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【ナマズ釣り初心者完全ガイド】始め方から釣り方のコツ、おすすめタックルまで徹底解説!

はじめに

ナマズ釣りの魅力と手軽さ

ナマズ(鯰)は、日本の淡水域に広く生息し、大きな河川から身近な用水路まで、多様な環境で見かけることができる魅力的なターゲットです 。特にトップウォータールアーへの派手なバイトや、その見た目からは想像もつかない力強い引きは、多くのアングラーを虜にしています 。ナマズ釣りは、ルアーフィッシング入門としても、手軽な餌釣りとしても楽しむことができ、遠征や高価な専用タックルがなくても始めやすいのが特徴です 。

この記事でわかること

この記事では、ナマズ釣りを始めたい初心者の方向けに、ナマズの生態、必要なタックル(釣り道具)、主な釣り方の種類とそれぞれのコツ、ポイントの選び方、よくある失敗とその対策、そして釣れたナマズの安全な扱い方まで、網羅的に解説します。この記事を読めば、ナマズ釣りの基本が分かり、自信を持って最初の一歩を踏み出せるはずです。


ナマズ(鯰)ってどんな魚?生態と釣りの基本

日本のナマズの種類と特徴

日本で「ナマズ」と言うと、一般的には日本在来種のマナマズ(学名: Silurus asotus)を指します 。この記事でも、主にこのマナマズを対象として解説します。琵琶湖には世界最大級のナマズであるビワコオオナマズやイワトコナマズといった固有種もいますが、これらは特定の地域に生息しており、初心者が最初に出会うナマズとしてはマナマズが一般的です 。

マナマズの身体的な特徴としては、平たく大きな頭、幅広い口、感覚器官として非常に発達した長いヒゲ(口ヒゲ)、比較的小さな目、そしてウロコがなくヌルヌルとした粘液で覆われた皮膚などが挙げられます 。これらの特徴は、ナマズの捕食行動や生息環境への適応と深く関わっています。食性は肉食で、小魚やカエル、甲殻類など、口に入る様々な生き物を捕食します。

ナマズの生息地:どこにいるの?

ナマズは非常に適応能力が高く、河川の中流域から下流域、湖沼、池、田んぼに水を引くための用水路や排水路、さらには水深が15cm程度の浅いドブのような場所にも生息しています 。

彼らは物陰に潜むことを好み、泥底や砂底、水草の茂み、岸辺のえぐれた場所(アンダーカットバンク)、水面に覆いかぶさるように伸びた草木の下、沈んでいる倒木や岩、そして橋脚や水門といった人工構造物の周りなどが主な隠れ家となります 。

都市近郊や田園地帯でも狙える身近なターゲット

ナマズがこれほど多様な環境、特に「用水路」や「都市部の小河川」といった私たちにとって非常にアクセスしやすい場所に生息しているという事実は、初心者にとって大きなメリットです 。特別な装備や遠征をしなくても、近所でナマズ釣りを始められる可能性が高いのです。例えば、「一跨ぎできるような水路にも生息が可能」 であったり、「都市部の小河川の水質改善とともにナマズも復活」 しているという報告は、ナマズ釣りのハードルを大きく下げてくれます。

ナマズの食性と活動時間

食性: ナマズは貪欲な肉食魚で、ドジョウやタナゴといった小魚、カエル、ザリガニやエビなどの甲殻類、水生昆虫、時には水面に落ちた陸生昆虫なども捕食します 。この多様な食性が、ルアーや餌の選択肢を広げています。

感覚: ナマズの視力はあまり良くありません。その代わりに、口の周りにある長いヒゲ(触覚と味覚を感知)と、体側にある側線(水中の振動や音を感知)が非常に発達しており、これらを駆使して獲物を見つけ出します 。この感覚の鋭敏さが、特定のルアーや釣り方が有効である理由に繋がります。

活動時間: 基本的に夜行性で、日没後から夜間にかけて最も活発に捕食活動を行います 。しかし、日中でも曇天時、雨天時や雨後で水が濁っている状況、あるいは日陰になっている場所などでは、十分に釣れる可能性があります 。

音と振動への鋭敏さがルアー選択の鍵

ナマズが視覚よりも音や振動、そして味覚や触覚に頼って捕食行動を行うという事実は、ルアーフィッシングにおいて非常に重要なポイントです。「この音と波紋でナマズはルアーの位置を確認して食らいつきます」や、「視力はとても弱く、長い口ひげや側線を使ってエサの匂いや音、振動を感じ取っています」 といった記述が本屋、他のブログでも散見されます。ナマズはルアーが発する音や水面の波紋、波動を敏感に察知します。これが、ジッターバグのようなノイジー系のトップウォータールアーや、ラトルやブレードを備えたルアーが非常に効果的である理由です 。彼らの感覚世界を理解することが、釣果への近道と言えるでしょう。

ナマズ釣りのベストシーズンと時間帯

ベストシーズン: 一般的に、水温が上昇してナマズの活動が活発になる春から秋(具体的には4月または5月頃から10月または11月頃まで)がナマズ釣りのベストシーズンとされています 。

特に狙い目の時期:

  • 春(4月~6月): 水温が上昇し始め、ナマズが越冬から覚めて活発に餌を追い始める時期です。特に5月~6月は産卵期にあたり、浅場に移動してくるため、岸からでも狙いやすくなります 。梅雨時期と重なることも多く、雨による増水や濁りが好条件となることもあります。
  • 夏(7月~8月): 引き続き釣れますが、真夏の炎天下では水温が上がりすぎるため、日中の活性はやや低下することがあります。このような時期は、夜釣りが特に有効になります 。
  • 秋(9月~10月): 冬に備えてナマズが再び荒食いを始める時期で、春に次ぐ好シーズンとなることがあります 。

時間帯:

  • 夜釣り: ナマズの夜行性を考えると、日没後から夜間が最も釣果を期待できる時間帯です 。
  • 朝夕のマズメ時: 日の出前後や日没前後の薄暗い時間帯も、ナマズの活性が上がるタイミングです。
  • 日中: 曇りや雨の日、水が濁っている時、あるいはシェード(日陰)を丁寧に狙うことで、日中でも十分に釣果を得ることが可能です。

雨とナマズの活性:濁りよりも「水流の変化」が重要か

一般的に「雨が降るとナマズが釣れる」「水が濁るとナマズの警戒心が薄れて釣りやすい」と言われます。これは多くの場合正しいのですが、必ずしもそうとは限りません。より深く掘り下げると、雨による「適度な水流の変化」がナマズの活性を上げる重要な要因である可能性が示唆されています 。雨が降っても水量がほとんど変わらなかったり、逆に大雨で危険なほどの激流になってしまうと、ナマズの活性は上がりにくいことがあります 。これは、雨によって運ばれてくる餌が増えたり、ナマズが移動しやすくなったりする「適度な増水と流れの変化」が、彼らの捕食スイッチを入れるのではないかと考えられます。単に「雨が降ったから釣れる」と短絡的に考えるのではなく、その雨が川や水路の状況にどのような変化をもたらしたかを見極めることが、より安定した釣果に繋がるでしょう。


初心者のためのナマズ釣り基本タックル

ロッド(竿)の選び方

ナマズ釣りに適したロッドを選ぶことは、快適な釣りを楽しむための第一歩です。

  • 長さ: 一般的に6フィート(約1.8m)から7フィート(約2.1m)程度の長さが扱いやすいでしょう。狭い水路や障害物が多い場所で正確なキャストを重視するなら6フィート~6.5フィートの短めのロッド、広い河川で飛距離を出したい場合や足場の高い場所から釣るなら7フィート前後の長めのロッドが有利です 。
  • 硬さ(パワー): M(ミディアム)からMH(ミディアムヘビー)クラスのパワーが、ナマズの引きに対応しやすく、一般的なルアーをキャストするのにも適しています 。ただし、初心者の場合、硬すぎる高弾性のMHクラスのバスロッドなどは、ナマズのバイトを弾いてしまったり、フックがしっかり掛かる前にバレてしまう原因になることがあるため注意が必要です 。
  • 調子(テーパー): トップウォータールアーを多用するナマズ釣りでは、ルアーをキャストしやすく、ナマズがルアーに食いついた際にしっかりと吸い込ませるための「タメ」を作れるレギュラーテーパーやスローテーパーのロッドが向いています。グラスコンポジット素材のロッドは、この特性を持ち合わせているものが多く、ナマズのバイトを弾きにくいため初心者には特におすすめです 。もしジグやワームを使った釣りをメインに考えるなら、操作性の良いファストテーパーのロッドも選択肢に入ります 。
  • 素材: 初心者には、感度と耐久性、そして「しなやかさ」のバランスが良いグラスコンポジット素材のロッドが最適です。キャストしやすく、魚を掛けた後もバラしにくいというメリットがあります 。フルグラスロッドは非常にしなやかでバラしにくいですが、重く感度が低い傾向があり上級者向けです。一方、フルカーボンロッドは軽量で高感度ですが、反発力が強すぎてナマズのバイトを弾きやすいことがあります 。
  • 価格: 本格的にナマズ釣りを始めるなら、1万円~2万円程度の価格帯で品質の良いロッドが見つかります。安価すぎるものは耐久性に欠ける場合があるため、ある程度の品質のものを選ぶと長く使えるでしょう 。

ナマズのバイトとロッドの重要性:なぜ「しなやかさ」が求められるのか

ナマズ釣りでグラスコンポジット製や比較的柔らかめのロッドが推奨されるのには、明確な理由があります。ナマズは捕食があまり上手ではなく、硬い口周りをしています 。そのため、アタリがあった瞬間に硬いロッドで強く合わせると、ルアーが口から飛び出してしまったり、しっかりとフッキングしなかったりすることが頻繁に起こります 。しなやかなロッドは、ナマズがルアーを咥えた際の衝撃を吸収し、魚がルアーを完全に口の中に吸い込むまでのわずかな「間」を与えてくれます。これにより、フッキングの成功率が格段に向上し、バラシを減らすことができるのです 。初心者が扱いやすいだけでなく、釣果にも直結する重要なポイントです。

リールの選び方

ロッドとのバランスを考えてリールを選びましょう。

  • 種類: ナマズ釣りでは、太めのラインを扱いやすく、ルアーの操作性やキャスト精度に優れるベイトリールが一般的に推奨されます 。ただし、ベイトリールの扱いに慣れていない初心者や、軽量なルアーを使いたい場合は、スピニングリールでも問題ありません 。
  • ギア比: トップウォータープラグをゆっくりと一定速度で巻くことが多いナマズ釣りでは、ノーマルギア(ギア比6:1前後、例えば6.3:1など)のベイトリールが扱いやすいでしょう 。ハイギア(7:1~8:1)は、ワームの釣りで素早く糸フケを回収したい場合などに有効ですが、プラグの釣りでは巻き取りスピードが速すぎてルアーのアクションが不自然になることがあります 。
  • 剛性: ナマズはヒットすると激しく首を振るため、リールにはある程度の剛性が求められます。金属ボディのリールなどは安心感があります 。
  • 糸巻量: ナイロンラインの16lb~20lbを80m以上巻ける程度のラインキャパシティがあれば十分です 。
  • トラブルレス性能: 特に夜釣りでは、バックラッシュなどのトラブルは避けたいものです。シマノのDC(デジタルコントロール)ブレーキやダイワのSVスプールなど、バックラッシュ防止機能が搭載されたベイトリールは初心者にも心強い味方となります 。

ライン(釣り糸)とリーダーの選び方

ラインは魚と直接繋がる重要な部分です。

  • メインライン:
    • ナイロンライン: 初心者には、扱いやすく、適度な伸びがあって衝撃を吸収してくれる**ナイロンラインの16lb~20lb(おおよそ4号~5号)**が最もおすすめです。ライントラブルも少なく、ナマズのパワーにも十分対応できます 。
    • PEライン: 強度が高く感度に優れるPEラインも人気がありますが、根ズレに弱いためリーダーが必須となり、結束にも慣れが必要です。もしPEラインを使用する場合は、2号~6号程度が目安です 。
  • リーダー:
    • PEラインを使用する場合は、根ズレ対策と衝撃吸収のために、ナイロンまたはフロロカーボンのリーダー(20lb~60lb程度)を60cm~1mほど結束します 。
    • ナマズの歯はヤスリ状になっており、トップウォータールアーなどを使っているとリーダーが傷つくことがあるため、太めのリーダーや、場合によってはナマズ専用のワイヤーリーダーを使用するアングラーもいます 。

その他揃えておきたい道具

快適で安全な釣りをするために、以下の道具も揃えておくと良いでしょう。

  • ルアー/餌: 釣り方の種類によって異なります。詳細は後の「釣り方の種類とコツ」で解説します。
  • フック(釣り針): ナマズの口は硬いため、鋭いフックが必要です。魚へのダメージを減らし、安全にフックを外すために、**バーブレスフック(カエシのない針)**の使用を強く推奨します。
  • プライヤー: フックを安全に外したり、スプリットリングを開閉したりするのに必須です 。
  • フィッシュグリップ: ナマズはヌルヌルしており、胸ビレに鋭いトゲがあるため、安全に掴むためにフィッシュグリップ(ボガグリップなど)があると非常に便利です。特に大型のナマズを扱う際には重宝します 。
  • ヘッドライト/ライト: 夜釣りには絶対に必要です。両手が空くヘッドライトがおすすめです 。
  • ランディングネット(タモ網): 足場の高い場所や大型のナマズを取り込む際に役立ちます。魚体を傷つけにくいラバーネットが望ましいです 。
  • スナップ/スイベル: ルアー交換を容易にするためにスナップを使用すると便利です。ラインのヨレを防ぐためにスイベルも有効です。ナマズ専用のワイヤー付きリーダーも市販されています 。
  • 服装: 動きやすく、汚れてもよい服装を選びましょう。天候によってはレインウェアや長靴、ウェーダーなども必要になります 。
  • 虫除けグッズ: 特に夕マズメや夜釣りでは蚊などの虫が多いため、虫除けスプレーや蚊取り線香などを用意しましょう 。
  • メジャー/カメラ: 釣果を記録するためにあると釣りがより楽しくなります(任意)。
  • タックルボックス/バッグ: ルアーや小物を整理して持ち運ぶために必要です 。

これらの道具を揃えることで、ナマズ釣りをより安全かつ快適に楽しむことができます。


ナマズの釣り方の種類とコツ【初心者向け徹底解説】

ナマズ釣りにはいくつかの代表的な方法があります。ここでは、初心者にも分かりやすく、それぞれの釣り方の仕掛け、必要な道具、そして釣果を上げるためのコツを解説します。

1. ルアーフィッシング:エキサイティングな水面ゲーム

ナマズのルアーフィッシングは、水面を割ってルアーに襲いかかる迫力満点のバイトシーンが醍醐味です。特にトップウォータールアーを使った釣りは人気が高く、ナマズの習性を活かしたエキサイティングなゲームが楽しめます。

主流はトップウォーター!ナマズを誘い出すルアー選び

ナマズが水面近くの獲物を意識していることや、音や振動に敏感な性質から、トップウォータールアーは非常に有効です 。

  • ノイジー系ルアー:
    • カップタイプ: ルアーの頭部に金属やプラスチックのカップが付いており、リトリーブ(巻き取り)すると「ポコポコ」「カポカポ」といった音と波紋を立てながら水面を泳ぎます。代表的なものに「ジッターバグ」や、ナマズ専用設計された「キャタピー」、「ふく鯰」などがあります。一定速度でただ巻きするだけでアピールできるため、初心者にも扱いやすいルアーです 。
    • 羽根モノ系(クローラーベイト): ボディの側面に羽根(ウイング)が付いており、リトリーブすると水面をパタパタと這うように泳ぎ、独特の音と波動を生み出します。「クレイジークローラー」や「ポンパドールJr.鯰カスタム」などが有名です。ゆっくりとしたリトリーブや、一点でのシェイクアクションにも向いています 。
  • ウェイクベイト: 大きなリップを持ち、リトリーブすると水面直下を泳ぎながらV字の引き波を立ててアピールします。トップウォーターに出きらない状況で有効なことがあります 。

ルアーの付加機能:

  • サウンド(ラトル、ブレード): ルアー内部にラトル(音を出す玉)が入っているものは、音で広範囲にアピールできます。ただし、プレッシャーの高い場所ではラトル音を嫌うナマズもいるため、ノンラトルタイプと使い分けるのが効果的です 。ブレードが付いているルアーは、回転することでフラッシング(光の反射)や波動を生み出し、アピール力を高めます 1
  • カラー: アングラーからの視認性が高い派手な色(ピンク、チャートリュースなど)は、特に夜釣りやルアーの位置を確認したい場合に有効です。日中や水がクリアな状況では、ナチュラル系のカラーが効果的なこともあります 。
  • サイズ: フィールドの規模やナマズの活性に合わせて選びましょう。広い場所や高活性時には大きめのルアー、プレッシャーの高い場所や小規模なポイントでは小さめのルアーが有効な場合があります 。

トップウォーター以外のルアー(トップに出ない時の選択肢):

  • スピナーベイト: 広範囲を探るのに適しており、様々な水深を攻略できます。ブレードのフラッシングと波動でアピールします 。
  • フロッグ: 水草が多い場所など、根掛かりしやすいカバーを攻めるのに適した、中空ボディのソフトルアーです 。
  • ワーム/ラバージグ: ナマズが底付近にいる場合や、ピンスポットをじっくり攻めたい時に有効です。ザリガニや小魚を模したワームをジグヘッドリグやテキサスリグで使います 。

ルアーのひと工夫で釣果アップ:カスタマイズのすすめ

市販のルアーをそのまま使うのも良いですが、ちょっとした工夫でナマズの反応が格段に良くなることがあります。例えば、フックにタコベイト(ビニール製のヒラヒラした飾り)を装着したり 、フックの接続部分にスイベルを追加してフックの可動域を広げることで、ナマズの吸い込みバイトに対応しやすくしたり 、アピール力向上のためにブレードを追加する といったチューニングは、経験豊富なアングラーが実践しているテクニックです。これらは、ナマズの捕食行動やスレ(警戒心が高まった状態)に対応するための知恵であり、初心者が基本の釣りに慣れてきたら試してみる価値のある工夫と言えるでしょう。

基本的なルアーアクションと誘い方

  • キャストの正確性: ナマズは物陰に潜んでいることが多いため、飛距離よりも狙ったポイントへ正確にルアーを届けるキャスティング技術が重要です 。
  • リトリーブスピード: 基本的にゆっくりとした一定速度で巻くのがセオリーです。ナマズは俊敏な捕食者ではないため、速すぎるリトリーブでは追いきれなかったり、ルアーを見失ったりすることがあります 。「ルアーがアクションするギリギリの遅さ」 を意識しましょう。
  • アクションの種類:
    • ただ巻き: ほとんどのノイジー系トップウォータールアーの基本アクションです。一定速度で巻くだけでルアーが持つ本来の動きでアピールします 。
    • シェイク巻き: ロッドを細かく振りながらリトリーブすることで、ルアーに不規則な動きを加えたり、移動距離を抑えたりする効果があります。また、ラインにたるみ(スラック)が生まれやすくなり、ナマズがルアーを吸い込みやすくなるというメリットもあります 。
    • ポーズ: リトリーブの途中でルアーの動きを止めるアクションです。特にナマズがルアーに気づいた後や、ミスバイトがあった後に有効なことがあります 。
    • トゥイッチ: ロッドティップを軽くチョンチョンと煽ることで、ルアーに瞬間的な動きを与えます。トップウォータールアーでは、水しぶきを上げたり、進行方向をわずかに変えたりするのに使います。トゥイッチ後にポーズを入れるのも効果的ですが、あまり激しいアクションはナマズを驚かせてしまう可能性があるので注意が必要です 。
    • チョウチン釣り: 岸際の草木などにラインを引っ掛け、ルアーを水面でピチャピチャと揺らすように誘うテクニックです。ピンスポットでじっくりとアピールできます 。
  • 着水音: ルアーが水面に落ちる音も、ナマズへのアピールになります。時にはわざと大きな着水音を立てることで、ナマズにルアーの存在を気づかせたり、リアクションバイトを誘ったりすることができます。特に水深がある場所や濁っている状況、ナマズの活性が低い時に有効な場合があります 。

デイゲームとナイトゲームの攻略法

  • ナイトゲーム(夜釣り): ナマズの活性が最も高まる時間帯です。広範囲を活発に動き回って餌を探すため、音や波動の強いルアーでアピールし、効率よく探っていくのが基本です 。ルアーの視認性を高めるために、ケミホタル(化学発光体)を装着できるタイプのルアーや、グロー(蓄光)カラーのルアーが役立ちます 。浅瀬や流れ込み、流れのヨレなど、餌が集まりやすい場所を重点的に狙いましょう。
  • デイゲーム(日中の釣り): 日中のナマズは、橋の下やオーバーハングした草木の下、濃いウィードの中、護岸の際など、日差しを避けて物陰に潜んでいることが多いです 。これらのシェード(日陰)やストラクチャー(障害物)をピンポイントで丁寧に狙うのが基本です。曇りや雨の日、水が濁っている時は、ナマズの警戒心が薄れ、より広範囲で活動することがあるためチャンスとなります 。水深が浅く、水がクリアな場所では、ナマズの姿を直接見ながら釣る「サイトフィッシング」も可能です 。大きな着水音や、物陰から突然現れるルアーによってリアクションバイトを誘うことも有効です 。

トップに出ない時の対処法

ナマズがトップウォータールアーに反応しない時は、いくつか試せる対処法があります。

  • リトリーブの変化: ルアーを引くスピードを変えたり、ポーズを入れたり、アクションに変化を加えてみましょう 。
  • ルアーの種類を変える:
    • トップウォーターの中でも、音の質(ラトル入り/ノンラトル、金属音/プラスチック音など)や、波動の強弱が異なるタイプに交換してみる 。
    • 水面直下を泳ぐウェイクベイトや、もう少し潜るスピナーベイト、クランクベイト(ボトムノックも有効 )などに変えてみる 。
    • 活性が低い時やプレッシャーが高いフィールドでは、ワームやラバージグといったソフトルアーで底付近をじっくり探るのも効果的です 。
  • ポイントを休ませる: 何度かバイトがあったものの乗らなかったり、ルアーを見切られたりした場合は、ナマズがスレて警戒心が高まっている可能性があります。一度そのポイントを離れ、時間をおいてから入り直すと反応が戻ることがあります 。
  • 水深を変えてみる: 夏場の高水温時や冬場の低水温時には、ナマズがより水温の安定した深場に移動していることがあります。そのような場合は、沈むタイプのルアーで深めのレンジを探ってみましょう 。

2. ぶっこみ釣り:手軽でシンプルな餌釣り

ぶっこみ釣りは、オモリと針、餌だけのシンプルな仕掛けで、ナマズを待つスタイルの釣り方です。手軽に始められ、ナマズ以外にも様々な魚が釣れる可能性があります。

ぶっこみ釣りの仕掛けと必要な道具

  • 仕掛けの基本構成: 道糸に中通しオモリ(ナツメ型オモリなど、流れの強さに応じて5号~10号以上 )を通し、サルカン(ヨリモドシ)を結びます。サルカンの先にはハリス(3号~4号以上 )を結び、その先端に針(丸セイゴ針、鯉針、マス針など、サイズは12号~13号程度かそれ以上 )を結びます。
  • 竿とリール: 特別な専用タックルは必要なく、釣具店で販売されている初心者向けの万能竿セットなどでも対応可能です 。ラインは10lb(約2.5号)程度の太さがあれば、大型のナマズが掛かっても安心です 。
  • その他:
    • 竿立て: 複数の竿を出す場合や、置き竿でアタリを待つ場合に便利です 。
    • アタリセンサー(鈴・ケミホタル): 竿先に鈴を取り付けたり、夜釣りではケミホタルを装着したりすることで、アタリが分かりやすくなります 。

おすすめの餌と付け方のコツ

ナマズは雑食性なので、様々な餌で釣ることができます。

  • 効果的な餌:
    • ミミズ: 定番の万能餌で、ナマズだけでなく鯉やウナギなども釣れます 。
    • カエル: 生き餌としてアピール力が高く、特に夏場に有効です 。
    • 魚の切り身: スーパーなどで手に入るアジやサンマ、サバなどの切り身。匂いが強く、餌持ちも良いです 。
    • レバー(鶏や豚): 安価で匂いが強いため、濁りのある場所で効果的です。ただし、餌持ちはあまり良くありません 。
    • 練り餌: 釣具店で入手可能。鯉用やナマズ用などがあります 。
    • アメリカナマズを狙う場合は、魚肉ソーセージやイカの塩辛なども有効とされています 。
  • 餌の付け方: ミミズは数匹を房掛けにしたり、1匹をチョン掛けにしたりします。魚の切り身は、皮側から針を刺すと餌持ちが良くなります 。

アタリの取り方とアワセのタイミング

  • アタリの察知: 竿先が引き込まれたり、鈴が鳴ったり、ケミホタルの光が動いたりすることでアタリを察知します 。
  • アワセのタイミング: ナマズは餌をすぐに飲み込むことがあるため、明確なアタリがあったら、しっかりと重みが乗るのを待ってから竿を立てて合わせます。リリースを前提とする場合は、飲み込まれる前に早めに合わせるのが良いでしょう 。

ぶっこみ釣りの「待ち」と「誘い」

ぶっこみ釣りは基本的には「待ちの釣り」ですが、アタリがない時に時折、竿先をゆっくりと持ち上げて仕掛けを少しだけ動かす「誘い」を入れると、ナマズに餌の存在を気づかせ、食いを促すことがあります 。これにより、単なる置き竿の釣りから、少し能動的な要素を加えることができます。

根掛かり対策とバラシを防ぐコツ

  • 根掛かり対策: 川底の障害物が多い場所では根掛かりが頻発します。底の状況を把握し、根掛かりしにくい形状のオモリ(平たい形状など)を選んだり、オモリとハリスの間に捨て糸(メインラインより細い糸)を入れて、根掛かりした際にオモリだけが切れるようにする「捨てオモリ式」の仕掛けも有効です 。
  • バラシを防ぐコツ: 鋭い針を使うことが基本です。ナマズがヒットしたら、ラインテンションを保ちながら、慌てずにやり取りをしましょう。アメリカナマズの場合、ヤスリのような歯でハリスが切られることがあるため、太めのハリスやワイヤーハリスの使用も検討しましょう 。竿立てを使用している場合は、ドラグを適切に調整し、強い引きで竿ごと持っていかれないように注意が必要です 。

ブッコミ釣りについてより詳細に知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。

ぶっこみ釣り仕掛けはキャンプに最適!餌(エサ)やおもりのおすすめもご紹介!

3. ウキ釣り:繊細なアタリを楽しむ

ウキ釣りは、ウキの動きでアタリを視覚的に捉えることができる、趣のある釣り方です。ナマズの繊細なアタリや、ウキが水中に引き込まれる瞬間を楽しむことができます。

ウキ釣りの仕掛けと必要な道具

  • 仕掛けの基本構成: 竿(延べ竿またはリール竿)、道糸、ウキ止め糸、シモリ玉、ウキ(玉ウキ、棒ウキ、夜釣りでは電気ウキ)、オモリ(ガン玉や板オモリなど)、サルカン、ハリス、針という構成が一般的です 。市販のウキ釣りセット仕掛けを利用すると手軽に始められます 。
  • : 餌のサイズや対象魚の大きさに合わせて選びます。ミミズを餌にする場合は、鯉針の15号などが使われることもあります 。

おすすめの餌とタナ(水深)の合わせ方

  • : ぶっこみ釣りと同様に、ミミズ、小魚の生き餌、エビなどが効果的です 。
  • タナ(餌を漂わせる水深)の調整: ウキ釣りの最も重要なポイントの一つがタナ合わせです。ウキ止め糸を上下に移動させることで、針についた餌がナマズのいる層(タナ)を漂うように調整します 。ナマズは底付近にいることが多いですが、状況によってタナは変化します。アメリカナマズを狙う場合、ウキ下を50cm程度に設定することもあるようです 。まずは底ギリギリに餌がくるように調整し(底ダチを取る )、アタリがなければ少しずつタナを深くしたり浅くしたりして、ナマズの反応を探ります。

タナ合わせは「探る」作業

ウキ釣りにおけるタナ合わせは、一度設定したら終わりではありません。魚のいる層は時間帯や天候、場所によって刻々と変化するため、「アタリがない場合は少しずつ深くしていく。アタリがあるのにハリ掛かりしないときは、タナが深すぎる可能性があるので浅くしてみよう」 といったように、積極的にタナを変えて探っていくことが釣果に繋がります 。この「探る」という行為が、ウキ釣りの奥深さであり面白さでもあります。

ウキのアタリの見方とアワセのコツ

  • ウキの動きでアタリを判断: ウキがピクピクと小さく動いたり、横にスーッと移動したり、勢いよく水中に引き込まれたりするのがアタリのサインです 。
  • アワセのタイミング: アタリの種類によってアワセのタイミングは異なります。ウキが明確に沈み込んだら、しっかりと竿を立てて合わせます 。小さなアタリや食い上げのアタリの場合は、少し待って本アタリを待つか、竿先でそっと聞いてみる「聞きアワセ」 71 を入れてから合わせることもあります。リリース前提の場合は、ナマズに深く飲み込まれないように、早めのアワセを心がけましょう 。ウキがモゾモゾと動く前アタリの後に、ウキが沈み込む瞬間に合わせると掛かりやすいという情報もあります 。

4. ポカン釣り:伝統的なカエル餌の釣り方

ポカン釣りの魅力と簡単な仕掛け

ポカン釣りは、生きたカエルを餌に、シンプルな延べ竿と糸、針だけでナマズを狙う、日本古来の伝統的な釣り方です 。カエルが水面を泳ぐ様子や、ナマズが「バフッ!」と激しく捕食する瞬間を間近で見ることができ、非常にエキサイティングです。仕掛けは極めてシンプルで、竿の先に道糸を結び、その先に針を結んでカエルを付けるだけです 。近年ではあまり見かけなくなりましたが、ナマズ釣りの原点とも言える魅力的な釣法です。


ナマズ釣りのポイント選び【初心者でも見つけやすい場所】

ナマズがどこにいるかを知ることは、釣果を大きく左右する重要な要素です。ここでは、初心者でも比較的見つけやすいナマズのポイントについて解説します。

ナマズが潜む代表的な場所とは?

ナマズは基本的に「変化」のある場所に潜んでいることが多い魚です 。以下に代表的なポイントを挙げます。

  • 一般的な生息エリア: 河川(特に中流域~下流域)、それらに繋がる用水路や排水路、池や湖など、淡水域の様々な場所に生息しています 1
  • 具体的なストラクチャー(障害物)や地形変化:
    • 流れ込み: 小さな支流や排水路、田んぼからの水などが本流に流れ込む場所は、餌となる小魚や水生昆虫が集まりやすく、ナマズにとって絶好の待ち伏せポイントです 。
    • 水門・堰下(せきした): 水門の周辺や堰の下流側は、水の流れが変化し、酸素量も豊富で、餌となる生物も集まりやすいため、ナマズが好んで集まるポイントです 。
    • 橋の下・橋脚周り: 日差しを遮るシェード(日陰)を作り出し、流れの変化も生まれるため、ナマズが潜むのに適した場所です 。
    • アシ際・ブッシュ・ウィード(水草): 水辺の植物はナマズにとって格好の隠れ家であり、餌を待ち伏せる場所にもなります 。
    • 流れのヨレ・反転流: 流れが巻いていたり、淀んでいたりする場所は、流されてきた餌が溜まりやすく、ナマズが流れを避けて定位するのに適しています 。
    • 浅瀬(シャロー): 特に夜間や水が濁っている時、雨天時などには、ナマズは驚くほど浅い場所(水深10cm~50cm程度)まで餌を求めてやってきます 。
    • 用水路・排水路: 田んぼと繋がっている用水路や、田んぼより水位の低い排水路は、餌となる生物が豊富で、ナマズにとって魅力的なポイントです 。特に「田んぼより水位が低い排水路」10 は要チェックです。

時期や天候で変わる!ポイントの見極め方

ナマズの居場所は、季節や天候によって変化します。

  • 季節による変化:
    • 春(産卵期): 産卵のために浅場や小さな水路、田んぼの周辺に集まってきます。
    • : 日中は水温の安定した流れ込みや日陰、やや深みのある場所に移動することがあります。夜間は広範囲に餌を探しに出ます 。
    • : 冬に備えて活発に餌を食べるため、夏と同様のポイントや、水草が枯れ始める場所などが狙い目になります 。
  • 天候による影響:
    • 雨・雨後: 適度な雨はナマズの活性を上げることが多いです。増水によって餌が流れてきたり、濁りによって警戒心が薄れたりするためです。流れ込みなどが特に有望になります 。ただし、前述の通り、極端な増水や激流は釣りにくくなることがあります 。
    • 濁り: 一般的にナマズ釣りには好条件とされます。ナマズの警戒心が薄れ、大胆にルアーにアタックしてくることが期待できます 。
    • 水温: 極端な高水温や低水温はナマズの活性を低下させます 。
    • 水流: 24で指摘されているように、単なる雨や濁りよりも、「適度な水流の増加」がナマズの活性を上げる重要な鍵となる可能性があります。これは、ナマズが流れに乗って運ばれてくる餌を効率よく捕食できるようになったり、移動しやすくなったりするためと考えられます。

「コイ」はナマズの居場所を示すサイン?

初心者にとって、ナマズが潜んでいそうな場所を具体的に見つけるのは難しいかもしれません。そんな時に役立つ簡単な目安として、「コイ(鯉)の存在」があります。コイが多く生息している場所は、餌が豊富でナマズにとっても住みやすい環境であることが多く、ナマズも同様に生息している可能性が高いと言われています 。コイはナマズよりも目につきやすいため、コイの群れを見かけたら、その周辺を丁寧に探ってみる価値はあるでしょう。

安全に楽しむための釣り場選びとマナー

ナマズ釣りは楽しいアクティビティですが、安全とマナーを守ることが大切です。

  • 安全第一:
    • 特に夜釣りをする場合は、日中の明るい時間帯に釣り場の状況(足場の状態、水深、障害物の有無など)を必ず確認しておきましょう(下見)。
    • 滑りやすい護岸やぬかるんだ場所では、足元に十分注意しましょう。
    • 増水時などは無理な釣行は避け、安全な場所を選びましょう。
  • 立ち入り禁止区域に注意: 私有地や釣り禁止の場所には絶対に立ち入らないようにしましょう。
  • 騒音に配慮: 特に住宅地に近い場所や夜釣りでは、話し声や物音を立てすぎないように注意し、周囲の住民や他の釣り人に迷惑をかけないようにしましょう 。
  • ライトの使い方: 夜釣りでライトを使用する際は、水面を直接照らさないようにしましょう。ナマズを驚かせてしまう可能性があります 。
  • ゴミは持ち帰る: 釣り場にゴミを残さないのは、釣り人としての最低限のマナーです。
  • アメリカナマズの扱い: もし特定外来生物であるアメリカナマズ(チャネルキャットフィッシュ)を釣った場合は、生きたまま持ち運ぶことは法律で禁止されています。その場でリリースするか、適切に処理する必要があります。地域の条例なども確認しましょう 。

初心者がやりがちな失敗と釣果アップの秘訣

誰でも最初は失敗するものです。ここでは、ナマズ釣り初心者が陥りやすい失敗例とその対策、そして釣果を伸ばすための秘訣を紹介します。

ナマズ釣りでよくある失敗とその対策

  • 状況に合わないルアーや餌の選択:
    • 失敗例: ナマズの活性が低いのに派手すぎるルアーを使い続けたり、逆に高活性時にアピール不足のルアーを選んでしまう 。
    • 対策: 天候、水色、時間帯、ポイントの状況などを観察し、ルアーや餌の種類、カラー、サイズをこまめにローテーションしてみましょう。
  • 不適切なリトリーブスピードやアクション:
    • 失敗例: ナマズが追いきれないほど速くルアーを巻いたり、不自然な動きで警戒させてしまう 。
    • 対策: 基本はゆっくりとしたリトリーブを心がけ、ナマズがルアーに気づき、追いつけるスピードを意識しましょう。反応がなければ、スピードやアクションに変化をつけてみましょう。
  • キャスト精度が悪く、ポイントを荒らしてしまう:
    • 失敗例: 狙ったポイントにルアーを届けられず、手前の障害物に引っ掛けたり、水面を不必要に叩いてナマズを驚かせてしまう 。
    • 対策: キャスティング練習をしましょう。ポイントには静かに近づき、正確なキャストを心がけましょう。
  • ポイントの見切りが早すぎる/粘りすぎる:
    • 失敗例: 少し探っただけで諦めて移動してしまったり、逆に全く反応がない場所で延々と粘ってしまう 。
    • 対策: 活性の高いナマズがいれば、比較的早い段階で反応があることが多いです。数投して反応がなければ移動を考えるのも手ですが、有望なポイントであれば時間帯を変えて入り直すのも有効です。
  • ラインスラック(糸フケ)の管理不足:
    • 失敗例: トップウォータールアーを引く際にラインを張りすぎていると、ナマズがルアーを吸い込みにくくなります 。
    • 対策: リトリーブ中にラインが適度にたるむように意識しましょう。これにより、ナマズがルアーを吸い込みやすくなり、フッキング率が向上します。
  • フックのチェックを怠る:
    • 失敗例: フックポイント(針先)が鈍っていたり、錆びていたりすると、せっかくのバイトもフッキングに至らなかったり、ファイト中にバレてしまったりします 。
    • 対策: 釣りの前やルアー交換時には必ずフックの状態を確認し、必要であればフックシャープナーで研いだり、新しいフックに交換したりしましょう。
  • 明らかに状況が悪いのに釣り続ける:
    • 失敗例: 真夏の炎天下でシェードもない場所を攻め続けたり、水が澄み切ったドピーカンの日に何の工夫もなく釣りをしたりする 。
    • 対策: 釣れる可能性の低い状況では、無理せず時間帯を変えたり、場所を変えたりする判断も大切です。

アワセのタイミングとフッキング率を上げるコツ

ナマズのアタリは派手なことが多いですが、フッキングが難しい魚でもあります。

  • 「早アワセは禁物」が基本ルール: ナマズはルアーに激しくアタックしてきても、一度でしっかりと咥えられないことがよくあります。アタリがあった瞬間に反射的にアワセてしまうと、ルアーが口から抜けてしまう「スッポ抜け」が多発します 。
  • 「重みを感じてから」アワセる: バイトがあっても慌てず、ルアーを巻き続け、竿にナマズの重みが「グッ」と乗ってから、しっかりと竿を立ててフッキングしましょう 。
  • 追い食いを誘う: 一度ミスバイトがあっても、そのままリトリーブを続けると、ナマズが再度アタックしてくる「追い食い」が期待できます 。ミスバイト後に一瞬ポーズを入れたり、軽くトゥイッチを入れたりするのも効果的な場合があります 。
  • フックの工夫:
    • バーブレスフック: ナマズの硬い口にも貫通しやすく、リリース時のダメージも軽減できます 。
    • フックの可動域を広げる: フックアイとフックの間にスイベルを入れたり、スプリットリングを介してフックを少し後方にずらしたりすることで、ナマズがルアーを吸い込んだ際にフックが口の中に入りやすくなり、フッキング率が向上すると言われています 。
    • アトラクターの追加: リアフックにタコベイトなどを装着して、ナマズのバイトポイントをフック周辺に集中させる工夫も有効です 。
  • ラインスラックの活用: 特にトップウォータールアーの場合、ラインを少し緩ませ気味(ラインスラックを作る)にしてリトリーブすることで、ナマズがルアーを吸い込みやすくなります 。

アワセの難しさと対処法:経験から学ぶ

ナマズのアワセに関しては、「重みを感じてから」という基本がありつつも、「アタックの瞬間に全てアワセるほうがキャッチできるかもしれない」 という意見も一部にはあります。これは、ミスバイトでもルアーが口周りのどこかに引っかかることがあるためと考えられます。しかし、これは確実なフッキングとは言えず、魚へのダメージも大きくなる可能性があります。初心者の方はまず、しっかりとルアーを咥えさせてからアワセる「向こうアワセ」に近い感覚を身につけることを目指しましょう。これにより、口の正しい位置にフッキングしやすくなり、キャッチアンドリリースを前提とする場合でも魚への負担を軽減できます。

ナマズの安全な持ち方とリリースの方法

釣れたナマズを安全に扱い、元気に水へ帰すことは、釣り人の大切な責任です。

  • 持ち方・扱い方:
    • フィッシュグリップの使用: ナマズの下顎をフィッシュグリップで掴むと、安全かつ確実に保持できます。ナマズの歯はヤスリ状で、大型になると素手で持つと擦り傷を負うことがあります。また、胸ビレには鋭いトゲがあるので注意が必要です 。
    • 地面に直接置かない: ナマズの体表はヌメリで保護されています。乾いたコンクリートやアスファルト、砂利の上などに直接置くと、ヌメリが剥がれて火傷をしたり、雑菌に感染したりする原因になります。濡らした草の上や、ビニールシート、ランディングネットの上などに優しく置きましょう 。
    • 小型のナマズ(40cm以下程度)であれば、バス持ちのように下顎を親指で掴むことも可能ですが、歯やトゲには十分注意してください 。
  • フックの外し方:
    • プライヤーを使用: 必ずプライヤーを使ってフックを外しましょう。バーブレスフックであれば比較的簡単に外せます 。
    • 安全確認: ナマズが暴れて外れたフックが自分に刺さらないように十分注意してください。特に夜間は手元が見えにくいため危険です 。
  • リリース:
    • 優しく水へ: 水面近くまで降りて、ナマズを両手で支えながら静かに水に戻しましょう。
    • 蘇生: 弱っているようであれば、流れに頭を向けてエラに新鮮な水が通るようにしばらく支えてあげると、回復して元気に泳ぎ去ることがあります 。
    • キャッチアンドイートの場合: もし食用にする場合は、活かして持ち帰るか、その場で締めて鮮度を保ちましょう 。

ナマズ釣りQ&A【初心者の疑問をスッキリ解決!】

ここでは、ナマズ釣り初心者が抱きやすい疑問とその回答をQ&A形式でまとめました。

  • Q1: ナマズが一番釣れる時間帯はいつですか?
    • A1: ナマズは基本的に夜行性なので、日没後から夜間、そして明け方が最も釣果を期待できる時間帯です。ただし、雨の日や雨の後で水が濁っている時、曇りの日などは日中でも活発に活動することがあります。また、日中でも橋の下などの**シェード(日陰)**を狙うことで釣れる可能性があります 。
  • Q2: 釣ったナマズは食べられますか?注意点は?
    • A2: はい、日本のマナマズは古くから食用にされてきました。ウナギに似た味わいとも言われ、蒲焼や天ぷら、唐揚げなどで美味しく食べられます。ただし、淡水魚なので寄生虫のリスクがあり、生食は絶対に避け、必ず加熱調理してください。また、釣った場所の水質によっては泥臭さが気になる場合があるため、綺麗な水で数日間泥抜きをすることが推奨されることもあります 。
  • Q3: ルアーに反応がない時はどうすればいいですか?
    • A3: まずはルアーの種類、カラー、サイズ、音の有無などを変えてみるのが基本です。リトリーブスピードやアクションに変化をつけるのも有効です。トップウォーターに反応がなければ、スピナーベイトやクランクベイト、ワームなどレンジ(水深)を変えて探ってみるのも良いでしょう。同じポイントでも時間帯や天候によって反応が変わるため、ポイントを休ませてから再度入り直すのも一つの手です。それでもダメなら、思い切って場所を変えることも考えましょう 。
  • Q4: アメリカナマズを釣ってしまった場合の正しい対処法は?
    • A4: アメリカナマズ(チャネルキャットフィッシュ)は、日本の生態系に影響を与える特定外来生物に指定されています。法律により、生きたままの運搬や飼育、放流は禁止されています。釣れてしまった場合は、その場でリリースするか、締めて持ち帰る(食用にするなど)のが適切な対応です。持ち帰る場合は必ずその場で締めてください。地域の条例なども確認しましょう 。
  • Q5: 夜釣りで気をつけることは何ですか?
    • A5: 安全が第一です。必ず日中の明るい時間帯に釣り場の下見を行い、足場の状況や危険な箇所を把握しておきましょう。ヘッドライトは必須で、予備の電池も忘れずに。単独釣行は避け、誰かに釣行場所と帰宅予定時刻を伝えておくと安心です。水面をライトで直接照らさない、騒ぎすぎないなど、周囲への配慮も大切です。ケミホタル付きのルアーなど、視認性の高いものを使うと釣りがしやすくなります 。
  • Q6: ぶっこみ釣りでアタリが分かりません。コツはありますか?
    • A6: 竿先に出る微妙な変化を見逃さないようにしましょう。穂先が柔らかい竿を使うとアタリが分かりやすいことがあります。道糸を張りすぎず、緩めすぎない適度なテンションを保つことが重要です。竿先に鈴やケミホタルを取り付けると、視覚や聴覚でアタリを捉えやすくなります。ナマズは最初に小さくついばむような前アタリを出し、その後本格的に食い込むことがあるので、焦らずに本アタリを待ちましょう 。
  • Q7: ナマズのヒゲの向きで活性が分かると聞きました。本当ですか?
    • A7: 経験豊富なアングラーの中には、ナマズのヒゲの向きで活性を判断する人もいます。一般的に、ヒゲが前方にピンと立っている場合は活性が高く、ルアーに反応しやすい状態、逆にヒゲが体に沿って後ろに倒れている場合は活性が低い状態と言われています 。これはあくまで目安の一つですが、観察してみるのも面白いでしょう。

おわりに

ナマズ釣りの楽しさを再確認

ナマズ釣りは、身近な場所で手軽に楽しめ、独特の豪快なバイトと力強いファイトが魅力の釣りです。ルアーフィッシング、餌釣りと多様なアプローチが可能で、初心者からベテランまで幅広く楽しむことができます。この記事で紹介した知識やテクニックを参考に、ぜひナマズ釣りの奥深さを体験してみてください。

安全に楽しむためのメッセージ

釣りは何よりも安全が第一です。特に夜釣りや慣れない場所での釣りは、事前の準備と注意を怠らないようにしましょう。また、釣り場環境の保全や、釣った魚への配慮も忘れてはなりません。キャッチアンドリリースをする場合は魚へのダメージを最小限に、もし食用にする場合は命をいただくことに感謝し、美味しく調理しましょう。

この記事が、皆さんのナマズ釣りライフの素晴らしいスタートとなることを願っています。経験を積むことで、さらに多くの発見と楽しみが見つかるはずです。


表1:ナマズ釣りタックル比較(初心者向け)

釣り方ロッド(竿)リールライン(釣り糸)主要ルアー/餌
ルアー釣り<br>(トップウォーター中心)6~7ft、M~MHパワー、<br>レギュラー/スローテーパー、<br>グラスコンポジット推奨 ベイトリール(ノーマルギア約6:1)、<br>またはスピニングリール ナイロン 16~20lb、<br>またはPE 2~6号+リーダー ノイジー系トップウォーター(ジッターバグ、キャタピー等)、ウェイクベイト、スピナーベイト、フロッグ
ぶっこみ釣り万能竿、初心者セットで可 スピニングリールまたはベイトリール ナイロン 10lb以上 ミミズ、魚の切り身、レバー、カエル
ウキ釣り延べ竿、またはリール付きの竿 スピニングリール(リール竿の場合) 竿やリールに適したナイロンライン等 ミミズ、小魚の生き餌、エビ

表2:ナマズ釣りの時期と時間帯の目安

季節月(目安)狙い目時間帯ポイントの特徴補足
4月~6月夜間、朝夕マズメ、日中(曇り/雨/濁り時)浅場、用水路、田んぼ周辺、産卵を意識した場所 水温上昇と共に活性化。産卵期は特に浅場でチャンス。
梅雨5月~6月夜間、朝夕マズメ、雨天時や雨後流れ込み、増水した水路、普段より広範囲 ナマズの活性が非常に高まる時期。雨による水流変化が鍵。
7月~8月夜間が中心、日中(シェード、流れ込み)日陰、水通しの良い場所、やや深みのある場所 高水温時は日中の活性が落ちることも。夜釣りが有利。
9月~10月夜間、朝夕マズメ夏と同様のポイント、枯れ始めた水草周りなど 冬に備えて荒食いの時期。
11月~3月日中の水温が上がる時間帯(稀)水温が安定しやすい深場、温排水周りなど 活性は低いが、釣れないわけではない。非常に厳しい釣りになることが多い。
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Shin
釣歴32年のパパアングラーで子供を連れて行ける釣り場やキャンプ場を日々探して巡っています。役に立つ情報満載でブログをお届けさせていただきます(^^♪
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