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利根川下流域釣りガイド!初心者向けポイント・魚種・釣り方完全攻略

Contents
  1. はじめに (Introduction)
  2. 6月の利根川下流域:どんな魚が釣れる?人気ターゲット紹介
  3. 初心者でも安心!利根川下流域 おすすめ釣りポイント徹底解説
  4. 魚種別!利根川下流域 初心者のための釣り方マニュアル
  5. 釣行前に必ず確認!安全装備・マナーと遊漁券情報
  6. まとめ:6月の利根川下流域で最高の釣りを体験しよう!

はじめに (Introduction)

日本三大河川の一つ、「坂東太郎」の異名を持つ利根川 (1)。その雄大な流れは、古くから多くの恵みをもたらし、釣り人にとっても無限の可能性を秘めたフィールドとして知られています。特に6月は、初夏を迎え、梅雨の季節とも重なり、利根川下流域の釣りは独特の面白さを見せ始めます。水温の上昇とともに魚たちの活性が上がり (2)、狙える魚種も豊富になる魅力的なシーズンです。

しかし、広大な利根川を前に「どこで、何を、どうやって釣ればいいの?」と戸惑う初心者の方も少なくないでしょう。この記事では、そんな釣り入門者の方々に向けて、2024年6月の利根川下流域に焦点を絞り、釣れる魚の種類、具体的なおすすめポイント、そして分かりやすい釣り方まで、網羅的に解説します。

6月の利根川は、梅雨前線の影響を受けやすく、天候が釣果を大きく左右する時期でもあります。例えば、適度な雨は川を増水させ、濁りを生み出すことがあります。これがシーバスのような魚にとっては、ベイトフィッシュが流されやすくなったり、警戒心が薄れたりする好条件となる場合があるのです (3)。また、ウナギ釣りにおいては、雨後の「笹濁り」と呼ばれる少し濁った状態が絶好のチャンスとなることも知られています (4)。一方で、大雨による急な増水や強い濁りは釣りを困難にすることもあります。このように、6月の利根川下流域では、天候や川の状況を読み解き、その変化に柔軟に対応することが釣果アップの鍵となります。本記事が、皆さんの利根川での素晴らしい釣り体験の一助となれば幸いです。

6月の利根川下流域:どんな魚が釣れる?人気ターゲット紹介

利根川下流域は、淡水域と海水の影響を受ける汽水域が混在し、非常に豊かな生態系を育んでいます。そのため、6月には多種多様な魚たちとの出会いが期待できます。ここでは、特に人気の高いターゲットを中心に、その魅力と特徴を紹介します。

表1: 6月の利根川下流域 人気ターゲット早見表

魚種主な釣り方おすすめエサ/ルアー狙い目時間帯ポイント例
シーバスルアーミノー、バイブレーション、シンキングペンシル朝夕マズメ、夜間河口堰、橋脚、水門周り
クロダイ(チヌ)ぶっこみ釣り、ルアーイソメ、カニ、チヌ用ルアー日中、夜間護岸、テトラ帯、水門周り、河口
ウナギぶっこみ釣りドバミミズ、テナガエビ夕方~夜間流れ込み、テトラ帯、護岸際
ヤマメ・サクラマス(戻り)エサ釣り、ルアー川虫(クロカワ虫)、ミミズ、スプーン早朝瀬、合流部(上流部からの遡上個体の可能性)
テナガエビウキ釣り、網アカムシ、サシ日中護岸際、テトラの隙間

この表は、これから紹介する魚種や釣り方の概要を掴むためのものです。それぞれの魚には特有の習性があり、それを理解することが釣果への近道となります。

シーバス (Seabass) – エキサイティングなルアーフィッシングの王様

河口域や大きな川の下流域の代表的なターゲットといえば、やはりシーバス(スズキ)でしょう。引きが強く、ルアーへの反応も良いため、ゲームフィッシングの対象として絶大な人気を誇ります。6月の利根川下流域は、まさに「リバーシーバスの季節!」と言えるほど実績が高く、70cmを超える大型がキャッチされたという報告もあります 。

シーバスはイナッコ(ボラの幼魚)やサッパ、コノシロといった小魚を主なエサとしており 、これらのベイトフィッシュの動きを把握することがシーバス攻略の鍵となります。特に6月は、梅雨時の雨による増水や濁りが、シーバスの活性に大きな影響を与えます。雨によってベイトフィッシュが流されたり、濁りによってシーバスの警戒心が薄れたりすると、思わぬ好釣果に恵まれることがあります 。また、利根川河口堰(逆水門)などの水門が開閉し、流れが変化するタイミングも、ベイトフィッシュが動き出し、シーバスの捕食スイッチが入る絶好のチャンスとなります 。初心者は、天候の変化や水門の状況、そしてベイトフィッシュの気配に注意を払いながらポイントを選ぶと良いでしょう。

クロダイ (Kurodai/Chinu) – 駆け引きが楽しい身近な好敵手

クロダイ(チヌ)は、シーバスと同様に河口域や岸壁などで人気のターゲットです。警戒心が強く、繊細なアタリと力強い引きで釣り人を魅了します。6月はクロダイの活性も高く、大型が狙えるシーズンでもあります 。実際に釣り人からは「この時期になるとクロダイが沢山河川内に入り込んで見えちゃうくらいいるんですよね」といった声も聞かれます 。

クロダイはカニや貝類、ゴカイ類などを捕食する雑食性で 、エサ釣り(ぶっこみ釣りやフカセ釣り)はもちろん、近年ではルアーで狙う「チニング」も人気です。利根川下流域では、護岸際やテトラポッド周り、水門の周辺などが有望なポイントとなります。特に6月は水温が上昇してくるため、クロダイが浅場まで積極的に捕食に出てくることが多くなります。日中の釣りも楽しめますが、警戒心の高いクロダイを効率よく狙うには、夜釣りがおすすめです 。ボトム(底)を意識した釣りが基本となりますが 、夏に向けて水温がさらに高くなると、ペンシルベイトやポッパーといったトップウォータールアーにも果敢にアタックしてくるようになります 。このように、クロダイ釣りは攻め方のバリエーションが豊富で、初心者でも状況に合わせて様々な戦略を試せるのが魅力です。

クロダイ釣りについて詳細に知りたい方はこちらも参考にしてみてください。

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ウナギ (Eel) – 夏の夜の風物詩、専門仕掛けで狙う高級魚

夏の夜釣りといえば、ウナギを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。独特の風味と滋養強壮のイメージから高級魚としても知られるウナギは、利根川下流域でも人気のターゲットです。ウナギ釣りのシーズンは4月後半から10月末頃までと長く、6月はその中でも特に期待できる時期にあたります。

ウナギ釣りのゴールデンタイムは、「夕暮れ直後から90分が勝負」と言われるほど、日没後の短い時間に集中します 。エサはドバミミズが定番ですが 、利根川下流域では、現地で捕獲できるテナガエビも特効エサとして知られています 。テナガエビは、他のエサが雑魚に取られやすい状況下でもウナギに効果的で、まさに「マッチ・ザ・ベイト(現地のベイトに合わせる)」と言えるでしょう。実際に、利根川下流域の護岸やテトラポッド周りではテナガエビを捕獲することができ 、これをエサにすることで、より自然に近い形でウナギを誘うことができます。6cm程度の生きたテナガエビのハサミを取り除いて使うのがコツです 。この「現地調達」のエサを使うという行為自体も、釣りの楽しみを深めてくれるはずです。

うなぎ釣りについて詳細に知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

【完全ガイド】初心者向け!今日から始める鰻(ウナギ)釣りのすべて

ヤマメ・サクラマス (Yamame/Sakura Masu) – 清流の宝石(下流域での可能性)

ヤマメやサクラマス(利根鱒とも呼ばれる)は、本来、利根川の上流部や支流の清冽な流れを好む魚ですが、6月頃には海から遡上してくる「戻りヤマメ」や大型のサクラマスが下流域で姿を見せる可能性があります 。特に4月下旬から6月が、これらの遡上魚に出会えるベストシーズンとされています 。実際に、利根川下流域や阪東漁協管轄エリア(中下流域)で、素晴らしいコンディションの戻りヤマメが釣り上げられた記録もあります 。

ただし、これらの魚は水温に非常に敏感で、6月に入り水温が上昇してくると、下流域での遭遇は難しくなり、より水温の低い上流部へと移動してしまいます 。そのため、下流域でヤマメやサクラマスを狙う場合は、雨後などで一時的に水温が下がったタイミングや、流れが強く水通しの良い「瀬」のような場所に的を絞る必要があります 。初心者の方が下流域で手軽に狙えるターゲットとは言えませんが、もし出会えれば最高の思い出になるでしょう。あくまで「ボーナスフィッシュ」として、期待しすぎずに挑戦してみるのが良いかもしれません。

その他:テナガエビ、ハゼ、コイ、ナマズなど (Others: Freshwater Prawns, Goby, Carp, Catfish, etc.)

上記以外にも、利根川下流域では様々な魚種が釣れます。テナガエビは、専門に狙うと数釣りが楽しめ、家族連れにもおすすめです。また、ウナギの良いエサにもなります 。ハゼは秋のイメージが強いですが、初夏から釣れ始め、手軽なターゲットです。その他、コイやナマズといった淡水魚も豊富に生息しており、思わぬ大物との出会いがあるかもしれません 。

初心者でも安心!利根川下流域 おすすめ釣りポイント徹底解説

広大な利根川下流域の中から、初心者でも比較的アクセスしやすく、実績の高い釣りポイントをいくつか紹介します。ただし、自然相手の釣りですので、釣行日の天候や川の状況(潮の満ち引き、水の濁り具合、堰の放水状況など)によって釣果は大きく左右されます 。釣行前には、気象庁のウェブサイトや釣り関連のアプリなどで潮汐情報を確認し 、現地の状況をよく観察することが大切です。

利根川河口堰(逆水門)周辺 – シーバスの一級ポイント

利根川の河口近くに位置する利根川河口堰、通称「逆水門」は、シーバスアングラーにとって非常に有名な一級ポイントです 。この堰は水の流れをコントロールしており、その開閉によって生まれる複雑な流れがベイトフィッシュを寄せ集め、それを追ってシーバスも集まってきます。特に、堰のゲートが開いて流れが出ている時がチャンスで、千葉県側では1番から3番ゲート、茨城県側では8番から10番ゲートが開いている時が狙い目とされています。中央のゲートが開いても、ルアーが流れの中心まで届かないこともあるため、どのゲートが開いているかを確認することが重要です 。

強い流れが発生するため、釣りをする際は安全に十分注意し、ライフジャケットの着用は必須です。流れの脇やヨレ、反転流(本流とは逆向きに流れる場所)などを丁寧に探るのがセオリーです。ただし、水門から100m以内は釣り禁止エリアとなっているため、ルールを必ず守りましょう 。アクセスとしては、千葉県側の黒部川沿いに広い駐車スペースがあります 。このポイントは、単に「堰の近く」というだけでなく、ゲートの開閉状況によって刻々と変化する流れを読み解く面白さがあり、それが釣果に直結します。

シーバスフィッシングについて詳細を知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

【2025年版】シーバス釣りの完全ガイド!初心者向け釣り方(ルアー・餌)の種類とコツを徹底解説

銚子大橋周辺 – アクセスしやすく魚影も濃い

千葉県銚子市と茨城県神栖市を結ぶ銚子大橋周辺も、アクセスの良さと魚影の濃さから人気のポイントです 。橋脚は格好のストラクチャーとなり、シーバスやクロダイなどが身を寄せています。日中の釣りも可能ですが、特に夜間は橋の照明によってできる明暗部が絶好の狙い目となります。

利根川は川幅が非常に広いため、同じ銚子大橋周辺でも、千葉県側と茨城県側、さらには各橋脚の位置によって、ベイトフィッシュの種類や魚の付き場、有効なルアーやレンジ(水深)が変わってくることがあります 。岸際と沖目で状況が異なることも多いため、一つの場所に固執せず、周囲を観察しながら広範囲に探ってみることが釣果アップに繋がります。ボートの航行も多いため、周囲の安全には十分注意しましょう。銚子港周辺には一部立ち入り禁止区域もあるため 、釣りが可能な範囲を事前に確認しておくことが大切です。

護岸帯・テトラポッド帯 – 魚の隠れ家を探せ

利根川下流域の岸辺には、護岸やテトラポッドが広範囲に設置されています。これらの人工的なストラクチャーは、魚たちにとって絶好の隠れ家やエサ場となります。クロダイ、シーバス、ウナギなどが潜んでいる可能性が高く、テナガエビも護岸際やテトラポッドの隙間を好みます 。

護岸帯では、足元から少し沖のカケアガリ(水深が急に深くなる場所)や、流れの変化がある場所を狙います。テトラポッド帯は魚影が濃い反面、根掛かりしやすいのが難点です。初心者の場合は、テトラポッドの切れ目や、テトラポッドに流れが当たっている場所の少し下流側など、比較的根掛かりしにくい場所から狙うのがおすすめです。ウナギなどは、あえて根掛かりが多いような岩やテトラの隙間に潜んでいることもありますが、まずは根掛かりを避けつつ、魚が潜んでいそうな変化のある場所を丁寧に探ることが大切です。

各種水門・河川合流部 – ベイトフィッシュが集まる場所

利根川河口堰(逆水門)のような大規模な堰だけでなく、利根川には多くの支流が流れ込み、また、農業用水などのための比較的小さな水門も点在しています。利根川と江戸川の合流部、渡良瀬川や鬼怒川との合流部 、さらには利根川、黒部川、常陸利根川が合流するエリア などが知られています。

これらの合流部や水門周りは、異なる水質の水が混ざり合ったり、流れに変化が生じたりするため、プランクトンや小魚などのベイトフィッシュが集まりやすい傾向があります。そして、それを目当てにシーバスやクロダイなどのフィッシュイーターも集まってきます。特に、支流から本流へ流れ込む水温や濁り、栄養分などが本流と異なる場合、その境目(潮目)は魚にとって魅力的な場所となり得ます 。水門が開いていれば、その流れ出しや流れがヨレる場所が狙い目です。単に合流点というだけでなく、水の流れや水質の変化を意識してポイントを選ぶと良いでしょう。

桜井町公園など – 足場が良くファミリーにも

千葉県銚子市にある桜井町公園のように、利根川沿いには整備された公園がいくつかあり、足場が良く安全に釣りを楽しめる場所もあります 。これらの公園は駐車場やトイレが完備されていることも多く、家族連れや初心者の方でも気軽に釣りを体験できます。

桜井町公園では、ちょい投げ釣りでハゼやウナギ、ルアーフィッシングでシーバスなどが狙えるとされています 。のんびりと釣りを楽しみたい方や、お子さんと一緒に釣りを始めたい方には最適なポイントと言えるでしょう。

魚種別!利根川下流域 初心者のための釣り方マニュアル

ここでは、利根川下流域で6月に人気のターゲット別に、初心者向けの基本的な釣り方とタックル(釣り道具)を紹介します。まずはシンプルな仕掛けと釣り方から始めて、徐々にステップアップしていくのがおすすめです。

シーバスのルアーフィッシング入門

シーバス釣りは、ルアーを投げて巻くというシンプルな動作が基本ですが、奥が深く、多くの釣り人を虜にしています。

  • 基本タックル (Basic Tackle):
    • ロッド:長さ8~9.6フィート(約2.4m~2.9m)で、硬さがML(ミディアムライト)~M(ミディアム)クラスのシーバスロッドが扱いやすいでしょう 。
    • リール:2500番~4000番サイズのスピニングリールが一般的です 。
    • ライン:PEラインの0.8号~1.5号をメインラインとし、その先端にショックリーダーと呼ばれるナイロンラインまたはフロロカーボンラインの16ポンド~30ポンドを1mほど接続します 。PEラインは伸びが少なく感度が高いため、シーバスの小さなアタリも捉えやすいのが特徴です。
  • おすすめルアーと使い方 (Recommended Lures and How to Use Them):
    • ミノー:小魚に似せた形状のルアーで、水面直下を泳ぐフローティングタイプと、沈むシンキングタイプがあります。まずは9cm~12cm程度のフローティングミノーから始め、ただ巻き(一定速度でリールを巻く)で使うのが基本です。流れに乗せて自然に泳がせたり、時折トゥイッチ(竿先を小さくチョンチョンと動かす)を入れたりするのも効果的です 。
    • シンキングペンシル:鉛筆のような細長い形状で、空気抵抗が少なく遠投性に優れています。ミノーよりも動きが控えめで、警戒心の高いシーバスや、特定の水深をゆっくりと攻めたい場合に有効です 。
    • バイブレーション:ブルブルと小刻みに振動しながら泳ぐルアーで、アピール力が高く、広範囲を探るのに適しています。濁りが入っている時や、シーバスの活性が高い時にも有効です 。
    • トップウォータールアー:水面を泳がせるタイプのルアーで、シーバスが水面を割ってルアーに襲いかかる瞬間は非常にエキサイティングです。ただし、操作には少しコツが必要で、ゆっくりと水面でアクションさせるのが基本です 。 初心者のうちは、まず扱いやすいミノーのただ巻きから始め、ルアーがどのように泳ぐのか、流れの中でどのように感じるのかを掴むことが大切です。慣れてきたら他のルアーやアクションにも挑戦してみましょう。
  • 釣果アップのコツ (Tips to Improve Catches):
    • 時間帯:朝マズメ(日の出前後)と夕マズメ(日没前後)は、シーバスの捕食活動が活発になるゴールデンタイムです。夜釣りも非常に有効です。
    • 潮回り:利根川下流域は潮の影響を大きく受けるため、潮の動きは非常に重要です。一般的に、潮が動いている時間帯(上げ潮、下げ潮)が良く、潮止まり前後はアタリが遠のくことがあります 。
    • アクション:ただ巻きだけでなく、リトリーブスピードに変化をつけたり、時々ストップさせたりするのも効果的です。活性が低い時は、流れに乗せてルアーを漂わせる「ドリフト」や、扇状に探る「スウィング」といったテクニックも有効です 。
    • ボイル撃ち:シーバスが水面でベイトフィッシュを捕食している「ボイル」を見つけたらチャンスです。ボイルの少し奥にルアーを投げ込み、ボイルの中を通過させるようにリトリーブします 。
    • 水況:雨後で少し濁りが入っている「笹濁り」の状態は、シーバスの警戒心が薄れ、釣れやすくなることがあります 。また、水門の開閉による流れの変化も常に意識しましょう 。

クロダイ(チヌ)を狙う!ぶっこみ釣りとルアー(チニング)

クロダイはエサ釣りとルアー釣りの両方で楽しめるターゲットです。

  • ぶっこみ釣りの仕掛けとエサ (Bukkomi Rigs and Bait):
    • 仕掛け:中通しオモリ(または遊動式のテンビンオモリ)、サルカン、ハリス、チヌ針を使ったシンプルな仕掛けが基本です。オモリが遊動式になっていることで、クロダイがエサを咥えた時の違和感を軽減できます。
    • エサ:アオイソメやイワイソメといったゴカイ類、ボケ(スナモグリ)、シャコなどが実績の高いエサです 。現地でカニやフジツボなどが採れれば、それらも良いエサになります。
    • 釣り方:ストラクチャー周りやカケアガリなど、クロダイが潜んでいそうなポイントに仕掛けを投入し、オモリが着底したら道糸を少し張る程度にしてアタリを待ちます。リールのドラグは少し緩めにしておき、クロダイがエサを咥えて走り出した時にスムーズに糸が出るようにしておくと良いでしょう 。
  • チニングの基本タックルとルアー (Basic Chining Tackle and Lures):
    • タックル:シーバス用タックルでも代用可能ですが、専用のチニングロッド(7~8フィート程度)があれば、より繊細な操作が可能です。
    • ルアー:
      • ボトム系ルアー:カニやエビを模したソフトルアー(ワーム)を、ジグヘッドリグやテキサスリグで使うのが基本です 。底をズルズルと引いたり、時々小さく跳ね上げたりして誘います。
      • ハードルアー:小型のクランクベイトやバイブレーションも有効です。夏場には、ペンシルベイトやポッパーといったトップウォータールアーで水面を攻めるのも面白いでしょう 。
  • アタリの取り方と合わせのタイミング (Detecting Bites and Timing the Hookset):
    • ぶっこみ釣り:クロダイのアタリは、「コンコン」という小さな前アタリの後、竿先をグッと引き込む本アタリが出ることが多いです。警戒心が強いため、前アタリで早合わせせず、しっかりと食い込むのを待ってから合わせるのがコツです 。クロダイはエサを口先でついばむようにして食べるため、抵抗を感じさせずに食い込ませることが重要です。
    • ルアー釣り:ボトム系のルアーでは、「コツコツ」という感触や、重みが乗るようなアタリが出ます。トップウォータールアーの場合は、ルアーが水中に引き込まれ、ラインが走り出してから合わせるのが基本です 。高橋雅樹氏のブログでは、「ボトムをコツコツとゆっくり巻いてくるとバイト。しつこくバイトがあるのでその瞬間はたまらないですね」と、その駆け引きの面白さが語られています 。

ウナギのぶっこみ釣り講座

夏の夜の風物詩、ウナギ釣りは比較的簡単な仕掛けで楽しめます。

  • 専用タックルとシンプルな仕掛け (Specialized Tackle and Simple Rigs):
    • ロッド:市販の投げ釣りセットや、シーバスロッドでも代用可能です。長さ3m前後で、オモリ負荷20号程度のものが扱いやすいでしょう 。
    • リールとライン:スピニングリールに、ナイロンラインの3号~4号を100mほど巻いておけば十分です 。
    • 仕掛け:中通しオモリを使ったシンプルな仕掛けがおすすめです。ウナギ専用の針(11号~14号程度)を使用すると、掛かりが良いでしょう 。
  • 特効エサは? (What’s the Special Bait?):
    • ドバミミズ(太いミミズ)が定番のエサです 。
    • 利根川下流域では、テナガエビも非常に効果的なエサとなります。特に他のエサが雑魚に取られやすい場合に有効で、6cm程度の生きたテナガエビのハサミを取り除いて使うのがコツです 。
    • 汽水域に近い場所ではアオイソメも使われます 。
  • 狙い目の時間帯とポイント選び (Best Times and Point Selection):
    • 時間帯:「夕暮れ直後から90分が勝負」と言われるように、日没直後から夜にかけてが最も釣れる時間帯です 。
    • ポイント:岩場やテトラポッドなどのストラクチャー周り、カケアガリ、流れ込みなどが有望です。護岸された場所では、意外と足元に潜んでいることもあります 。利根川と黒部川、常陸利根川の合流点なども実績があります 。潮目や川底の地形変化がある場所も狙い目です 。ウナギはシーバスのように広範囲を泳ぎ回るのではなく、障害物や流れの変化点に潜んでエサを待つ習性があるため、有望なポイントを見つけたら、じっくりとアタリを待つことが重要です。
    • 条件:「適度な雨の後の笹濁り程度が良い」とされ 、「下げ潮を狙います。ウナギは流れが好きな魚だからです」とも言われています 。

ヤマメ・サクラマスへの挑戦(エサ・ルアー)

下流域でのヤマメ・サクラマスは上級者向けのターゲットですが、もし挑戦するなら。

  • タックルとアプローチ (Tackle and Approach):
    • シーバスタックルよりも軽いものが適しています。エサ釣りの場合は、長く感度の良い渓流竿。ルアーの場合は、ライトなスピニングタックルが良いでしょう。
    • エサ:クロカワ虫などの川虫やミミズが使われます 。
    • ルアー:小型のスプーン、スピナー、ミノーなど。
    • ある釣り人の記録では、大型のサクラマスを0.8号のラインとサクラサツキ1号のハリ(ミミズエサ)で釣り上げた例もあります 。これは非常に高度な技術と経験を要しますが、ポテンシャルを示しています。
  • 下流域での注意点 (Considerations for Lower Reaches):
    • これらはあくまでボーナスフィッシュであり、数多く釣れるとは限りません。
    • 「石の洗われた瀬」のような、流れがあり、岩などのストラクチャーがある場所が狙い目です 。
    • 水温が非常に重要で、6月に入り水温が上昇すると、下流域でのチャンスは急速に減少します 。渇水で日中の水温が20℃を超えるような状況では厳しく、梅雨に入りまとまった雨で水量が回復し、水温が少しでも下がればチャンスが出てくるかもしれません 。
    • 初心者が利根川下流域でヤマメやサクラマスを狙うのは、まさに「エキスパートの挑戦」か「幸運な遭遇」と言えるでしょう。過度な期待はせず、もし出会えたらラッキー、くらいの気持ちで臨むのが良いでしょう。

釣行前に必ず確認!安全装備・マナーと遊漁券情報

楽しい釣りも、安全とマナーがあってこそ。釣行前には必ず以下の点を確認しましょう。

安全第一!必須の装備と服装

  • ライフジャケット(救命胴衣):水深のある場所や流れの速い場所、滑りやすい足場では必ず着用しましょう 。利根川下流域は広大で、潮の影響も受けるため、特に注意が必要です。
  • 履物:滑りにくい靴や長靴を選びましょう。ウェーディング(川に入って釣る)をする場合は、専用のウェーダーが必要です 。
  • 服装:天候が変わりやすいため、重ね着できる服装が基本です。6月は梅雨時期なので、レインウェアは必須です 。日差しや虫刺され対策として、長袖・長ズボンがおすすめです 。
  • 帽子・偏光サングラス:日差し対策と、水中の様子を見やすくするために有効です 。
  • その他:虫除けスプレー 、日焼け止め、救急セット、飲み物、夜釣りをする場合はヘッドライトなどを準備しましょう。 利根川のような大規模河川では、流れの強さ、滑りやすい護岸、潮による水位の変化など、小さな川とは異なる特有の危険が伴います。これらを過小評価せず、安全対策を万全にすることが何よりも大切です。

みんなで楽しむために。釣り場のマナー

  • 他の釣り人との距離を保ちましょう。
  • ゴミは必ず持ち帰りましょう。
  • 釣った魚は丁寧に扱い、キャッチ&リリースをする場合は速やかに放流しましょう。規定サイズに満たない魚はリリースするのが基本です(例:ウナギは40cm以下はリリース推奨 。
  • 夜間や住宅地に近い場所では、騒音に注意しましょう。
  • 私有地や立ち入り禁止の場所には入らないようにしましょう。
  • 釣り針や仕掛けを投げる際は、周囲の安全を十分に確認しましょう 。

利根川下流域の遊漁券について(千葉県・茨城県)

日本の多くの河川で釣りをするには、地元の漁業協同組合(漁協)が発行する遊漁券が必要です。利根川下流域は千葉県と茨城県の県境を流れており、管轄する漁協も複数にまたがる可能性があります。

  • 対象魚種と遊漁券:
    • シーバス、クロダイ、ウナギなどは「雑魚」扱いとなり、比較的安価な遊漁券で釣りができることが多いです。
    • ヤマメやサクラマスを専門に狙う場合は、別途専用の遊漁券(多くの場合、雑魚券より高価)が必要になることがあります。
  • 購入場所:
    • 最も確実なのは、釣行予定の場所に近い釣具店で購入することです。釣具店は地元の遊漁規則に詳しい場合が多いです。
    • 漁協によっては、オンライン(例:つりチケ 36)やコンビニエンスストア で販売していることもあります。
  • 千葉県側・茨城県側の情報:
    • 千葉県側では、手賀沼漁業協同組合が野田市地先から印西市地先までの利根川(河川中央から千葉県側)を管轄している情報があります 。
    • 茨城県側では、鬼怒利根漁業協同組合が一部区間を管轄している可能性や 、茨城県内水面漁協連合会発行の「雑魚の県内共通券」で釣りが可能なエリアもあります 。
  • 初心者へのアドバイス:
    • 遊漁券のシステムは複雑で、地域や対象魚種によって異なるため、釣行前に必ず管轄の漁協や現地の釣具店に確認することが最も重要です。
    • 釣り禁止区域(例:利根川河口堰から100m以内 、銚子港内の一部 、サケ・マス産卵保護のための河口付近の禁漁期間など)も存在するため、注意が必要です。
    • まずは「どこで何を釣りたいか」を具体的に決め、その場所最寄りの釣具店で「ここで〇〇を釣りたいのですが、必要な遊漁券はどれですか?」と尋ねるのが、初心者にとっては最も確実で簡単な方法です。

表2: 利根川下流域 遊漁券情報(概要)

管轄の可能性関係漁協の可能性主な対象魚種遊漁券の目安(日釣券)購入場所例
千葉県側手賀沼漁協、その他シーバス・クロダイ・ウナギ等「雑魚」約¥600~¥1,500現地釣具店、漁協事務所、一部オンライン
ヤマメ・サクラマス別途確認
茨城県側鬼怒利根漁協、茨城県内水面漁協連合会(共通券)、その他シーバス・クロダイ・ウナギ等「雑魚」約¥600~¥1,500現地釣具店、漁協事務所、一部コンビニ
ヤマメ・サクラマス別途確認
注意\multicolumn{4}{l}{情報はあくまで目安です。釣行前に必ず管轄漁協や現地の釣具店にご確認ください。}

まとめ:6月の利根川下流域で最高の釣りを体験しよう!

6月の利根川下流域は、シーバス、クロダイ、ウナギといった魅力的なターゲットとの出会いが期待できる素晴らしいシーズンです。梅雨時の変化に富んだ気候や川の状況を読み解き、それに合わせた釣り方やポイントを選ぶことが、釣果を大きく左右します。

この記事で紹介した魚種ごとの特徴や釣り方、おすすめのポイント、そして安全対策やマナー、遊漁券に関する情報を参考に、しっかりと準備を整えれば、初心者の方でも十分に利根川の釣りを満喫できるはずです。

広大な利根川は、私たちに豊かな恵みを与えてくれると同時に、時には厳しい自然の顔も見せます。常に安全を第一に考え、周囲の環境や他の釣り人への配慮を忘れずに、ルールとマナーを守って釣りを楽しみましょう。

さあ、道具を準備して、6月の利根川下流域へ、最高の釣り体験を求めて出かけてみませんか? きっと忘れられない思い出が待っているはずです。

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Shin
釣歴32年のパパアングラーで子供を連れて行ける釣り場やキャンプ場を日々探して巡っています。役に立つ情報満載でブログをお届けさせていただきます(^^♪
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