都会の喧騒を抜け、ほんの少し足を延せば、そこには生命力あふれる豊かな自然が広がっています。夏の強い日差しを浴びてきらめく多摩川の流れは、まさに都会のアングラーにとってのオアシス。特に8月は、一年で最も川が賑わう季節です。
「でも、夏は暑いし、何から始めればいいか分からない…」そんな初心者の方もご安心ください。確かに8月の釣りは暑さとの戦いですが、魚たちの活性は最高潮。正しい準備と知識があれば、初心者でも忘れられない一匹に出会える絶好のチャンスなのです。
この記事では、都会の身近な大自然・多摩川中流域を舞台に、8月の釣りを最大限に楽しむための全てを凝縮しました。手軽に楽しめる小物釣りから、エキサイティングなルアーフィッシングまで、あなたの「釣ってみたい!」がきっと見つかるはず。さあ、この夏、多摩川で最高の思い出を作りに出かけましょう!
魚種 | 主な釣り方 | 初心者おすすめ度 | 狙いやすい時間帯 | 主なポイント |
スモールマウスバス | ルアー釣り(ワーム、ミノー) | ★★★★☆ | 日中、朝夕まずめ | 流れのある岩場、橋脚周り、テトラ帯 |
アユ | アユイング(ルアー)、友釣り、コロガシ | ★★★☆☆ | 日中 | 流れの速い瀬、砂利底の場所 |
ナマズ | ルアー釣り(トップウォーター)、エサ釣り | ★★★☆☆ | 夜間(日没後)、雨後の濁り | 流れの緩い淵、テトラ帯、合流点 |
オイカワ・小物 | ウキ釣り、毛バリ釣り | ★★★★★ | 日中 | 流れのある浅瀬(チャラ瀬) |
コイ | 吸い込み釣り、ウキ釣り | ★★★☆☆ | 日中 | 流れの緩やかな淵、合流点、橋の下 |
8月の多摩川釣行、まずは準備から!初心者が揃えるべき持ち物と服装

8月の多摩川は、魚だけでなくアングラーにとっても過酷な環境です。釣果を上げる以前に、安全で快適に過ごすための準備が何よりも重要。ここでは、釣りを始める前に必ず確認してほしい「服装」「道具」「ルール」の三本柱を徹底解説します。
猛暑を乗り切る!熱中症対策と快適な服装
真夏の河原は、照り返しも強く、想像以上に体力を消耗します。熱中症は命に関わる危険な状態です。万全の対策で臨みましょう。
- 基本は「長袖・長ズボン」: 意外に思われるかもしれませんが、夏こそ肌の露出を避けるのが鉄則です。日焼けによる体力消耗を防ぎ、虫刺されや草木による怪我から身を守るためです。
- 素材選びが重要: ウェアの素材が快適さを大きく左右します。汗を吸って乾きにくい綿(コットン)素材は、気化熱による冷却効果を妨げるため避けましょう。吸汗速乾性に優れた化学繊維のラッシュガードやスポーツ用レギンスが最適です。これらは水に濡れてもすぐに乾き、常にサラサラとした着心地を保ってくれます。
- 必須アクセサリー:
- 帽子: 熱中症対策の基本です。風で飛ばされないよう、あご紐付きのハットタイプがおすすめです。
- 偏光サングラス: 強い日差しや水面のギラつきから目を守るだけでなく、水中の様子が見やすくなるため釣果にも直結する重要アイテムです。
- 飲み物: 「少し多いかな」と思うくらいの量を持参しましょう。水やお茶だけでなく、汗で失われる塩分やミネラルを補給できるスポーツドリンクや経口補水液が効果的です。
- 最新冷却グッズ: 近年では、水に濡らして使う冷却タオルや、首元を冷やすネッククーラー、さらには小型ファンで服の中に風を送る「空調服」と呼ばれるウェアも登場しています。これらを活用することで、炎天下でも驚くほど快適に過ごせます。
実は、この厳しい暑さは、戦略的な利点にもなり得ます。人間と同じように、魚たちも高水温を避けて、より涼しく酸素の多い場所へと移動します。例えば、流れの速い瀬や、水深のある場所、日陰になるストラクチャー周りなどです。つまり、夏の暑さによって魚の居場所が絞り込まれ、狙うべきポイントが明確になるのです。この「暑さが作るホットスポット」を理解することが、夏の多摩川攻略の第一歩と言えるでしょう。
これだけは必須!基本の釣り道具と便利グッズ
初めての釣りでは、高価な道具は必要ありません。まずは基本的な装備を揃えましょう。
- 基本タックル: 釣具店で販売されている初心者向けの竿とリールのセットで十分です。ターゲットに合わせて、仕掛け(ハリス、ハリ、オモリなどがセットになったもの)を用意します。
- 必須の小物:
- ハサミ: 糸を切るために必ず必要です。
- プライヤー(ペンチ): 魚から安全にハリを外すために使います。魚の口は硬く、手で外そうとすると危険です。
- あると便利なグッズ:
- タモ(ランディングネット): 大物が掛かった際に、安全に取り込むための網です。特にスモールマウスバスやコイを狙うなら持っておくと安心です。
- 水汲みバケツ: 手を洗ったり、釣った魚を一時的に活かしておくのに便利です。
- 小型クーラーボックス: 飲み物を冷やしたり、釣った魚を新鮮なまま持ち帰るために役立ちます。
- 命を守るライフジャケット: 川の流れは見た目以上に複雑で、足元をすくわれる危険性があります。万が一の事故に備え、必ずライフジャケットを着用しましょう。岩などで破れるリスクを考慮し、膨張式よりも浮力材が入ったフローティングベストタイプが川釣りには適しています。
最重要!多摩川のルールと遊漁券について
多摩川で釣りをするには、原則として「遊漁券(ゆうぎょけん)」の購入が必要です。これは、川の環境を守り、魚の放流事業などを行う漁業協同組合の活動資金となります。ルールを守って、気持ちよく釣りを楽しみましょう。
多摩川中流域は、主に2つの漁業協同組合が管理するエリアに分かれています。釣りをする場所によってルールや遊漁券が異なるため、必ず事前に確認してください。
- 内共3号区(府中・稲城・調布エリアなど)
- エリア: 上流の「拝島橋(はいじまばし)」から下流の「多摩川原橋(たまがわらばし)」までの区間です。府中市、稲城市、調布市などがこのエリアに含まれます。
- 管理: 多摩川漁業協同組合。
- 遊漁券: 魚種によって料金が異なります。例えば、コイやフナ、オイカワなどを狙う場合は日券500円、アユやウナギも含む全魚種は日券1,000円です(2024年時点)。オンラインで購入できる「つりチケ」や、コンビニ、現地の釣具店(金子釣具店など)で購入可能です。
- 内共12号区(二子玉川・登戸エリアなど)
- エリア: 「多摩川原橋」から下流の「ガス橋」までの区間です。二子玉川周辺などがこのエリアに含まれます。
- 管理: 川崎河川漁業協同組合。
- 遊漁券: こちらも魚種によって料金が設定されています。現地の釣具店や特定のコンビニエンスストア(セブン-イレブン川崎布田店など)で購入できます。
- 【超重要ルール】: このエリアでは、漁協の規則により夜釣り(日没から日の出まで)が全面的に禁止されています。安全確保や近隣住民への配慮が理由です。ナマズなどを夜に狙いたい場合は、内共3号区など、夜釣りが禁止されていないエリアを選ぶ必要があります。
このように、自分が今立っている場所がどちらのエリアに属するのかを把握することが、ルールを守る上での第一歩です。川を「読む」だけでなく、ルールも「読む」ことが、優れたアングラーの条件と言えるでしょう。
8月の多摩川中流で狙える!ターゲット魚種別・釣り方完全攻略

準備が整ったら、いよいよ実践です。8月の多摩川は、多種多様な魚たちがあなたを待っています。ここでは、特に人気の高いターゲットを4種類ピックアップし、初心者でも分かりやすいように釣り方を徹底解説します。
川のファイター!スモールマウスバス攻略法
多摩川で近年人気が急上昇しているのが、スモールマウスバスです。引きが強く、果敢にルアーにアタックしてくる姿は、多くのアングラーを魅了します。
- 狙うべき場所: 流れのある岩場や橋脚、テトラポッドが積まれた場所などを好みます。夏の暑い日中は、水温が少しでも低い深場や、流れが当たる場所の影に潜んでいることが多いです。
- 初心者向けタックル: バス釣り用のスピニングロッドとリールのセットがあれば十分です。
- 最強の一手は「ワーム」: 初心者が最も確実に釣果を上げるなら、エビや小魚を模した「ワーム」と呼ばれるソフトルアーがおすすめです。
- おすすめワーム: 多摩川で実績が高いのは、ゲーリーヤマモト社の「イモグラブ」「レッグワーム」、イッセイ社の「ビビビバグ」、ジャッカル社の「シザーコーム」などです。釣具店でこれらの名前を伝えれば、すぐに見つかるでしょう。
- カラーの選び方: 色で迷ったら、「ウォーターメロン」や「グリーンパンプキン」といった緑系のカラーを選びましょう。これは、多摩川のスモールマウスバスが主食にしているヌマエビの色にそっくりで、バスが警戒心なく口を使いやすいためです。
- 仕掛け(リグ)の組み方: ワームを効果的に使うための仕掛けを「リグ」と呼びます。初心者には以下の2つがおすすめです。
- ダウンショットリグ: 最もポピュラーなリグです。オモリが一番下に来るため、ワームを底から少し浮かせた自然な状態でアピールできます。
- キャロライナリグ: オモリとワームの間に少し距離(リーダー)をとるリグです。広範囲を探ったり、流れに乗せて自然にドリフトさせたりするのに適しており、場所によってはダウンショットリグより効果的な場合があります。
スモールマウスバス釣りについて詳細を知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
【完全ガイド】スモールマウスバス釣りの始め方!初心者向け釣り方・ルアー・タックル徹底解説
夏の風物詩!清流の女王・アユを釣ってみよう
美しい姿と独特の香りから「香魚」とも呼ばれるアユは、日本の夏を象徴する魚です。縄張り意識が非常に強いという習性を利用した釣りが特徴です。
- 初心者への福音「アユイング」: 伝統的なアユ釣りは「友釣り」と呼ばれ、生きたオトリアユを使うため初心者にはハードルが高いものでした。しかし近年、アユの形をした専用ルアーで縄張りを刺激して釣る「アユイング」という新しい釣法が登場し、誰でも手軽にアユを狙えるようになりました。
- アユイングのタックル: 長さ8ft(約2.4m)前後で穂先が柔らかい専用ロッドが理想ですが、トラウトロッドやメバリングロッドでも代用可能です。小型のスピニングリールに、PEラインの0.4号~0.6号を巻き、先端にフロロカーボンのリーダーを接続します。
- アユイングのルアー: ダイワの「アユイングミノー」などが有名です。リアルな見た目はもちろん、掛けバリをセットしやすい構造や、根掛かりしにくい工夫が凝らされています。
- 釣り方: 流れのある瀬(川底が砂利で水深が浅い場所)がポイントです。自分の立ち位置から上流や対岸に向かってルアーを投げ、川底付近をゆっくりと泳がせるようにリールを巻きます。縄張りに侵入してきたルアーに対し、アユが体当たりで攻撃してきた瞬間がヒットの合図です。
- 河原で見かける伝統釣法:
- 友釣り(ともづり): 生きたオトリアユを泳がせ、野アユの縄張り意識を刺激して釣る、非常に奥深い伝統漁法です。
- コロガシ釣り: 多摩川で古くから盛んに行われている釣法で、複数の掛けバリを川底で転がすように引き、アユを引っ掛けて釣ります。長い竿を使い、仕掛けを遠くに飛ばすため、近づく際は注意が必要です。
アユ釣りについて詳細を知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
【完全ガイド】アユの友釣りを始めよう!初心者向けに釣り方のコツと仕掛けを徹底解説
アユのルアー釣り完全ガイド!初心者でも釣れる始め方・タックル・ポイント選びのコツ
夜の主役!パワフルなナマズ入門
日没後、川の主役はパワフルな日本在来の捕食者、ナマズへと変わります。多摩川のナマズは大型になることで知られ、その強烈な引きは一度味わうと病みつきになります。
- 王道は夜のトップウォーターゲーム:
- 時間と場所: 日が完全に沈んだ後がゴールデンタイムです。流れが緩やかな淵や、テトラポッドの際、流れ込みの周辺などを狙います。
- ルアー: ナマズは目が悪い代わりに、音や振動に非常に敏感です。水面で音を立ててアピールする「ノイジープラグ」が最も効果的です。「ジッターバグ」というルアーが古くからの定番で、カップが水を受けて「ポコポコ」という音を出します。
- 釣り方のコツ: 投げたら一定のスピードでゆっくりと巻くだけです。ナマズは捕食が下手で、派手な音を立ててルアーに襲いかかっても空振りすることがよくあります。ここで慌ててリールを巻くのを止めると、偽物だと見破られてしまいます。何事もなかったかのように巻き続けると、再びアタックしてくることが多いので、焦らないことが最大のコツです。
- 日中のサイトフィッシング: 日中は物陰に隠れて休んでいるナマズを、偏光サングラス越しに見つけて狙う「サイトフィッシング」も可能です。スモラバ(小さなラバージグ)などを目の前にそっと落としてやると、一撃で食いついてくることがあります。
- タックルと注意点: バス釣り用の中くらいの強さのロッドが流用できます。テトラなどの障害物周りでファイトすることが多いため、ラインはPEライン4号以上、ナイロンラインなら5号(20ポンド)以上と、かなり太めのものを使用しましょう。そして、二子玉川などを含む内共12号区では夜釣りが禁止されていることを再度確認してください。
鯰釣りについてより詳しく知りたい方は以下記事も参考にしてください。
【ナマズ釣り初心者完全ガイド】始め方から釣り方のコツ、おすすめタックルまで徹底解説!
手軽で楽しい!オイカワ&小物釣り
「まずはとにかく一匹釣ってみたい!」という方や、お子様連れのファミリーに最適なのが、オイカワやタモロコといった小物釣りです。美しい婚姻色をまとったオスのオイカワは「川のヤマメ」とも呼ばれ、その美しさは格別です。
- 狙うべき場所: 水深が浅く(くるぶし~膝くらい)、サラサラと流れている「瀬」や「チャラ瀬」と呼ばれる場所が絶好のポイントです。
- 方法1:シンプルなウキ釣り:
- タックル: 3~4m程度の万能延べ竿(リールのない竿)に、市販の小物釣り用ウキ仕掛けを結ぶだけ。非常にシンプルです。
- エサ: チューブに入った練りエサが手軽で汚れません。少し冒険したいなら、川の石をひっくり返して、裏にくっついている川虫(カワゲラやカゲロウの幼虫)を捕まえて使うと、食いが格段に良くなります。
- 釣り方: ウキ下の長さを水深に合わせて調整し、流れに乗せて仕掛けを流します。ウキが「ピクピクッ」と動いたり、水中に引き込まれたりしたら、それがアタリです。
- 方法2:風流な「流し毛バリ」:
- ウキ釣りに慣れたら挑戦したいのが、複数の毛バリ(水生昆虫を模した疑似餌)がついた仕掛けを使う伝統的な釣り方です。
- 釣り方: オモリを使わず、仕掛けを流れに乗せて水面直下をドリフトさせます。毛バリが水面を流れる昆虫のように見え、オイカワが次々とアタックしてきます。
この小物釣りは、釣りの基本である「アタリを取ってアワセる」という一連の動作を学ぶのに最適です。ここで得た成功体験と自信が、スモールマウスバスのような、より大きなターゲットに挑戦する次なるステップへと繋がっていくのです。多摩川は、一歩ずつステップアップできる最高の釣り教室と言えるでしょう。
初心者におすすめ!多摩川中流域・厳選釣り場スポット紹介

「どこで釣りをすればいいの?」これは初心者にとって最大の悩みです。ここでは、アクセスが良く、実績も高い3つのエリアを厳選してご紹介します。
アクセス良好で安心!登戸・中野島エリア
JR南武線や小田急線の駅から徒歩圏内とアクセス抜群で、河川敷も比較的平坦な場所が多いため、ファミリーフィッシングに最適なエリアです。
- ポイント: 小田急線やJR南武線の鉄橋周辺は、橋脚が魚の隠れ家となり、良いポイントを形成しています。また、二ヶ領用水の合流点付近は、流れの変化があり魚が集まりやすいです。足場が良い護岸や、自然のままの土手など、変化に富んだ釣り場が続きます。
- 主なターゲット: コイ、フナ、オイカワといった、のんびり楽しめるエサ釣りのターゲットが中心です。
- 管轄: 主に内共12号区に属します。遊漁券の購入とルールの確認を忘れずに。
瀬と淵のコントラスト!二ヶ領宿河原堰・二子玉川エリア
堰(せき)によって作られた流れの変化が、多様な魚種を育むエリアです。多摩川らしい雄大な景色も楽しめます。
- ポイント: 二ヶ領宿河原堰の下流は、流れの速い「瀬」と、水深があり流れが緩やかな「淵(トロ場)」が連続する絶好のポイントです。瀬ではアユやオイカワ、淵ではコイやナマズが狙えます。二子玉川駅周辺の橋脚周りも、大きな石が点在し、アユの好ポイントとして知られています。駒澤大学玉川校舎付近のテトラ帯は、ナマズやウナギといった夜釣りのターゲットを狙うのに面白い場所です。
- 主なターゲット: アユ、オイカワ、ナマズ、コイなど魚種が豊富です。
- 管轄と注意: このエリアは内共12号区です。夜釣りは禁止されているため、ナマズなどを狙う際は日中の釣りに限定されます。
バス釣りの聖地!府中・稲城エリア
多摩川のスモールマウスバスフィッシングの中心地とも言えるエリアです。豊かな自然が残り、魚影の濃さが魅力です。
- ポイント: 府中市の「北多摩第一水門」周辺は、本流に無数のテトラポッドが沈められており、スモールマウスバスやナマズにとって最高の隠れ家となっています。稲城市の「稲城北緑地公園」前や、「大丸用水堰」周辺も、堰によって魚が溜まりやすく、一級のポイントとして多くの釣り人で賑わいます。
- 主なターゲット: スモールマウスバスを筆頭に、ナマズ、コイ、オイカワなど、あらゆる魚種が狙えます。
- 管轄: このエリアは内共3号区です。遊漁券はオンライン(つりチケ)でも購入可能で便利です。
釣りの後も楽しむために。マナーと安全、そして未来へ
釣りは、魚を釣るという行為だけではありません。自然と向き合い、その恵みに感謝し、未来へと繋いでいくことも、アングラーの大切な役割です。最後に、全ての人が気持ちよく多摩川を楽しむための心構えをお伝えします。
- 来た時よりも美しく: ゴミの持ち帰りは、アングラーとして最低限の義務です。食べ物の包装、空のペットボトルはもちろん、使い終わった仕掛けや切れた釣り糸も必ず持ち帰りましょう。釣り糸は、鳥などの野生動物に絡まる危険なゴミになります。
- 周りへの配慮を: 河川敷は、釣り人だけでなく、散歩やサイクリングなど多くの人が利用する共有の空間です。周りに人がいる場所で竿を振る際は、必ず後方を確認しましょう。特にコロガシ釣りのように仕掛けを遠投する人の近くでは、十分な距離をとることが大切です。
- 魚への敬意を(キャッチ&リリース): 食べる分以外の魚は、優しく川へ帰してあげましょう。魚に触る際は手を水で濡らし、火傷させないようにします。ハリを素早く外し、弱らせないうちにそっと水に戻してあげることが、未来の釣りのために繋がります。
- 安全は全てに優先する: ライフジャケットの常時着用、釣行前の天気予報と川の増水情報の確認は徹底してください。特に初心者のうちは、単独での釣行は避け、経験者と共に行くか、人の多い安全な場所を選びましょう。
かつて水質汚染に苦しんだ多摩川が、今のように豊かな姿を取り戻したのは、多くの人々の努力があったからです。私たちが購入する遊漁券も、その活動を支える貴重な資金源となっています。ルールとマナーを守り、川への感謝を忘れないこと。それこそが、この素晴らしい遊び場を未来の子供たちに残していくための、私たちアングラーにできる最も大切な貢献なのです。
多摩川の釣りについて以下も参考にしてください。
多摩川上流の8月釣り完全ガイド!初心者向けポイントとヤマメ・ニジマスの釣り方を徹底解説
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