアーのパッケージ、エサの袋、飲食物の容器、そして特に切れた釣り糸は、絶対にその場に捨ててはいけません。自分のゴミはすべて持ち帰りましょう。
  2. 焚き火・直火は禁止: 河川敷での火の使用は、火災の危険があるため厳しく禁止されています。釣りの際に暖を取る目的であっても、焚き火は絶対にしてはいけません。
  3. 周りの人への配慮: 荒川は釣り人だけでなく、散歩やサイクリングなど、多くの人が利用する場所です。通路に荷物を置かない、大声で騒がない、他の利用者に危険がないようキャストの際は周囲を確認するなど、常に周りの人々への配慮を忘れないでください。駐車場も指定された場所に停めましょう。

終わりに

夏の太陽が照りつける8月の荒川。そこには、都会の日常を忘れさせてくれる、豊かでエキサイティングな釣りの世界が広がっています。スリリングなファイトが楽しめるシーバス、知恵比べが楽しいクロダイ、そして誰でも笑顔になれるハゼ。狙う魚を選び、しっかりと準備と安全対策をすれば、初心者の方でも必ず素晴らしい一日を過ごすことができるはずです。

このガイドが、あなたの「初めての一匹」への確かな一歩となることを願っています。さあ、道具を手に、安全とマナーを心に刻んで、荒川という身近な大冒険へ出かけましょう。きっと、忘れられない夏の思い出があなたを待っています。

ABOUT ME
Shin
釣歴32年のパパアングラーで子供を連れて行ける釣り場やキャンプ場を日々探して巡っています。役に立つ情報満載でブログをお届けさせていただきます(^^♪
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