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信濃川上流 6月の渓流釣り完全ガイド:初心者向けポイント・釣り方・準備を徹底解説!

はじめに

ようこそ、渓流釣りの素晴らしい世界へ!特に新緑が目に鮮やかな6月、信濃川水系の上流域は、その豊かな自然、清冽な水、そして生き生きとした魚たちとの出会いを求める釣り人にとって、最高の舞台となります。しかし、初めて渓流釣りに挑戦する方にとっては、どこで、何を、どのように釣れば良いのか、不安や疑問も多いことでしょう。

このブログ記事は、そんな渓流釣り初心者の方々が、6月の信濃川上流で素晴らしい最初の釣り体験をできるよう、網羅的かつ分かりやすく解説することを目的としています。なぜ6月がベストシーズンなのか、どんな魚が待っているのか、初心者向けの具体的な釣り場、効果的な釣り方、必要な道具、そして最も重要な安全対策やルールに至るまで、丁寧に紐解いていきます。この記事を読めば、きっと自信を持って最初の一歩を踏み出し、渓流釣りの奥深い魅力に触れることができるはずです。さあ、信濃川上流の美しい流れで、忘れられない思い出を作りましょう!

なぜ6月?信濃川上流が渓流釣りのベストシーズンな理由

6月が信濃川上流域での渓流釣りに最適なシーズンとされるのには、魚にとっても釣り人にとっても好条件が揃う、いくつかの明確な理由があります。

まず、水温の上昇と魚の活性化が挙げられます。春先の雪解け水が落ち着き、水温が上昇してくると、イワナやヤマメといった渓流魚たちは冬の間の低活性な状態から目覚め、活発にエサを追い求めるようになります。特に5月から6月にかけては、「渓流魚が最も釣れ易いのは5月〜6月(初夏)と言われています」1。この時期の水温は、渓流魚にとって最も快適で活動的な範囲に入ることが多いのです。

次に、豊富な天然のエサと活発な捕食活動です。6月は、カゲロウ、カワゲラ、トビケラといった水生昆虫の羽化がピークを迎える時期の一つであり、これらは渓流魚の主食となります 2。1にも「餌となる昆虫や小魚が動き出し、魚の活性が上がる傾向にあるため」とあるように、エサが豊富になることで魚たちは積極的に捕食行動をとります。特に本流ヤマメに関しては、「特に川虫が増え、羽化も始まる5月以降になると、このようなポイントが爆発することもあります」4 と言われるほど、エサの豊富さが釣果に直結します。

そして、安定した川のコンディションも重要です。春先の「雪代」(雪解けによる増水)が収まり、川の水量や流れが安定してくるのがこの時期です。「本流ヤマメは雪代が収まって水温が安定してからが本番です」4 とされるように、特に本流筋では安定したコンディションが釣果を左右します。魚野川のような特定の河川では、「ベストな状態で臨むなら5月半ばまで待つことをオススメします」5 との記述もあり、6月はまさにその最盛期に含まれると言えるでしょう。

最後に、釣り人にとって快適な気候も見逃せません。早春の寒さも和らぎ、真夏の厳しい暑さが訪れる前の6月は、過ごしやすい気候の中で釣りに集中できる時期です。

これらの要因が複合的に作用することで、6月は渓流魚の活性が高く、比較的釣りやすい条件が整うのです。水温、エサの量、川の安定性という自然のサイクルが釣りにとって好ましい「スイートスポット」を形成し、初心者にとっても釣果を得やすい恵まれた環境が提供されます。もちろん、標高や各支流の特性によって最適なタイミングには多少のずれが生じますが、信濃川上流域全体として見れば、6月は広範囲で素晴らしい釣りを楽しめる可能性を秘めた月と言えるでしょう。

6月の信濃川上流で出会える!魅力的な渓流魚たち

信濃川は新潟県での呼称であり、長野県内では千曲川と呼ばれますが、その上流域や支流は美しい渓流魚たちの宝庫です 6。6月にこれらの清流で竿を出せば、主に以下のような魅力的な魚たちとの出会いが期待できます。

イワナ (Iwana / Char) – 渓流の力強いハンター

イワナは日本の渓流を代表する魚で、冷たく澄んだ水を好みます。「イワナは渓魚のなかでも特に冷水を好む魚。ヤマメやアマゴよりも上流を棲息域としています」7。そのため、源流部や標高の高い支流で出会うことが多いでしょう。体色はやや黒っぽく、白い斑点が散らばるのが特徴です。

イワナは物陰に潜んでエサを待つ習性があります。「普段は倒木や岩のエグレといった障害物の陰に隠れていて、エサが流れてくるのを待っています」7。そのため、川底の大きな岩の影、倒木の下、深くえぐれた河岸(アンダーカットバンク)、堰堤直下の深みなどが絶好のポイントとなります 7。梓山周辺は良型のイワナが釣れ、アクセスも比較的容易な場所として知られています 8。また、信濃川の支流である清津川上流部では、信濃川本流で越冬した大型のイワナ(30~50cmクラス)が狙えることもあります 9。

ヤマメ (Yamame / Landlocked Masu Trout) – 美しき渓流の宝石

ヤマメは、その美しい姿から「渓流の宝石」とも称される魚です。体側にはっきりとしたパーマーク(幼魚斑)が並び、釣り人を魅了します。イワナよりもやや下流、開けた流れや流速のある場所を好む傾向がありますが、生息域が重なることも少なくありません 7。

ヤマメは流れの中で定位し、流下してくるエサを捕食します。「泳ぎながらエサを探す習性があります」2。そのため、流れ込みや流心脇、川底の石周りなど、川虫が多く流れてくる場所がポイントとなります 4。梓山より下流の秋山付近ではヤマメが釣れるとされています 8。清津川上流部もヤマメの好ポイントです 9。

ニジマス (Nijimasu / Rainbow Trout) – チャレンジングな好敵手

ニジマスは北米原産の魚ですが、日本の多くの河川にも放流されており、信濃川上流域でも出会うことがあります 9。引きが強く、釣り人を楽しませてくれる好敵手です。

イワナやヤマメよりも幅広い水温に適応できるため、様々な環境で見られます。特に漁協による放流が行われているエリアや、管理釣り場に近い区間では釣れる可能性が高まります。千曲川の戸倉上山田温泉周辺では冬季ニジマス釣り場が設けられ、「比較的釣りやすいニジマスが定期的に放流され、初心者でも釣りを楽しめます」12 とのこと。魚沼漁協管内にはニジマスがいるフィッシングパークも存在します 9。自然繁殖している個体もいますが、多くは放流由来と考えられます。

これらの魚たちの生態や好む場所を理解することは、釣果への近道です。イワナは物陰を丹念に、ヤマメは流れの変化を、ニジマスは放流情報も参考にしながら探ってみると良いでしょう。特にイワナとヤマメの生息域の違いは、上流へ釣り上がるにつれてターゲットが変わっていくという、渓流釣りならではの楽しみ方を提供してくれます。初心者はまずアクセスしやすく、流れが読みやすい場所でヤマメを狙い、経験を積んでからより上流のイワナポイントに挑戦するというステップアップも可能です。また、放流されたニジマスは比較的警戒心が薄い場合があり、初心者が最初に魚の感触を掴むのに適していることもあります。

表1: 6月の信濃川上流 おすすめターゲット魚種

魚種

主な特徴

典型的なポイント

初心者向けアドバイス

イワナ

冷水を好み、物陰に潜むハンター

源流域、岩の影、倒木の下、堰堤下、滝壺

流れの緩やかな深みや物陰を丁寧に探る

ヤマメ

美しいパーマーク、流れの中の捕食者

流心脇、瀬の開き、石裏、流れ込み

流れに乗せて自然にエサやルアーを流す

ニジマス

引きが強く、比較的釣りやすい(放流魚の場合)

放流地点周辺、流れのある開けた場所、水深のある淵

比較的反応が良いので、まずはアタリを得る練習になるかも

初心者でも安心!6月の信濃川上流 おすすめ釣りスポット

信濃川上流域は広大で、数多くの支流が存在します。その中から初心者でも比較的安全に、そして釣果も期待できるスポットを選ぶことが大切です。

初心者向けスポット選びの一般論:

  • アクセスの容易さ: 車道から川岸までのアプローチが短く、険しくない場所を選びましょう。梓山周辺は「入渓も容易で良型のイワナが釣れます」8 とされています。
  • 安全性: 急峻な崖や滑りやすい大岩が連続するような場所は避け、足場の安定した場所を選びましょう。
  • 魚影の濃さ: 漁協による放流が行われているエリアは、魚影が濃く初心者でもアタリを得やすい傾向があります 9。
  • 川の規模: 最初はあまり川幅が広すぎず、かといって木々が鬱蒼と茂るような小渓流よりも、ある程度開けた場所の方が釣りやすいでしょう。大門川の霧山橋下流は「川幅は広がり障害物もなく釣りやすくなります」8 との記述があります。

具体的なエリア例(釣行前には必ず現地の最新情報、規制、アクセス状況を確認してください):

  • 清津川(新潟県): 信濃川の主要な支流の一つで、上流部では大型のイワナやヤマメが狙え、季節の進行と共に釣り場が上流へと広がっていきます 9。日本三大渓谷の一つである清津峡もあり、景観も楽しめます。
  • 魚野川(新潟県、特に湯沢周辺): 湯沢町内の魚野川本流は「一番手ごろな流域」5 とされ、5月~6月が好期です。開けた場所も多く、フライフィッシングの釣り人も訪れることから、アクセスしやすいポイントがあると考えられます。ただし、取水口周辺など魚影の薄い区間もあるため注意が必要です。
  • 津南町周辺の各支流(新潟県): 信濃川が長野県から新潟県に入り、深い峡谷を流れるこの地域には、高水漁協が管理する中小の渓流が点在し、ヤマメやイワナ釣りが楽しめます 6。
  • 千曲川・川上村周辺(長野県): イワナ釣りの名所として知られ、「岩魚は年5~6回放流され魚影も濃く…ポイントも多く初心者からベテランまで渓流釣りが楽しめます」13。フライフィッシングが盛んですが、エサ釣りやルアーでも十分に楽しめます。
  • 大門川(長野県、千曲川支流): 霧山橋より下流は川幅が広がり釣りやすくなりますが、上流部はクマの出没エリアであり注意が必要です 8。一つの川でも区間によって様相が異なる良い例です。
  • 梓山・秋山周辺(長野・新潟県境付近、千曲川・信濃川支流): 梓山はアクセスしやすいイワナポイント、秋山はヤマメポイントとして紹介されています 8。

キャッチ&リリース区間について:

一部の河川や区間では、釣った魚の持ち帰りを禁止し、全てリリースすることをルールとしている「キャッチ&リリース(C&R)区間」が設けられている場合があります。五十嵐川の例 14 や冬季ニジマス釣り場 12 でもC&Rが推奨されています。釣行前には必ず漁協の情報を確認し、ルールを守りましょう。

初心者にとって「釣りやすい」とは、単に魚がいるだけでなく、安全に川に近づけ、ある程度の広さがあってキャストしやすく、そして何よりも魚からの反応を得やすい、といった要素のバランスが取れていることを意味します。信濃川上流域とその支流群は、こうした多様なニーズに応える懐の深さを持っています。本流そのものよりも、むしろ流れが適度で水質も良い支流の方が、典型的な渓流釣りの雰囲気を味わいやすいでしょう。

これで釣れる!初心者向け釣り方徹底マスター

信濃川上流の渓流魚を釣るための方法はいくつかありますが、ここでは特に初心者の方におすすめの「餌釣り」「ルアーフィッシング」「テンカラ」の3種類を詳しく解説します。

表2: 初心者向け釣り方比較

釣り方

主な道具

メリット(初心者向け)

デメリット/注意点

餌釣り

渓流竿、道糸、ハリス、ハリ、オモリ、目印、餌

自然のエサで魚の食いが良い、比較的簡単にアタリが出やすい

エサの準備や管理が必要、手返しがルアーより遅い

ルアーフィッシング

スピニングロッド&リール、ライン、ルアー

手軽に始められる、広範囲を探れる、エサが不要

キャスト技術が必要、根掛かりしやすい、ルアー選択が重要

テンカラ

テンカラ竿、ライン、ハリス、毛鉤

道具がシンプルで軽量、日本伝統の釣法、ピンポイントを狙える

キャスト範囲が限られる、風に弱い、独特のキャスト技術が必要

① 餌釣り (Bait Fishing) – 渓流釣りの王道

餌釣りは、魚が普段食べている自然の餌やそれに近いものを使うため、特に初心者にとっては魚からの反応を得やすく、渓流釣りの基本を学ぶのに最適な方法です。「本物のエサを使用するため魚の食いつきが良く、特別な技術がない初心者でも比較的釣りやすい方法です」2。また、ニジマス釣りでも初心者には餌釣りが推奨されています 12。

  • 必要な道具:
  • 竿: 4.5m~6m程度の万能な渓流竿。最初は扱いやすい長さのものを選びましょう。
  • 仕掛け: 道糸(0.6~0.8号程度のナイロンライン)、ハリス(道糸より細い0.3~0.6号程度)、渓流バリ(餌のサイズに合わせる。川虫ならアマゴ半スレ1~4号、ブドウムシなら5~7号など 15)、オモリ(ガン玉や板オモリ)、目印(ウキ)。
  • 餌:
  • 川虫(カワムシ): キンパク、クロカワムシ、ピンチョロなど、現地の川で採れるものが最も効果的です 2。釣具店で「渓流専門エサ」として販売されていることもあります 2。
  • イクラ: 特に放流魚や活性の低い時期に有効です 2。
  • ブドウムシ、ミミズ: 入手しやすく、扱いやすい万能餌です 2。
  • 基本的な釣り方:
  • 仕掛けの準備: 竿先に道糸を結び、目印、オモリ、ハリス、ハリの順にセットします。オモリの重さは流れの速さや水深に合わせて調整し、餌が自然に川底近くを流れるようにするのがコツです 2。
  • ポイントへのアプローチ: 魚に警戒されないよう、静かにポイントに近づきます。
  • 餌の投入と流し方: ポイントの少し上流に仕掛けを振り込み、餌が自然に流れに乗って魚がいそうな場所(岩陰、流れのヨレ、深みなど)を通るように竿を操作します。「川の流れの底部分(底波)にトレースするように流すのが基本です」2。イワナを狙う場合は、特に流れの緩やかな場所や物陰で、じっくりと餌を見せるように流します 7。
  • アタリの取り方とアワセ: 目印の動きに集中し、不自然な止まり方や引き込みがあったら、それがアタリです。竿をスッと立ててアワセを入れます。川虫のような小さな餌なら即アワセ、ミミズのような大きな餌なら一呼吸置いてからアワセると良いでしょう 15。

② ルアーフィッシング (Lure Fishing) – 手軽でエキサイティング

ルアーフィッシングは、小魚や虫を模した疑似餌(ルアー)を使って魚を誘う釣り方です。餌を用意する必要がなく、広範囲を効率的に探れるのが魅力です。

  • 必要な道具:
  • ロッド&リール: 1.5m~1.8m(5~6フィート)程度の渓流用スピニングロッド(ウルトラライト~ライトアクション)と、小型スピニングリール。初心者は扱いやすいスピニングタックルから始めるのがおすすめです 1。
  • ライン: 3~5lb程度のナイロンラインまたはフロロカーボンライン。ナイロン4lbが初心者には扱いやすいでしょう 1。
  • ルアー:
  • ミノー: 3~7cm程度の小型のものが中心。小魚を模しており、渓流では定番のルアーです。「追われて逃げ惑う小魚のシルエットを演出出来るミノーは必需品!」1。
  • スプーン: 金属製のシンプルなルアーで、初心者でも扱いやすいです。
  • スピナー: ブレードが回転して魚にアピールします。 購入する際は、「渓流用」と書かれたものを選びましょう 1。
  • 基本的な釣り方:
  • キャスト: ポイント(岩周り、流れ込み、淵など)の少し先にルアーを正確にキャストします。
  • リトリーブ(巻き取り): ルアーの種類や魚の活性に合わせて、リトリーブの速さやアクションを変えます。
  • ルアーアクション: ミノーの場合、ただ巻きだけでなく、「トゥイッチング」(竿先をチョンチョンと小刻みに動かしてルアーに不規則な動きを与える)というテクニックが非常に有効です。「竿先(ティップ)を見ながら、小刻みにテンポ良くルアーを引くアクションです」1。トゥイッチの合間にポーズ(止め)を入れるのも効果的です。
  • 狙い方: 基本的にアップストリーム(上流に向かってキャスト)またはクロスストリーム(対岸に向かってキャスト)し、ルアーを流れに乗せながら、あるいは流れに逆らわせながら引いてきます。

③ テンカラ (Tenkara) – 日本伝統のシンプル釣法

テンカラは、竿、ライン、毛鉤(けばり)という非常にシンプルな道具立てで行う日本伝統のフライフィッシングの一種です。「仕掛けは竿と毛鉤と糸だけという、シンプルな日本の伝統釣法」16。その手軽さと奥深さから、近年人気が高まっています 2。

  • 必要な道具:
  • 竿(テンカラ竿): 3m~4.5m程度の専用竿。リールは使いません。
  • ライン: テンカラ専用のレベルラインまたはテーパーライン。ラインの長さは竿の長さと同じくらいが基本です 16。
  • ハリス: ラインの先に結ぶ細い糸。1m前後が一般的です 16。
  • 毛鉤(けばり): 水生昆虫などを模した羽毛などで作られたハリ。様々なパターンがありますが、テンカラでは一つの毛鉤で通すことも少なくありません 16。
  • 基本的な釣り方:
  • キャスト: 竿のしなりを利用して、リズミカルにラインと毛鉤をポイントに振り込みます。16には基本的なキャスティング方法が解説されています。
  • 毛鉤の流し方: キャスト後、毛鉤を水面または水面直下で自然に流します。時には竿先で誘いをかけて魚にアピールすることもあります。
  • ポイントの狙い方: 餌釣りやルアーフィッシングと同様に、流れの変化がある場所や魚が潜んでいそうな場所を狙います。「落ち込みをはじめとした、水の流れに変化がある場所を魚は好みやすいです」16。

どの釣り方を選ぶかは、個人の好みや挑戦してみたいスタイルによりますが、一般的に餌釣りは魚からの反応を得やすく、最初の成功体験に繋がりやすいでしょう。ルアーフィッシングは道具の準備が比較的簡単で、積極的に魚を探す楽しみがあります。テンカラは道具のシンプルさが魅力で、日本の伝統釣法に触れることができます。特にミノーを使ったルアーフィッシングでは、トゥイッチングのような基本的なアクションを覚えることが釣果を大きく左右するため、少し練習が必要かもしれません。

釣果アップのコツとマナー

渓流魚、特に天然のイワナやヤマメは非常に警戒心が強い魚です。「普段、静かな山間に住む渓流魚はとても臆病で神経質な魚です」1。そのため、釣果を上げるためにはいくつかのコツと、自然や他の釣り人への配慮が不可欠です。

水辺への静かなアプローチ:

  • 魚に気づかれないように、足音を忍ばせ、静かにポイントに近づきましょう。不用意に水際を歩き回ったり、大きな物音を立てたりするのは禁物です。
  • 自分の影が水面に落ちないように注意し、低い姿勢でポイントを観察することが重要です。
  • 基本的には下流から上流へ釣り上がるのがセオリーです 1。魚は通常、流れの来る上流を向いているため、下流から近づけば魚に気づかれにくいのです。また、自分が立てた濁りが前方のポイントに流れていくのを防ぐ効果もあります。

有望なポイントの見極め(リーディング・ザ・ウォーター):

  • 基本原則: 魚は「エサが豊富で捕食しやすい場所」「敵から身を隠せる場所」「流れが適度で居心地の良い場所」を好みます。川の中の「変化」に富んだ場所を探しましょう。
  • イワナのポイント: 岩陰、倒木の下、深くえぐれた岸辺、滝壺や堰堤直下の深み、日陰になっている場所など、身を隠せる障害物周りが一級ポイントです 7。
  • ヤマメのポイント: 流れの筋が変わる場所(流速の速い所と緩い所の境目)、川底の石の後ろ、瀬脇、白泡が立っている場所など、エサが流れてきやすく、かつ流れが強すぎない場所を好みます 4。特に「川虫が流下する筋」を意識することが重要です 4。
  • 水面の観察: 川底が見えない場合でも、水面の流れ方から水中の様子を推測できます。「モワッと鏡のように流れが吹け上がっている箇所があれば、その前には石などの障害物が入っています」4。

水の色や濁り:

  • 適度な濁り(笹濁りなど、少し緑がかった透明度の低い状態)は、魚の警戒心を和らげ、かえって釣りやすくなることがあります 4。しかし、大雨後のひどい濁流では釣りになりません。

釣り方とマナー:

  • 先行者の確認: 釣り場に着いたら、まず周囲に他の釣り人がいないか確認しましょう。もし先行者がいたら、十分な距離をとるか、別のポイントへ移動するのがマナーです。
  • キャッチ&リリース: 釣った魚を持ち帰る場合は、漁協の定めるサイズ制限や尾数制限を必ず守りましょう。特に大型の魚や、必要以上の魚はリリースを心がけ、資源保護に協力しましょう。五十嵐川のC&R区間の設定 14 や冬季ニジマス釣り場でのC&R推奨 12 など、資源保護の動きは広がっています。
  • ゴミは持ち帰る: 釣り糸の切れ端やエサの袋、飲食物の容器など、ゴミは絶対に釣り場に残さず、全て持ち帰りましょう。
  • 自然への配慮: 川岸の植物をむやみに踏み荒らしたり、大声を出したりしないようにしましょう。

渓流釣りでは、遠投能力や高価な道具よりも、いかに魚に警戒心を与えずに自然な形でエサやルアーを送り込めるか、そして魚が潜んでいそうな場所を的確に見抜けるか、といった観察眼と丁寧なアプローチが釣果を大きく左右します。イワナとヤマメでは好むポイントが微妙に異なるため、それぞれの習性を理解し、狙いを定めて釣りをすることで、より戦略的で面白い釣りが展開できるでしょう。

安全・快適な釣りのために:準備と注意点

渓流釣りは自然の中で行うアクティビティであり、楽しむためには安全管理と事前の準備が非常に重要です。

必須&便利!持ち物チェックリスト

快適で安全な釣りのために、以下の持ち物を準備しましょう 18。

  • 釣具一式: 竿、リール(該当する場合)、ライン、仕掛け(ハリ、オモリ、ルアー、毛鉤など)。
  • 服装:
  • 重ね着できるもの: 山の天気は変わりやすいため、体温調節ができるように重ね着が基本です。速乾性のある化学繊維やウールのものがおすすめです 19。
  • 長袖・長ズボン: 日焼け、虫刺され、植物による擦り傷から肌を守ります 18。
  • 雨具: 防水透湿性のあるレインウェア(上下)は必須です。
  • 履物:
  • ウェーダー: 川に入る場合は、胴長やウェーダーとウェーディングシューズ(フェルト底やラバー底)が必要です 18。
  • ウェットウェーディング用品(夏季): ゲーターと速乾性のズボン、ウェーディングシューズの組み合わせも快適です 18。
  • 帽子: 日差し除け、頭部の保護に。
  • 偏光サングラス: 水面のギラつきを抑え、水中を見やすくするだけでなく、目の保護にも役立ちます 15。
  • ベストまたはリュック: 小物類を収納し、両手を空けておくために便利です 18。
  • タモ(ランディングネット): 魚を安全に取り込むために必要です 18。
  • 小物類: ハサミ、プライヤー(ハリ外し)、糸くずケース 20 など。
  • 安全・快適グッズ:
  • 救急セット: 絆創膏、消毒液など。
  • 虫除けスプレー: 15。
  • 日焼け止め。
  • 熊鈴・ホイッスル: 熊との遭遇を避けるために携帯しましょう 15。
  • 飲み物・食料: 十分な水分と行動食を。
  • ヘッドライト: 万が一、日没後まで釣りをすることになった場合に備えて。
  • 遊漁券: 必ず携帯しましょう 18。

遊漁券を忘れずに!購入方法と基本ルール

日本のほとんどの河川で釣りをするには、その河川を管理する漁業協同組合(漁協)が発行する「遊漁券」が必要です。これは、放流事業や河川環境の保全に使われる大切な資金源となります。

  • 遊漁券の種類と料金例:
  • 新潟県:
  • 「新潟県内共通遊漁券(渓流魚)」があり、年券は13,200円程度です。FishPassアプリで購入でき、傷害保険が付帯する場合もあります 24。
  • 魚野川や信濃川の一部区間を管理する魚沼漁協では、日釣券が1,000円程度、年券が5,000円程度で販売されていることがあります(魚種や区域により異なる)25。
  • 長野県(千曲川水系):
  • 千曲川漁業協同組合では、イワナ・ヤマメ・ニジマス対象の日釣券が500円、年券が5,000円程度です 26。
  • 中学生は無料または割引料金となる場合があります(2023年2月時点の千曲川漁協の例)26。
  • 購入場所:
  • 現地の釣具店。
  • 一部のコンビニエンスストア 26。
  • 漁協の事務所。
  • オンライン(FishPassなど、対応漁協のみ)24。
  • 守るべき基本ルール(遊漁規則):
  • 遊漁券の携帯: 釣り中は必ず遊漁券を携帯し、漁協の監視員から提示を求められたら応じられるようにしておきましょう。
  • 遊漁期間: 解禁日と禁漁期間を守りましょう。千曲川水系のイワナ・ヤマメは通常2月16日~9月30日が遊漁期間です 26。
  • サイズ制限・尾数制限: 持ち帰れる魚のサイズや数には制限があります(例:千曲川漁協ではイワナ・ヤマメ・ニジマスは15cm以下採捕禁止 26)。
  • 禁漁区: 産卵保護などのため、釣り禁止区域が設定されている場合があります 26。
  • 竿の制限: 一人で使用できる竿の本数に制限がある場合もあります(例:千曲川漁協ではイワナ・ヤマメ釣りは1人1本 26)。
  • 注意: 遊漁券の料金や規則は漁協ごと、年度ごとに変わる可能性があるため、釣行前には必ず目的の釣り場を管轄する漁協のウェブサイトなどで最新情報を確認してください。

表3: 遊漁券情報(参考例)

漁協/券種

主な対象河川

対象魚種

日釣券料金目安

年券料金目安

主な購入場所の例

千曲川漁協

千曲川上流及び支流

イワナ、ヤマメ、ニジマス

500円

5,000円

現地釣具店、コンビニ、漁協事務所

新潟県内共通遊漁券

新潟県内の多くの渓流(要確認)

渓流魚全般

設定なし

13,200円

FishPass(オンライン)、一部釣具店

魚沼漁協

魚野川、信濃川(魚沼漁協管轄区間)

イワナ、ヤマメなど

1,000円~

5,000円~

現地釣具店、おとり鮎販売所、漁協事務所

この表はあくまで参考例です。料金や規則は変更されることがあります。必ず釣行前に管轄漁協の最新情報をご確認ください。

自然の中での安全対策:熊との遭遇を避けるために

信濃川上流域のような山間部では、ツキノワグマとの遭遇の可能性があります。熊は本来臆病な動物ですが、不意の遭遇は事故につながることもあります。予防策を講じることが最も重要です 8。

  • 熊鈴やホイッスルの携帯: 歩行中に音を出すことで、熊に人間の存在を知らせ、熊が先に避けてくれる効果が期待できます 15。特に川の音で鈴の音が聞こえにくい場所では、ホイッスルも有効です 22。
  • 音を出しながら行動する: 会話をする、時折手を叩くなど、人間の存在をアピールしましょう。
  • 周囲への注意: 熊のフンや足跡、爪痕など、新しい痕跡がないか注意しましょう。
  • 食べ物やゴミの管理: 食べ物の匂いは熊を引き寄せます。食べ物は密閉容器に入れ、ゴミは必ず全て持ち帰りましょう。
  • 万が一遭遇した場合: (一般的な対処法であり、専門家の指示に従ってください)
  • 走って逃げない。
  • 落ち着いて、熊から目を離さずにゆっくりと後退する。
  • 大声を出したり、物を投げたりして刺激しない。

川の危険性と天候の確認

山の天気は非常に変わりやすく、川のコンディションも急変することがあります。

  • 天候の確認: 釣行前日と当日の朝には必ず天気予報を確認しましょう 28。
  • 増水への注意: 上流で雨が降ると、下流では短時間で急激に増水することがあります。特に狭い谷間では注意が必要です。新潟県では河川の水位情報を提供するシステムもあります 28。常に周囲の状況に気を配り、退路を確保しておきましょう。
  • 滑りやすい足元: 川の中の石は非常に滑りやすいです。ウェーディングシューズを履いていても油断せず、慎重に歩きましょう。
  • 釣りを断念する勇気: 川が濁流であったり、水位が高すぎたり、天候が悪化したりした場合は、無理せず釣りを中止する判断が大切です 16。

これらの安全対策と準備は、渓流釣りを心から楽しむための土台となります。特に熊対策や天候・河川状況の確認は、この地域での釣りには不可欠な心得です。近年では、FishPassのようなデジタルツールで遊漁券が購入できたり 24、行政が河川情報システムでリアルタイムの情報を提供したりする 28 など、情報アクセスが向上しており、これらを活用することも安全管理に繋がります。

まとめ:信濃川上流の豊かな自然と釣りを楽しもう!

6月の信濃川上流域は、まさに渓流釣りの魅力が凝縮された場所です。美しい新緑に包まれた渓谷、エメラルドグリーンに輝く清流、そしてそこに息づくイワナやヤマメといった野生の魚たちとの出会いは、日常を忘れさせてくれる格別な体験となるでしょう。

この記事で紹介したように、なぜ6月が釣りに適しているのか、どんな魚がターゲットになるのか、初心者向けのポイントはどこか、そして基本的な釣り方や安全のための準備を理解すれば、初めての方でもきっと素晴らしい釣りを経験できるはずです。大切なのは、自然への敬意を忘れず、ルールとマナーを守り、そして何よりも安全を第一に考えることです。

釣果ももちろん嬉しいものですが、釣りのプロセスそのもの、つまり美しい景色の中で竿を振り、魚の気配を感じ、自然と一体になる時間こそが、渓流釣りの醍醐味と言えるかもしれません。時には、釣りの合間に川岸に咲くヒメサユリのような季節の花々に目を向けるのも良いでしょう 14。

キャッチ&リリースを心がけ、未来の釣り人たちのためにも豊かな自然環境を残していく意識を持つことも重要です。さあ、準備を整えて、信濃川上流の素晴らしい自然の中へ、一歩踏み出してみませんか?きっと忘れられない感動が待っています。

引用文献

  1. 【渓流釣り】5〜6月は渓流がアツい!初心者向けタックルも紹介 …, 5月 24, 2025にアクセス、 https://tsuri-girl.com/fishing-report/26214/
  2. ヤマメ釣りの仕掛け・釣り方とシーズン・解禁時期【初心者向け …, 5月 24, 2025にアクセス、 https://activityjapan.com/feature/yamame_fishing/
  3. エサの準備|初めての「渓流エサ釣り」入門|Honda釣り倶楽部, 5月 24, 2025にアクセス、 https://www.honda.co.jp/fishing/enjoy/season/season-201704/step-1/
  4. 本流ヤマメの釣期とポイントの選び方 | ようこそ、渓流釣りの世界へ …, 5月 24, 2025にアクセス、 https://fish.shimano.com/ja-JP/content/fishingstyle/article/river/vol34.html
  5. トラウト 魚沼漁協管轄の流域・ポイント, 5月 24, 2025にアクセス、 https://troller.exblog.jp/26456505/
  6. 信濃川水系 – はじめに – FC2, 5月 24, 2025にアクセス、 http://okusinetu.web.fc2.com/tyoukou.htm
  7. シーズン初期のイワナ釣り | ようこそ、渓流釣りの世界へ! | シマノ …, 5月 24, 2025にアクセス、 https://fish.shimano.com/ja-JP/content/fishingstyle/article/river/vol45.html
  8. 信濃川水系の釣り | 渓流釣り | 釣り情報サイト wiredFish, 5月 24, 2025にアクセス、 https://books-nekoya.jp/Fishing/MountainStream/shinano.html
  9. 新潟のおすすめ釣りスポット8選!穴場から初心者・子ども向けまで厳選, 5月 24, 2025にアクセス、 https://slow-and-steady-shitada.jp/article/niigata_fishing/
  10. 1 千曲川 犀川の魚層, 5月 24, 2025にアクセス、 https://www.hrr.mlit.go.jp/chikuma/gakushu/mirareru/imgs/fish001.pdf
  11. ブログ – 長野釣り人ナビ, 5月 24, 2025にアクセス、 https://nagano-angler-navi.jp/?page_id=1672
  12. 千曲川で冬期ニジマス釣り! 釣り場のご案内&釣り教室 | 信州千曲観光局, 5月 24, 2025にアクセス、 https://chikuma-kanko.com/2018-09-04/post-6615/
  13. フィッシング【滞在スタイル】 | 岩根山荘 ~ 信州百名山の宿 長野県川上村, 5月 24, 2025にアクセス、 https://www.iwane-inc.co.jp/sanso/style.php?id=fishing
  14. 五十嵐川について, 5月 24, 2025にアクセス、 https://www.ikarashigawa.com/about/
  15. 渓流釣りの装備・道具・仕掛け|餌釣りやルアー釣りなど初心者向け解説, 5月 24, 2025にアクセス、 https://web.tsuribito.co.jp/beginner/keiryu-start170401
  16. 【テンカラ釣り入門】残暑も楽しめるシンプルな釣り!コツや毛鉤選びを解説 – 【BE-PAL】キャンプ, 5月 24, 2025にアクセス、 https://www.bepal.net/archives/109961
  17. 2章 テンカラ釣りの道具 – Go tenkara, 5月 24, 2025にアクセス、 https://www.gotenkara.com/%E3%83%86%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%A9%E9%87%A3%E3%82%8A%E3%81%A8%E3%81%AF/%EF%BC%92%E7%AB%A0-%E3%83%86%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%A9%E9%87%A3%E3%82%8A%E3%81%AE%E9%81%93%E5%85%B7/
  18. 渓流釣り初心者の服装を季節別(春・夏・秋・冬)に解説! | アクティビティジャパン, 5月 24, 2025にアクセス、 https://activityjapan.com/feature/stream-fishing-clothes/
  19. 渓流釣りの服装 選び方のポイントとおすすめの人気ブランド – つりチケマガジン, 5月 24, 2025にアクセス、 https://magazine.tsuritickets.com/2018/09/17/%E6%B8%93%E6%B5%81%E9%87%A3%E3%82%8A%E3%81%AE%E6%9C%8D%E8%A3%85%E3%80%80%E9%81%B8%E3%81%B3%E6%96%B9%E3%81%AE%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%A8%E3%81%8A%E3%81%99%E3%81%99%E3%82%81%E3%81%AE/
  20. フライフィッシング入門 [基本の道具] – ティムコ, 5月 24, 2025にアクセス、 https://www.tiemco.co.jp/lesson/l2.html
  21. 初心者のためのフライタックル選び|元釣具屋がベストなアイテムを指名します – 釣りハック, 5月 24, 2025にアクセス、 https://tsurihack.com/7081
  22. 山釣りとヒグマ対策, 5月 24, 2025にアクセス、 https://akiwana.web.fc2.com/kuma/higumataisaku100.htm
  23. 渓流釣り|山深い道でも効果がある熊よけ鈴のおすすめランキング – 野に行く。, 5月 24, 2025にアクセス、 https://outdoor.biglobe.ne.jp/rankings/1600/
  24. 2025年分販売開始!渓流魚の宝庫『新潟県内共通遊漁券』 – FISHPASS(フィッシュパス), 5月 24, 2025にアクセス、 https://www.fishpass.co.jp/news/archives/23688
  25. 解禁等情報 – 新潟県内水面漁連のホームページ, 5月 24, 2025にアクセス、 https://niinaisuimen.jimdofree.com/2024%E3%82%A2%E3%83%A6%E9%87%A3%E3%82%8A%E6%83%85%E5%A0%B1/%E8%A7%A3%E7%A6%81%E7%AD%89%E6%83%85%E5%A0%B1/
  26. 【公式】千曲川漁業協同組合 – 長野釣り人ナビ, 5月 24, 2025にアクセス、 https://nagano-angler-navi.jp/?page_id=2680
  27. 2023年「千曲川漁協入漁券」入荷 – つり具の上州屋, 5月 24, 2025にアクセス、 http://johshuya.co.jp/shop/detail.php?s=50&no=420997
  28. 魚沼漁業協同組合, 5月 24, 2025にアクセス、 http://www.uonuma-gyokyou.or.jp
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Shin
釣歴32年のパパアングラーで子供を連れて行ける釣り場やキャンプ場を日々探して巡っています。役に立つ情報満載でブログをお届けさせていただきます(^^♪
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