はじめに:ハゼ釣りは、もっとも手軽で奥深い「釣りの入門」の決定版!

「釣りを始めてみたいけど、何から手をつければいいかわからない」「道具を揃えるのが大変そう」「子どもと一緒に楽しめる趣味を探している」——。そんなふうに感じている方に、自信を持っておすすめしたいのが「ハゼ釣り」です。
ハゼ釣りは、釣りの楽しさが凝縮された、まさに「釣りの入門」に最適なアクティビティです。高価な道具や専門的な知識は必要ありません。2,000円程度の簡単な竿と仕掛け、そしてエサさえあれば、誰でも気軽に始めることができます。
なによりも魅力的なのは、その手軽さに反して「釣れる確率が非常に高い」こと。ハゼは食欲旺盛で日本の沿岸の身近な場所に数多く生息しているため、初心者や小さなお子様でも「ブルブルッ」という魚の引きを体験しやすいのです。自分で釣った魚を天ぷらなどにして味わう喜びは格別で、釣りの楽しさから食卓の美味しさまで、一連の流れを家族みんなで満喫できます。
そして、手軽でありながら、実はとても奥が深いのもハゼ釣りの魅力。釣り方や場所、時期によって釣果が大きく変わるため、ベテランの釣り師たちも夢中になるほどです。このガイドを読めば、あなたもきっとハゼ釣りの虜になるはず。さあ、釣りの世界の第一歩を、ハゼと一緒に踏み出しましょう。
ハゼ釣りのベストシーズンは?釣れる時間と潮の動きを知って釣果アップ!
ハゼ釣りの釣果を大きく左右するのが「いつ釣りに行くか」というタイミングです。魚の生態を少し知るだけで、釣れる確率は劇的に上がります。ここでは、ハゼ釣りに最適なシーズンと、釣果を左右する「潮」の秘密について解説します。
ハゼが釣れる時期:夏から秋がハイシーズン
ハゼは春に産卵し、夏にかけて成長します。釣りのターゲットとして楽しめる大きさになるのは、初夏から秋にかけてです。
- 夏(7月〜8月):シーズン開幕!梅雨が明ける6月下旬から7月頃、5cmから7cmほどに育った「デキハゼ」と呼ばれる若いハゼが釣れ始めます。この時期のハゼは警戒心が薄く、岸のすぐ近くに群れているため、初心者でも数釣りが楽しめます。夏休みのアウトドアレジャーとしても最適です。
- 秋(9月〜11月):最盛期!夏にエサをたくさん食べて大きく成長したハゼが、数・サイズともにピークを迎えるベストシーズンです。15cmを超える良型も混じるようになり、強い引きを楽しめます。水温が下がり始める晩秋になると、ハゼは冬を越すために深場へ移動するため、岸から狙うのが少し難しくなります。
- 春(3月〜5月)と冬(12月〜2月):オフシーズン春は産卵期、冬は深場でじっとしているため、ハゼ釣りにはあまり向いていない季節です。釣りを始めるなら、気候も穏やかな夏から秋を狙いましょう。
狙うべき時間帯と「潮」の重要性
多くの魚は早朝や夕方に釣れやすいとされますが、ハゼは日中の明るい時間帯でも活発にエサを食べるため、焦って早起きする必要はありません。日中の釣行で最も重要な要素、それは「潮の動き」です。
海には潮の満ち引きがあり、これによって水位が大きく変化します。ハゼは普段、川底や海の底にいますが、潮が満ちてくる(水位が上がる)と、エサを求めて岸際の浅い場所に移動してくる習性があります。つまり、ハゼが自分たちの足元までやってきてくれる「満ち潮(上げ潮)」の時間が、絶好のチャンスなのです。
特に、**満潮時刻の2時間前から満潮までの時間帯は「ゴールデンタイム」**と呼ばれ、ハゼの食欲が最も高まるタイミングです。釣りに出かける前には、必ず「タイドグラフ」や潮見表アプリでその日の満潮時刻を調べておきましょう。この時間を狙うだけで、釣果は驚くほど変わります。
この潮の動きを理解することが、単なる「運任せの釣り」から「狙って釣る」ための第一歩です。
初心者のためのハゼ釣り道具(タックル)とエサ選び

ハゼ釣りの魅力は、道具がシンプルで安価なこと。ここでは、初心者が最初に揃えるべき基本的な道具(タックル)と、釣果を左右するエサについて、分かりやすく解説します。
まずはコレだけ!基本の竿とリール
ハゼ釣りには大きく分けて2つのスタイルの竿があります。どちらも釣具店で手頃な価格のセットが販売されているので、難しく考える必要はありません。
- のべ竿:シンプルさで選ぶならリールが付いていない、しなやかな一本の竿です。仕掛けを直接竿の先端に結ぶため、糸がらみのトラブルが少なく、魚の引きをダイレクトに感じられるのが魅力。特に小さなお子様と楽しむなら、この「のべ竿」が最も扱いやすいでしょう。長さは、釣り場の足場の高さに合わせて2.7mから4.5m程度のものがおすすめです。
- コンパクトロッド(リール付き):万能さで選ぶなら短い竿に小型のスピニングリールがセットになったものです。リールがあることで仕掛けを少し遠くに投げることができ(ちょい投げ)、より広い範囲を探れるのが強みです。のべ竿では届かない場所にいるハゼも狙えるため、一本持っておくと釣りの幅がぐっと広がります。
釣果を左右する「仕掛け」の基本(ハリ・オモリ・糸)
仕掛けとは、糸の先につけるハリやオモリなどの部分のこと。釣具店で「ハゼ釣り用」として売られている完成品セットを使えば、初心者でも迷うことはありません。
- ハリ(釣り針)ハゼの口は小さいので、ハリも小さいものを選ぶのが鉄則です。特に夏場のデキハゼを狙うなら、袖鈎(そでばり)やハゼ鈎の3号から7号といった小型のものが良いでしょう。足元を狙うなら吸い込みやすい「袖鈎」、投げて使うならエサが外れにくい「ハゼ鈎」が向いています。
- オモリ仕掛けを海底まで沈めるための重りです。1号から3号(約3.75g〜11.25g)程度の軽いもので十分です。
- 糸(ライン)扱いやすく安価なナイロン製の糸(0.8号〜1.5号程度)がおすすめです。
定番の「ゴカイ」と、虫が苦手な人向けの「ホタテ」
エサ選びは釣果に直結しますが、同時に多くの初心者がためらうポイントでもあります。しかし、心配は無用です。強力な定番エサと、触るのが苦手な人向けの優れた代替エサがあります。
- 最強のエサ「ゴカイ類(アオイソメ・石ゴカイ)」釣りの世界で「万能エサ」と呼ばれる生きた虫エサです。水中でうねうねと動くことでハゼに強くアピールし、その匂いで食欲を刺激します。釣果を最優先するなら、これに勝るエサはありません。釣具店で500円分も買えば一日中楽しめます。付け方は、ハリに縫うように刺す「通し刺し」が基本です。
- クリーンな代替エサ「ボイルホタテ」「どうしても生きた虫は触れない…」という方に最適なのが、スーパーなどで売られているベビーホタテのボイルです。実はこれ、ただの代替品ではありません。エサ付けが非常に素早くできるため、釣りの効率(手返し)を重視する上級者も愛用するほどの実力派です。貝柱の繊維を数本、ハリにチョンと引っ掛けるだけで準備完了。手が汚れず、匂いも気にならないため、女性や子供にも大人気です。
この他にも、人工的に作られた「ガルプ!サンドワーム」のようなワームタイプのエサもあり、選択肢は豊富です。自分に合ったエサを選んで、快適に釣りを楽しみましょう。
どこで釣れる?都心から行けるおすすめハゼ釣りポイント

道具とエサが揃ったら、いよいよ釣り場へ。ハゼは一体どこにいるのでしょうか?ここでは、ハゼが好む場所の基本と、初心者でも安心して楽しめる都心近郊のおすすめスポットをご紹介します。
ハゼはどこにいる?狙うべき場所の基本
ハゼは私たちのとても身近な場所に生息しています。以下の3つの条件が揃う場所を探してみましょう。
- 汽水域(きすいいき)川の真水と海水の塩水が混じり合うエリアのことです。具体的には、川が海に注ぎ込む「河口」や、海とつながる「運河」、波の穏やかな「漁港」などが絶好のポイントになります。
- 砂地や泥地(砂泥底)ハゼは、ゴツゴツした岩場よりも、砂や泥の底を好みます。エサを探したり、外敵から身を隠したりするのに適しているからです。
- 変化のある場所ただ平坦なだけでなく、水中に沈んでいる石(ゴロタ石)やカキの殻が集まった場所(カキ瀬)、橋の杭の周りなどは、ハゼが身を寄せる格好の隠れ家です。このような「変化」のある場所を狙うのが、釣果アップの秘訣です。
【実例紹介】江戸前ハゼの聖地「佃堀」(東京都中央区)
都心でハゼ釣りといえば、まず名前が挙がるのがこの「佃堀」です。もんじゃ焼きで有名な月島にあり、都営大江戸線「月島駅」から徒歩5分という抜群のアクセスを誇ります。
この場所の魅力は、釣りの楽しさだけではありません。昭和の風情が残る下町の風景と、対岸にそびえ立つ高層ビル群が織りなす独特の景観は、ここでしか味わえないものです。釣り場には安全柵が設置され、近くにはトイレやエサを調達できる釣具店もあるため、初心者や家族連れでも安心して楽しめます。釣りの合間に近くの住吉神社を散策したり、月島もんじゃストリートで食事をしたりと、一日中楽しめるのも嬉しいポイントです。干潮時は水面まで高さが出るため、2.7m以上の少し長めの竿があると便利です。
【実例紹介】ファミリーに最適「新左近川親水公園」(東京都江戸川区)
お子様連れで一日楽しむなら、「新左近川親水公園」が断然おすすめです。この公園には、遊具広場やデイキャンプ場、レンタルカヌーなど、釣り以外のアクティビティが充実しています。
護岸沿いにはゴロタ石が沈められており、ハゼやテナガエビの絶好の隠れ家となっています。魚影が濃い一方で、根掛かり(仕掛けが石などに引っかかること)には少し注意が必要です。この公園では投げ釣りが禁止されているため、後述する「ウキ釣り」や「ミャク釣り」で足元を狙うのが基本スタイルとなります。駐車場も完備されており、車でのアクセスも良好です。釣りに飽きてしまったお子様も、公園の遊具で遊べるため、家族全員が満足できる一日を過ごせるでしょう。
【釣り方別】4つの基本釣法をマスターしよう!

ハゼ釣りには、状況や好みに合わせていくつかの釣り方があります。ここでは、初心者でもすぐにマスターできる4つの基本的な釣法を、それぞれの特徴とコツを交えて詳しく解説します。
ウキ釣り:目で見て楽しい!基本の釣り方
ウキ釣りの最大の魅力は、魚のアタリ(魚がエサに食いついたサイン)がウキの動きとして「目に見える」ことです。ウキがピョコピョコと動いたり、スーッと水中に引き込まれたりする様子は、大人も子供もワクワクすること間違いなし。最も直感的で、釣りの基本を学ぶのに最適な方法です。
- 使う道具:のべ竿(2.7m〜4.5m)、ハゼ用の玉ウキ仕掛けセット。
- 最大のコツ「タナ取り」:ハゼは川や海の底にいる魚です。そのため、エサがちょうど底に着くようにウキの位置を調整することが最も重要です。これを「タナ取り」と呼びます。仕掛けを投入してみて、ウキが横に寝てしまったり、流れより速く動いたりする場合は、エサが底に着いていません。ウキ下の糸を少しずつ長くして、エサが底をトントンと叩くくらいに調整しましょう。
- 釣り方:仕掛けを流れの少し上流に投入し、自然に流します。ウキに変化があったら、それがアタリのサインです。
ミャク釣り:アタリがダイレクト!数釣りの秘訣
ミャク釣りは、ウキを使わずにオモリとハリだけのシンプルな仕掛けで、魚のアタリを竿先や手元に伝わる「プルプルッ」という振動(脈)で感じ取る釣り方です。仕掛けがシンプルなため準備が簡単で、ウキの浮力がない分、ハゼがエサを咥えたときの繊細なアタリもダイレクトに伝わってきます。効率よく広範囲を探れるため、「とにかくたくさん釣りたい!」という方におすすめの、手返しの早い釣法です。
- 使う道具:のべ竿(少し遠くも探れる4.5m〜5.4mが有利)、ミャク釣り用仕掛け。
- 最大のコツ「底を感じて探る」:仕掛けを底まで沈めたら、糸を張りすぎず緩めすぎずの状態に保ちます。竿先に全神経を集中し、「コツコツ」「プルプル」という微かな振動を感じ取りましょう。
- 釣り方:仕掛けを足元に落とし、底に着いたら5秒ほど待ちます。アタリがなければ、竿先を少し持ち上げて仕掛けを10cm〜20cmほど手前に移動させ、また5秒待つ。この「探り歩き」を繰り返すことで、ハゼの群れがいる場所を見つけ出します。
ちょい投げ釣り:少し遠くを探って釣果アップ
「ちょい投げ釣り」は、リール付きの竿を使って、仕掛けを5m〜20mほど軽く投げる釣り方です。のべ竿では届かない沖のポイントを探れるため、潮が引いてハゼが岸から遠ざかってしまった時間帯や、水深のある釣り場で威力を発揮します。秋が深まり、ハゼが深場へ移動し始めた時期の良型狙いにも最適です。
- 使う道具:コンパクトロッドとリールのセット、天秤オモリ、ハゼ用の投げ釣り仕掛け。
- 最大のコツ「ゆっくりズル引き」:仕掛けを投げたら、オモリが底に着くのを待ちます。その後、リールをゆっくり巻いたり、竿を手前に引いたりして、オモリで海底を引きずる(ズル引き)ように探ります。
- 釣り方:キャスト後、糸のたるみを取ります。竿先をゆっくりと手前に引き、仕掛けを30cmほど動かしたら、数秒止めます。これを足元まで繰り返します。アタリは竿先に「ブルブルッ!」と明確に伝わってきます。
ハゼクランク(ハゼクラ):ルアーで楽しむ現代のハゼ釣り
「ハゼクランク」は、エサの代わりに「クランクベイト」と呼ばれる小さなルアーを使う、現代的なハゼ釣りのスタイルです。虫エサが苦手な方や、よりゲーム性の高い釣りを楽しみたい方に人気です。面白いことに、ハゼはクランクベイトをエサと間違えて食べるのではなく、自分の縄張りを荒らす侵入者と勘違いして攻撃してきます。このハゼの習性を利用した、非常にエキサイティングな釣りです。
- 使う道具:アジングやメバリング用のライトなルアーロッド、小型スピニングリール、ハゼ専用クランクベイト。
- ルアー選びのコツ:
- サイズ:25mm〜35mmが標準です。
- タイプ:根掛かり回避のため、リールを巻くのを止めると浮き上がる「フローティング」タイプを選びましょう。
- カラー:最初はクリアブラウンなどの地味な色から始め、反応がなければゴールドやオレンジ、レッドといった派手な色に交換していくのがセオリーです。
- 釣り方:ルアーを投げ、リールを速めに巻いてルアーを底まで潜らせます。ルアーの先端(リップ)が底に「コツコツ」と当たるのを感じたら、リールを巻くスピードを落とし、底を叩きながらゆっくり巻いてきます(スローリトリーブ)。これが基本のアクションです。
釣果を伸ばす!誘い方とアワセのタイミング

ハゼ釣りの基本を覚えたら、次は釣果をさらに伸ばすための応用テクニックに挑戦してみましょう。魚を惹きつける「誘い」と、確実にハリに掛ける「アワセ」のタイミングが、上達への鍵となります。
ハゼを誘う「動かして、止める」の基本
ハゼは好奇心旺盛な魚で、動くものによく反応します。ただエサをじっと待っているだけでは、ハゼに気づかれないこともあります。そこで重要になるのが、仕掛けを意図的に動かしてアピールする「誘い(さそい)」というテクニックです。
- エサ釣りの場合(ウキ・ミャク・ちょい投げ)誘いの基本は「動かして、止める」の繰り返しです。竿先を少し持ち上げたり、リールを少し巻いたりして仕掛けを10cm〜20cmほど動かし、ピタッと数秒間止めます。この動きでハゼの注意を引き、止めた瞬間にエサを食わせる「間」を作るのです。ハゼは落ちてくるものにも興味を示すため、仕掛けを一度持ち上げて落とし直すだけでも立派な誘いになります。
- ルアー釣りの場合(ハゼクランク)ハゼクランクでは、底をコツコツと叩きながらゆっくり巻くこと自体が強力な誘いになります。さらに効果的なのが、巻きの途中で1〜2秒のポーズを入れること。巻くのを止めるとルアーが少し浮き上がり、その動きの変化がハゼの攻撃本能を刺激し、思わず口を使わせてしまいます。
「ブルブルッ!」アタリの瞬間のアワセ(フッキング)のコツ
「アワセ」とは、魚がエサに食いついた瞬間に竿を軽くあおって、ハリを口にしっかりと掛ける(フッキングさせる)動作のことです。このアワセのタイミングは、釣り方によって大きく異なります。ここを理解することが、アタリはあるのに釣れない「もどかしさ」を解消する最大のポイントです。
- ウキ釣り → 「じっくり待って」からアワセウキがピョコピョコと小さく動いているのは、ハゼがエサの端をつついているだけ。ここでアワセてもハリには掛かりません。ウキが完全に水中に引き込まれる「本アタリ」まで、じっくりと待ちましょう。ウキが消し込んだら、ゆっくりと竿を立ててアワセます。
- ミャク釣り → 「即アワセ」が基本ウキがないため、アタリは手元にダイレクトに伝わります。「プルプルッ」という明確な感触があったら、間髪入れずに手首を返すように小さく鋭くアワセます。電光石火の早アワセが釣果に繋がります。
- ちょい投げ&ハゼクランク → 「巻きアワセ」でOKこれらの釣りでは、竿をしゃくり上げるような鋭いアワセは不要です。アタリを感じたら、慌てずにリールを同じ速度で巻き続ける「巻きアワセ」をします。仕掛けやルアーが前に進む力と、魚が引っ張る力の両方で、自然とハリが掛かります(向こうアワセ)。むしろ、ここで大きくアワセると、ハゼの口からハリが外れてしまう「すっぽ抜け」の原因になるので注意しましょう。
もしアタリを感じるのにうまくハリ掛かりしない場合は、アワセのタイミングが早すぎるか、ハゼのサイズに対してハリやエサが大きすぎる可能性があります。少し待つ時間を長くしたり、ハリをワンサイズ小さいものに交換したりすると、状況が改善することがよくあります。
釣ったハゼを美味しく食べよう!持ち帰り方と簡単レシピ
釣りの醍醐味は、自分で釣った魚を味わうことにもあります。ハゼは上品な白身で、驚くほど美味しい魚です。ここでは、釣ったハゼの鮮度を最高の状態で保つ持ち帰り方と、定番の絶品レシピをご紹介します。
鮮度を保つ!正しい持ち帰り方
釣った魚の味は、持ち帰り方で天と地ほどの差が出ます。絶対にやってはいけないのが、**「釣れたハゼを水の入ったバケツに入れっぱなしにする」**こと。特に夏場は水温がすぐに上昇して酸欠になり、ハゼはすぐに死んでしまいます。死んだ魚を常温で放置すると、鮮度が落ちて味が格段に悪くなります。
最高の鮮度で持ち帰るための最適な方法は**「氷締め」**です。
- 釣り場に着いたら、まずクーラーボックスにたっぷりの氷を入れ、そこに海水を少し注いで、キンキンに冷えた塩氷水(シャーベット状)を作っておきます。真水ではなく海水を使うのがポイントです。浸透圧の違いで魚の身が水っぽくなるのを防ぎます。
- ハゼが釣れたら、ハリを外してすぐにこのクーラーボックスに投入します。急激に冷やすことで瞬間的に締まり、鮮度が最高の状態でキープされます。これは魚にとっても苦痛の少ない方法です。
- 帰る準備をするときは、クーラーボックスの栓を少し開けて、余分な水を抜いておきましょう。魚が水に浸かりっぱなしになるのを防ぎ、身がふやけるのを防ぎます。
この一手間をかけるだけで、お店で買う魚にも負けない、最高の状態のハゼを食卓に届けることができます。
定番はやっぱり天ぷら!絶品ハゼ料理
ハゼ料理の王様といえば、やはり「天ぷら」です。揚げたてのハゼの天ぷらは、衣がサクサク、中の身は驚くほどフワフワで、臭みは一切ありません。高級なキスの天ぷらにも匹敵する、まさに絶品です。
- 下処理:天ぷらにするには、まずウロコ、頭、内臓を取り除きます。その後、お腹から包丁を入れて背骨に沿って開く「背開き」にして、中骨を取り除きます。
- 調理:下処理したハゼに軽く塩を振り、天ぷら粉の衣を薄くつけて、170℃〜180℃の油でカラッと揚げれば完成です。
その他にも、小型のハゼは下処理なしでそのまま揚げて塩を振る「唐揚げ」にすると、骨まで美味しくいただけます。また、甘辛く煮付けた「甘露煮」や、揚げたハゼを酢の物に漬け込む「南蛮漬け」も人気の食べ方です。
まとめ:安全に楽しく、ハゼ釣りを満喫しよう!
ここまで、ハゼ釣りの魅力から具体的なテクニックまで、網羅的に解説してきました。最後に、大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- タイミングが重要:ハゼが岸に寄ってくる「上げ潮」の時間帯を狙い、気候の良い「夏から秋」に釣行しましょう。
- 道具はシンプルに:最初は高価な道具は不要です。のべ竿やコンパクトロッドのセットで十分楽しめます。
- 場所を探そう:同じ場所で粘るより、少しずつ移動してハゼの群れがいる場所を探すのが釣果アップの鍵です。
- 釣り方を選ぼう:目で見て楽しむ「ウキ釣り」、アタリをダイレクトに感じる「ミャク釣り」、少し遠くを探る「ちょい投げ」、ゲーム性の高い「ハゼクランク」。自分に合ったスタイルを見つけてください。
そして、何よりも大切なのが「安全」です。特に小さなお子様と一緒の場合は、必ずライフジャケットを着用してください。足場の悪い場所では滑りにくい靴を履き、仕掛けを投げる際は周囲に人がいないか必ず確認しましょう。
また、釣り場をきれいに保つことも釣り人の大切なマナーです。自分が出したゴミは必ず持ち帰り、未来の釣り人たちのためにも美しい環境を守りましょう。
ハゼ釣りは、自然の中で過ごす時間の豊かさ、自分の力で獲物を得る達成感、そしてその恵みを味わう喜びを、手軽に体験させてくれる素晴らしい趣味です。このガイドを片手に、ぜひ身近な水辺へ出かけて、ハゼとの出会いを楽しんでみてください。きっと、忘れられない思い出が作れるはずです。
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