関東屈指の清流として知られる鬼怒川。6月は新緑が目に鮮やかで、気候も比較的過ごしやすいため、釣りには絶好のシーズンを迎えます。特にアユ釣りが解禁される時期でもあり、多くの釣り人で賑わいを見せます。しかし、ヤマメやニジマスといった渓流魚、さらにはブラックバスやナマズ、コイといった多様な魚種も狙えるのが6月の鬼怒川の魅力です。
この記事では、2025年の最新情報を踏まえ、6月の鬼怒川で釣れる魚の種類、初心者にも分かりやすいおすすめの釣りポイント、そして各魚種に応じた釣り方とそのバリエーションを詳しく解説します。安全に楽しく釣りをするための準備やルール、マナーについても触れていきますので、ぜひ最後までご覧いただき、6月の鬼怒川釣行の参考にしてください。
なぜ6月の鬼怒川が釣り人におすすめなのか?魅力と釣果予報

6月の鬼怒川は、気候の安定とともに川の活性も上がり、多様な魚種との出会いが期待できる魅力的なシーズンです。梅雨時期特有の天候の変化への備えは必要ですが、それを補って余りある釣りの楽しさが待っています。
6月の鬼怒川:気候と川のコンディション
6月の鬼怒川周辺は、例年梅雨入りし、降水量が多く湿度も高くなる傾向にあります。日光・鬼怒川エリアの平均気温は20℃前後と、東京よりも3~5℃低く、特に朝晩は涼しく感じられることが多いでしょう。このため、日中は過ごしやすいものの、雨具を兼ねた撥水性のある上着があると安心です。
雨は川のコンディションに大きく影響します。例えば、過去の記録では、令和7年6月1日の早朝、鬼怒川の水位は前日の雨で平水よりも15cmほど高くなりましたが、釣りには支障がない程度の水量と濁りでした。このように、適度な雨であれば釣りが可能な場合も少なくありません。しかし、局地的な大雨に見舞われると、時間雨量45mm/hといった強い雨が降り、河川が60mmを超える雨量となることもあり、このような場合は増水や濁りが著しくなり、釣りが困難になることもあります。
鬼怒川本流は、利根川の支流でありながら、上流ダムの放水による水位変動が利根川に比べて少ないため、比較的安定した水位を保つ傾向があるのが特徴です。これは釣り人にとって大きなメリットと言えるでしょう。
水温に関しては、6月は上昇傾向にあります。鬼怒川の川島橋地点での夏季平均水温は10年間で0.74∘C上昇しているというデータもあり、魚の活性も高まる時期です。過去の5年間の月平均水温データを見ると、例えば川治第二観測所では年平均11.9℃、鬼怒川橋観測所では年平均14.9℃といった記録があり、6月はこれらの平均値よりも高く、魚たちが活発に餌を追う水温になっていると考えられます。
梅雨時期の釣りは、天候に左右されるものの、雨による増水が新たなポイントを生み出したり、水温の安定化に繋がったりと、必ずしもマイナス面ばかりではありません。むしろ、魚の警戒心が薄れるなどの好条件が揃うこともあり、ダイナミックな釣りを楽しめるチャンスも秘めています。
6月に期待できる魚たちと釣果の傾向
6月の鬼怒川は、まさに多種多様な魚たちの饗宴とも言える状況を迎えます。この時期の鬼怒川は、春から引き続き楽しめる魚種と、新たにシーズンインする魚種が混在し、釣り人にとっては選択肢の多い魅力的なフィールドとなります。
まず、6月の鬼怒川を代表する魚といえばアユでしょう。下流の区間から順次解禁となり、友釣りのシーズンが本格的に始まります。シーズン初期はやや小ぶりなアユが中心となることもありますが、6月後半からシーズンが進むにつれて成長し、25cmクラスの大型も狙えるようになります。
そして、アユ釣りと並んで人気が高いのがヤマメです。近年の鬼怒川本流では、アユ釣りシーズンよりも前から楽しめるヤマメ釣りの注目度が年々高まっています。特に中流域では魚影が濃く、フライフィッシング、ルアーフィッシング、エサ釣りと多様なスタイルで楽しむことができます。水生昆虫のハッチも活発になるため、特にフライフィッシャーにとっては絶好の機会となります。
その他、最近の釣果情報によれば、ブラックバス、トラウト(ニジマスなど)、ナマズ、コイといった魚種も釣果が上がっています。これらの魚種は、アユやヤマメとは異なるタックルやアプローチで狙うことができ、鬼怒川の懐の深さを示しています。
イワナは、より水温の低い上流域や源流部が主な生息域となります。
このように、6月の鬼怒川は、伝統的なアユの友釣りから、テクニカルなヤマメ釣り、そして身近なターゲットであるブラックバスやコイまで、幅広いニーズに応えてくれるフィールドと言えるでしょう。特にヤマメ釣りは、フライ、ルアー、エサと多様なアプローチが可能で、アユとは異なる戦略や楽しみ方があり、その人気が高まっているのもうなずけます。
6月の鬼怒川で出会える!主なターゲット魚種と特徴

6月の鬼怒川では、実に多彩な魚たちとの出会いが待っています。それぞれの魚の生態や特徴を知ることで、より釣果に繋がりやすくなります。ここでは、主なターゲット魚種について詳しく見ていきましょう。
ヤマメ (Yamame) – 清流の女王の生態と6月の狙い方
「清流の女王」とも称されるヤマメは、その美しい姿と引きの強さで多くの釣り人を魅了する魚です。パーマークと呼ばれる独特の斑紋が特徴で、鬼怒川のような清冽な流れを好みます。
生態と特徴
ヤマメは冷水を好むサケ科の魚で、水温が20℃以下の清流に生息します。流れのある瀬や淵、岩陰などに潜み、水生昆虫や落下昆虫、小魚などを捕食します。鬼怒川では平均して20cm~30cm程度のものが釣れますが、30.3cmを超える「尺ヤマメ」や、時にはそれをはるかに超える「スーパーヤマメ」と呼ばれる大型も潜んでいます。また、海に下って大きく成長し再び遡上してくる個体はサクラマス(鬼怒マス)と呼ばれ、平均40cm~50cm、時には80cmを超える記録もあります。
6月の行動と狙い方
6月はヤマメにとって活発に捕食活動を行う時期です。水温の上昇とともに新陳代謝が活発になり、エサを求めて積極的に動き回ります。鬼怒川中流域では、ガガンボ、コカゲロウ、カゲロウ、トビケラといった水生昆虫が豊富にハッチ(羽化)するため、これらを盛んに捕食するヤマメの姿が見られます。
- フライフィッシング: 水生昆虫のハッチに合わせたフライフィッシングは、6月のヤマメ釣りで特に効果的な方法の一つです。ドライフライで水面を意識しているヤマメを狙ったり、ニンフで水中のヤマメを誘ったりと、状況に応じたフライ選択が釣果を左右します。
- ルアーフィッシング: スピナーやスプーン、ミノーなどが有効です。特にヘビーシンキングミノーは、本流の複雑な流れの中でもしっかりと泳層をキープしやすく、ヤマメにアピールできます。ティムコの「ラクス60S」やDUOの「リュウキ」シリーズ(70s、60s)、ティモンの「トリコロール流芯」シリーズ(70s、63s)などが実績の高いルアーとして挙げられます。アクションは連続トゥイッチなどが効果的です。
- 餌釣り: 川虫(クロカワムシ、ヒラタカゲロウの幼虫など)は特効エサとして知られています。その他、ミミズやイクラなども有効です。自然な流れに乗せてエサを送り込むことが重要で、ヤマメが潜んでいそうな岩陰や流れのヨレなどを丁寧に探ります。大型のヤマメを狙う場合は、道糸0.8号~1号といったやや太めの仕掛けも考慮に入れると良いでしょう。
鬼怒川中流域の豊富な水生昆虫は、ヤマメを大きく育てるとともに、フライフィッシングの絶好のターゲットとなるライズ(水面で捕食する行動)を頻繁に引き起こします。このライズを見つけて狙うのも、6月のヤマメ釣りの醍醐味の一つです。また、ヤマメとサクラマスが混在する可能性のある時期と場所では、予期せぬ大物との遭遇に備えたタックルバランスも重要になります。
ヤマメ釣りについては以下の記事も参考にしてみてください。
ヤマメ釣り完全ガイド!初心者向け釣り方4種と釣果アップの秘訣
アユ (Ayu) – 香魚の友釣りが解禁!生態と6月の付き場
その独特の香りから「香魚」とも呼ばれるアユは、日本の夏の風物詩であり、友釣りの対象魚として高い人気を誇ります。6月は鬼怒川でもアユ釣りが解禁され、多くの太公望で賑わいます。
生態と特徴
アユは1年で一生を終える年魚です。川で生まれ、一度海へ下り、春になると再び川を遡上します。川では主に石に付着する藻類を食べて成長し、縄張り意識が非常に強い魚です。この縄張り行動を利用した釣りが「友釣り」です。
6月の行動と狙い方
鬼怒川では、6月に入ると下流の区間から順次アユ釣りが解禁となります。解禁当初はまだ水温が上がりきっていない場合や、アユのサイズが小さいこともありますが、水温の上昇とともに活発にエサを食み、縄張りを作るようになります。6月後半から7月にかけては、25cmクラスの良型も期待できるようになります。
アユの付き場(いる場所)を見つけるには、川底の石をよく観察し、「ハミアト」と呼ばれるアユが藻を食べた跡を探すのが有効です。
- 友釣り (Tomozuri): 最も代表的なアユの釣り方です。生きたオトリアユを使い、野アユの縄張りに侵入させて攻撃行動を誘い、掛けバリに掛けるという非常にゲーム性の高い釣りです。専用の長い竿(8m~10m程度)や繊細な仕掛けが必要となります。オトリアユを弱らせないように優しく扱い、流れの中で自然に泳がせる技術が釣果を大きく左右します。
- アユルアー釣り (Ayu Lure Fishing): 近年、手軽にアユを狙える方法として注目されているのがアユルアー釣りです。鬼怒川の一部の漁協では、アユイング(アユのルアー釣り)専用区間や共用区間が設けられています。友釣りのようにオトリアユを扱う必要がないため、初心者でも比較的簡単に始められます。
鬼怒川の鮎釣りは、漁協によって解禁日や区域が細かく定められています。これは、アユの遡上状況や成長に合わせて釣りが楽しめるようにするための配慮であり、釣行前には必ず最新の情報を確認することが大切です。友釣りの技術は奥深く、一朝一夕にマスターできるものではありませんが、アユルアーという新たな選択肢も加わり、より多くの人がアユ釣りの魅力に触れられるようになっています。
アユ釣りについては以下の記事も参考にしてみてください。
鮎釣り完全ガイド:初心者向け釣り方4種と始め方、道具、コツを徹底解説!
ニジマス (Rainbow Trout) – 引きの強さが魅力!生態と6月のポイント
ニジマスは北米原産のサケ科の魚で、その力強い引きと美しい魚体から、世界中で人気のターゲットとなっています。鬼怒川でも、管理釣り場やキャッチ&リリース区間を中心に、本流でも釣れることがあります。
生態と特徴
ニジマスは比較的適応力が高く、ヤマメやイワナよりもやや高めの水温にも耐えることができます。食性も幅広く、水生昆虫、陸生昆虫、小魚、甲殻類など様々なものを捕食します。成長も早く、大型になりやすいのも特徴です。
6月の行動と狙い方
6月は水温も適度に上がり、ニジマスは活発にエサを追います。
- キャッチ&リリース(C&R)区間・管理釣り場: 鬼怒川上流の川治温泉C&Rエリアや、鬼怒川フィッシングエリアといった場所では、定期的にニジマスが放流されており、初心者でも比較的簡単に釣果を得やすいでしょう。これらの場所では、ルアーやフライフィッシングが主体で、シングルフック・バーブレスフックの使用が義務付けられていることが多いです。6月のC&R区間では、ヒレの綺麗な大型のニジマスが釣れることもあり、人気があります。
- 本流: 本流にもニジマスは生息しており、ヤマメなどと同じようなポイントで釣れることがあります。特に流れのある場所や深み、障害物の周りなどが狙い目です。過去には50cmを超える大型のニジマスが本流で釣れた記録もあります。
- 釣り方:
- ルアー釣り: スプーン、スピナー、ミノーなどが有効です。管理釣り場では、プレッシャーが高いため、ボトム(底)付近を狙うのが効果的な場合があります。
- フライフィッシング: ドライフライ、ウェットフライ、ニンフ、ストリーマーなど、様々なフライで狙えます。
- 餌釣り: ブドウムシ、ミミズ、イクラなどが定番のエサです。本流で大型を狙う場合は、しっかりとしたタックルで臨む必要があります。
鬼怒川では、初心者の方が手軽にニジマス釣りを楽しめる管理釣り場と、より自然に近い環境で大型の野生化したニジマスに挑戦できる本流やC&R区間が存在します。特にC&R区間では、質の高い魚が放流されていることも多く、釣りの技術を磨くのにも適しています。
ブラックバス (Black Bass) – ルアーフィッシングの人気ターゲット
ブラックバスは北米原産の魚で、日本でもルアーフィッシングの対象魚として絶大な人気を誇ります。鬼怒川にも生息しており、6月は活発に活動するシーズンです。
生態と特徴
ブラックバス(主にスモールマウスバスが鬼怒川では報告されています)は、流れのある場所や岩場、障害物周りを好みます。小魚や甲殻類、水生昆虫などを捕食する獰猛なフィッシュイーターです。
6月の行動と狙い方
6月はスポーニング(産卵)後の回復期にあたる個体が多く、体力を回復するために積極的にエサを追う時期です。水温もバスの活動に適しており、様々なルアーに反応が期待できます。
- ルアー: 鬼怒川での最近の釣果では、イッセイの「GCミノー75MR 村上シャッド」、ゲーリーヤマモトの「ヤマタヌキ」、バークレイの「クリッターホッグ」、ケイテックの「スイングインパクト アユカラー」などが使われています。 一般的に6月のバス釣りでは、トップウォータールアー(ペンシルベイト、ポッパーなど)、クランクベイト、スピナーベイトといった巻物系ルアー、そしてノーシンカーリグ、テキサスリグ、ドロップショットリグ、ネコリグなどのワームを使ったリグが有効です。
- ポイント: 流れ込み、テトラポッド帯、橋脚周り、岩盤エリア、ウィード(水草)エリア、倒木などのストラクチャー(障害物)が有望なポイントです。特に流れの変化がある場所や、ベイトフィッシュ(小魚)が集まる場所は重点的に探ると良いでしょう。
- アクション: トップウォータールアーであれば、水面で音を立てたり、波紋を出したりして誘います。ワーム系のリグでは、底をズル引きしたり、リフト&フォールさせたりと、状況に合わせてアクションを変えていきます。ミノーであれば、トゥイッチやジャークで魚にアピールします。
鬼怒川でブラックバスを狙う際は、流れの強弱や水深、ストラクチャーの種類など、ポイントの状況をよく観察し、それに適したルアーとアプローチを選択することが重要です。スモールマウスバスは特に流れを好む傾向があるため、本流の筋や流れが当たる岩盤などは有望なポイントとなります。
ブラックバス釣りについては以下の記事も参考にしてみてください。
【完全ガイド】スモールマウスバス釣りの始め方!初心者向け釣り方・ルアー・タックル徹底解説
ナマズ (Catfish) – 夜釣りのスリルも!
ナマズは日本在来の淡水魚で、ユーモラスな見た目とは裏腹に、ルアーへの豪快なバイト(食いつき)が魅力のターゲットです。特にトップウォータールアーへの反応が良く、水面が割れるエキサイティングな釣りを楽しめます。
生態と特徴
ナマズは夜行性で、日中は物陰に潜んでいることが多いですが、マズメ時(朝夕の薄暗い時間帯)や夜間、または雨後で水が濁った時などは日中でも活発に活動します。流れの緩やかな場所や、障害物の多い場所を好みます。
6月の行動と狙い方
6月はナマズの活性が高まる時期です。特に梅雨時期は雨による増水や濁りが発生しやすく、ナマズ釣りには好条件となることが多いです。
- ルアー: ナマズ釣りで最も人気があるのは、カップ系のノイジープラグ(ジッターバグタイプ)や、羽根モノ系のルアーです。これらは水面で音や波動を立ててナマズにアピールします。ジャッカルの「ナジーバグ」やスミスの「キャタピー」などが定番ルアーとして知られています。その他、スピナーベイトやクランクベイトも有効です。
- ポイント: 日中は、アシ際やテトラ帯、護岸の隙間、橋の下などのシェード(日陰)や流れが緩む瀬落ちのヒラキなどを狙います。夜間は、昼間隠れていた場所から出てきて、岸際の浅場や流れ込みなど、エサとなる小魚やカエルが集まる場所を積極的に探します。
- 釣り方: トップウォータールアーの場合、基本はただ巻きでOKです。ルアーが水面で音を立てながら泳ぐことでナマズを誘います。ナマズは捕食があまり上手ではないため、一度でフッキングしなくても、何度もアタックしてくることがあります。デイゲーム(日中の釣り)では、障害物の際ギリギリにルアーをキャストし、チョンチョンと動かして誘うのも効果的です。
- 夜釣りの注意点: 夜釣りは視界が悪いため、ヘッドライトは必須です。足場の確認を怠らず、安全には十分注意しましょう。また、ナマズは歯が鋭いため、ランディングの際はフィッシュグリップを使用すると安全です。ハリはバーブレス(カエシのないもの)にすると、魚へのダメージを軽減でき、手返しも良くなります。
ナマズ釣りは、その豪快なバイトシーンが一度味わうと病みつきになる魅力があります。特にトップウォータープラグを使った釣りは、初心者でも比較的簡単に楽しむことができるでしょう。
ナマズ釣りについては以下の記事も参考にしてみてください。
【ナマズ釣り初心者完全ガイド】始め方から釣り方のコツ、おすすめタックルまで徹底解説!
コイ (Carp) – 身近な大物釣りの代表格
コイは日本全国の河川や湖沼に生息する、身近でありながらもパワフルな引きで釣り人を楽しませてくれる魚です。鬼怒川にも多くのコイが生息しており、手軽なタックルで大物釣りの醍醐味を味わえます。
生態と特徴
コイは雑食性で、水底の泥と一緒に有機物や微生物を吸い込んだり、水生昆虫、甲殻類、植物性のエサなどを食べたりします。流れの緩やかな場所や、障害物のある場所、水深のある場所を好みます。
6月の行動と狙い方
6月は水温も上昇し、コイの活性も高い時期です。積極的にエサを探し回るため、比較的釣りやすいシーズンと言えます。
- 釣り方と仕掛け:
- ぶっこみ釣り: オモリとハリだけのシンプルな仕掛けで、エサを川底に沈めてアタリを待つ釣り方です。コイ用の吸い込み仕掛けも人気があります。吸い込み仕掛けは、団子状にした練りエサに数本のハリを埋め込み、コイがエサを吸い込んだ際にハリ掛かりさせる仕組みです。
- ウキ釣り: ノベ竿を使ったウキ釣りも、コイの力強い引きをダイレクトに味わえる魅力的な釣り方です。
- エサ: 練りエサ(市販のコイ用配合エサに水を加えて練ったもの)が一般的です。食パンやサツマイモ、ミミズなども有効なエサとなります。近年では、ボイリーと呼ばれる硬くてエサ持ちの良い専用のエサも使われます。
- ポイント: 流れが緩やかで水深のある場所や、杭や橋脚などのストラクチャー周り、水草の生えている場所などが狙い目です。鬼怒川下流域はコイが多いとされています。
コイ釣りは、身近な場所で手軽に大物とのファイトを楽しめるのが魅力です。パンやイモといった安価なエサでも十分に釣果が期待できるため、初心者にも始めやすい釣りと言えるでしょう。鬼怒川でのコイ釣りを紹介するテレビ番組も過去に放送されており、その人気の高さがうかがえます。
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イワナ (Iwana) – 源流の神秘的な住人
イワナは、ヤマメよりもさらに冷涼な水を好み、主に河川の最上流域や源流部に生息する神秘的な雰囲気を持つ魚です。その警戒心の強さと、美しい姿から多くの渓流釣り師を惹きつけてやみません。
生態と特徴
イワナは岩陰や倒木の下、滝壺などに潜むことを好み、ヤマメよりも障害物の多い場所を好む傾向があります。肉食性が強く、水生昆虫や陸生昆虫、小魚、カエル、時にはネズミなども捕食します。
6月の行動と狙い方
6月でも、イワナが生息する源流域は水温が低く保たれているため、活発にエサを追います。
- 釣り方: ヤマメと同様に、ルアーフィッシング、フライフィッシング、餌釣りが有効です。ただし、イワナはヤマメよりも障害物にタイトについていることが多いため、より正確なキャストとアプローチが求められます。
- ポイント: 鬼怒川では、本流の上流域や、流れ込む支流の源流部などが主なポイントとなります。砥川上流部での釣果報告もあります。これらのエリアはアクセスが困難な場合も多く、ある程度の体力と経験が必要となることもあります。
- 餌・ルアー・フライ: ヤマメと同様のものが使えますが、イワナはより底層を意識していることが多いため、ルアーであれば沈下速度の速いもの、フライであればニンフやストリーマー、餌釣りであれば川底を丁寧に探れるような仕掛けとオモリ使いが重要になります。
イワナ釣りは、美しい自然の中で、より野性味あふれる魚との出会いを求める釣り人に人気があります。その生息環境から、釣行には十分な準備と安全への配慮が不可欠です。
表1: 6月の鬼怒川ターゲット魚種一覧
魚種 | 平均サイズ | 特徴 | 6月の主な釣り方 | 狙いやすいエリア |
ヤマメ | 20-30cm (尺上、大型も期待) | 清流を好む、パーマークが美しい、引きが強い | 餌釣り、ルアー、フライ、テンカラ | 中流域、上流域 |
アユ | 15-25cm (後半に大型化) | 香魚、縄張り意識が強い、藻を食べる | 友釣り、アユルアー | 下流域から順次解禁、中流域 |
ニジマス | 30-50cm以上 (放流魚、大型も) | 引きが強い、適応力が高い | 餌釣り、ルアー、フライ | C&R区間、管理釣り場、本流の一部 |
ブラックバス | 25-40cm (スモールマウスバスも) | ルアーへの反応が良い、ストラクチャーを好む | ルアーフィッシング | 中流域、下流域の淀みやストラクチャー周り |
ナマズ | 40-60cm以上 | 夜行性、トップウォーターへの反応が良い、独特の捕食音 | ルアー(トップウォーター)、餌釣り(夜釣りがメイン) | 中流域、下流域の流れの緩い場所、障害物周り、夜間の浅場 |
コイ | 40-70cm以上 | 身近な大物、引きが強い、雑食性 | 餌釣り(ぶっこみ、吸い込み)、パンコイ | 中流域、下流域の流れの緩い場所、深み |
イワナ | 20-30cm (大型も) | 冷水を好む、岩陰に潜む、源流の神秘的な魚 | 餌釣り、ルアー、フライ、テンカラ | 上流域、源流部、支流 |
初心者でも安心!6月の鬼怒川 おすすめ釣りポイント徹底ガイド

広大な鬼怒川では、ポイント選びが釣果を左右する重要な要素となります。ここでは、初心者の方でも比較的アクセスしやすく、6月に実績のあるエリアを上流・中流・下流に分けてご紹介します。
上流域エリア:特徴とアクセス、注意点
鬼怒川の上流域は、山岳渓流の様相を呈し、手つかずの自然が残る美しいエリアです。水温が低く保たれるため、イワナやヤマメ、そして放流されたニジマスなどが主なターゲットとなります。
特徴と主なポイント
- 川治温泉C&R(キャッチ&リリース)エリア: 初心者や女性にも人気が高い釣り専用区です。五十里ダム下流の男鹿川と、川治ダムから小網ダムまでの鬼怒川区間が該当します。ヒレの綺麗な大型レインボーが人気で、ヤマメやイワナも放流されています。足場が比較的良く、トイレ施設も整備されている場所もあります。ルアー、フライ、テンカラ専用で、バーブレスフックの使用が義務付けられています。
- その他の上流域: 川治温泉よりさらに上流には、より自然度の高い渓流が広がります。八汐湖から川俣湖にかけての区間はイワナやヤマメの好ポイントが続きますが、釣り人の姿は比較的少ないとされています。
アクセス
- 川治温泉C&Rエリア: 車でのアクセスが一般的ですが、野岩鉄道の川治湯元駅も利用可能です。駐車場も整備されている場所があります。
- その他の上流域: ポイントによっては林道を車で進み、そこから徒歩で入渓する形となります。
注意点
- C&R区間のルール確認: 釣法(ルアー・フライ・テンカラ限定)、使用フック(シングルフック・バーブレス)、持ち物(ビク・クーラーボックス持ち込み禁止など)といったC&R区間独自のルールを必ず事前に確認し、遵守してください。
- ダムの放流: 五十里ダムでは環境維持のための放流が定期的に行われることがあり、放流中は川原への立ち入りや釣りが禁止されます。釣行前に放流情報を確認することが重要です。また、東京電力竹の沢発電所の工事に伴い、龍王峡上流から鬼怒川温泉街ふれあい橋までの区間で水位が上昇する可能性があるため注意が必要です。
- 足元と天候: 上流域は足場が悪い場所も多く、天候も変わりやすいため、しっかりとした装備と安全管理が求められます。
上流域は、手軽に楽しめるC&R区間から、本格的な渓流釣りが楽しめるエリアまで、多様な選択肢があります。特にC&R区間は、魚影が濃く、初心者でも釣果を得やすいため、ステップアップの場としても最適です。
中流域エリア:特徴とアクセス、注意点
鬼怒川の中流域は、川幅も広くなり、丸い石が転がる開けた河原が続くエリアです。アユやヤマメの魚影が濃く、特にヤマメ釣りはフライ、ルアー、エサ釣りと多様なスタイルで楽しめます。水生昆虫も豊富で、ヤマメのライズも頻繁に見られることから、フライフィッシャーにも人気の高いエリアです。
特徴と主なポイント
- 大谷川合流~佐貫堰堤: 鱒類の一級ポイントが多数存在し、特にこの区間が良いとされています。大谷川合流地点に車を停め、そこから徒歩で釣り下るのが一般的ですが、佐貫堰堤側からのアプローチも可能です。ただし、道が複雑なため事前の下見が推奨されます。6月はヤマメ、イワナ、サクラマスなどが期待できます。
- 大渡橋上付近: 栗山方面からの冷たい水が流れ込み、大型のヤマメやニジマスが育つ好条件が揃っています。周辺には観光用の吊り橋があり、その入り口付近に公衆トイレがあるという情報もありますが、釣り専用の施設かは不明です。4月にはヤマメやニジマスを釣る人の姿が見られたとの報告もあります。
- 氏家大橋~阿久津大橋: 大ヤマメのポイントが多いエリアですが、川幅が広いためポイント間の移動は車が便利です。浅瀬が多いため、深みを探して静かに攻めるのがコツです。特に阿久津大橋下は絶好のポイントですが、常に釣り人がいるため早朝が狙い目です。このエリアではブラックバスの釣果報告もあります。勝山城跡前の「ゆうゆうパーク」周辺もポイントの一つとして考えられます。
アクセス
- 北関東自動車道の真岡ICや東北自動車道の上河内SAスマートICなどを利用して鬼怒川本流へアクセスできます。各ポイントへは、国道や県道から河川敷へ降りる道を探す形になります。
注意点
- 川筋の変化: 鬼怒川本流は、台風や大雨の影響で毎年川筋が大きく変化します。前年の情報が必ずしも当てにならないため、釣行前の下見や、地元の釣具店などで最新の情報を収集することが非常に重要です。
- 釣り人の多さ: 人気ポイント、特に阿久津大橋下などは釣り人が多いことを覚悟しておく必要があります。先行者がいる場合は挨拶をし、十分な距離を取るなどマナーを守りましょう。
- 水位変動: 梅雨時期は雨による増水に注意が必要です。釣行前には必ず水位情報を確認しましょう。
中流域は、アクセスしやすいポイントから、少し歩いて入る秘境感のあるポイントまで様々です。情報収集と事前の準備をしっかり行うことで、素晴らしい釣果に恵まれる可能性があります。
下流域エリア:特徴とアクセス、注意点
鬼怒川の下流域は、川幅が一層広がり、流れも比較的穏やかになる区間が多くなります。一般的にはウグイやコイといった魚種のイメージが強いですが、実は大型のヤマメやニジマス、そしてサクラマスといったトラウト類が釣れる穴場的なポイントも存在します。また、6月からはアユ釣りのメインフィールドの一つとなります。
特徴と主なポイント
- 柳田大橋~中島橋(鬼怒大橋)周辺: この区間はアユ釣りの人気ポイントとして知られています。トラウト狙いの釣り人は少ないですが、ベストシーズンには大型ヤマメのライズが見られることもあり、サクラマスも遡上してきます。
- その他: ブラックバスやナマズ、コイなども下流域の広範囲に生息しており、これらの魚種を専門に狙うアングラーもいます。
アクセス
- 中流域と同様に、北関東自動車道の真岡ICなどが起点となります。国道や県道沿いに河川敷へアクセスできる場所が点在します。
注意点
- 川筋の変化とポイントの特定: 下流域も中流域と同様に、大雨などによって川筋が変わりやすいため、過去の情報が通用しない場合があります。広大なエリアの中から有望なポイントを見つけ出すには、入念な下見や情報収集が不可欠です。
- アユ釣りとの兼ね合い: 6月以降はアユ釣りの釣り人が多く入川します。トラウト類を狙う場合でも、アユ釣り師の邪魔にならないよう配慮し、ポイント選びや立ち位置に注意が必要です。
- サクラマスの回遊: サクラマスは本流筋を回遊するため、タイミングを逃すと釣果を得るのが難しい魚です。アユの解禁前に狙うのがセオリーとされています。
下流域は、トラウト狙いとしては情報が少なく、開拓要素の強いエリアと言えます。しかし、その分プレッシャーが低く、思わぬ大物との出会いがあるかもしれません。アユ釣りと合わせて楽しむのも良いでしょう。
C&R区間・管理釣り場情報
初心者の方や、手軽に確実に魚と出会いたい方には、キャッチ&リリース(C&R)区間や管理釣り場がおすすめです。これらの場所は魚影が濃く、足場も整備されていることが多いのが特徴です。
- 川治温泉C&Rエリア: おじか・きぬ漁協が管理するエリアで、五十里ダム下流の男鹿川と川治ダムから小網ダムまでの鬼怒川が対象です。ヒレが綺麗な大型のニジマスが人気で、ヤマメやイワナも放流されています。ルアー、フライ、テンカラ専用区で、バーブレスシングルフックの使用が義務付けられ、魚を持ち帰るためのビクやクーラーボックスの持ち込みは禁止です。冬季(11月~2月末)も釣りが楽しめます。アクセスは車が便利ですが、野岩鉄道の川治湯元駅からもアクセス可能です。駐車場やトイレも整備されている場所があります。
- 鬼怒川フィッシングエリア: 栃木県宇都宮市にある管理釣り場です。ニジマスを中心に、ブラウントラウト、ブルックトラウト、ヤシオマス、イワナ、ヤマメ、サクラマスなど多様なトラウトが放流されています。足場が良く、初心者でも安心して楽しめます。人的プレッシャーが高いため、ボトム(底)を丁寧に攻めるのが攻略の鍵とされています。
- その他のC&R区間: おじか・きぬ漁協管内には、三依地区に見通沢テンカラ専用C&Rエリアや入山沢フライフィッシング専用C&Rエリアなど、特定の釣法に特化したユニークな区間も存在します。
C&R区間や管理釣り場は、釣りの技術を磨いたり、手軽に魚との駆け引きを楽しんだりするのに最適な場所です。それぞれのエリアには独自のルールが定められているため、釣行前に必ず確認し、ルールを守って釣りを楽しみましょう。これらの場所で釣りの基本を学び、徐々に本流の自然渓流へとステップアップしていくのも良いでしょう。
表2: 鬼怒川主要釣りポイント概要
ポイント名 | 主な対象魚 | アクセスのしやすさ | トイレ有無 | 駐車スペース有無 | 初心者おすすめ度 | 特記事項・注意点 |
上流域 | ||||||
川治温泉C&Rエリア | ニジマス、ヤマメ、イワナ | 中~高 | あり | あり | ★★★★☆ | ルアー・フライ・テンカラ限定、バーブレスシングルフック必須、C&Rルール遵守、ダム放流注意 |
中流域 | ||||||
大谷川合流~佐貫堰堤 | ヤマメ、イワナ、サクラマス | 低~中(要徒歩) | 不明 | あり(合流点付近) | ★★☆☆☆ | 徒歩でのアクセス、道が複雑な場合あり、要下見、川筋変化注意 |
大渡橋上付近 | 大型ヤマメ、ニジマス | 中 | あり(観光用) | 不明 | ★★★☆☆ | 冷水流入ポイント、川筋変化注意 |
氏家大橋~阿久津大橋 | 大型ヤマメ、サクラマス、ブラックバス | 高 | 不明 | あり(場所による) | ★★★☆☆ | 広範囲、人気ポイントは早朝推奨、川筋変化注意 |
下流域 | ||||||
柳田大橋~中島橋 | アユ、コイ、ウグイ、大型ヤマメ、ニジマス | 高 | 不明 | あり(場所による) | ★★★☆☆ | アユ釣りメイン、トラウトは穴場、川筋変化注意 |
管理釣り場 | ||||||
鬼怒川フィッシングエリア | ニジマス等各種トラウト | 高 | あり | あり | ★★★★★ | 初心者向け、レンタルタックル等あり(要確認)、プレッシャー高め |
※トイレ・駐車スペースの有無は、公的な情報や複数の情報源で確認できたものを記載していますが、変更される可能性もあります。釣行前に最新情報をご確認ください。初心者おすすめ度はあくまで目安です。
【魚種別】初心者向け!6月の鬼怒川 釣り方完全マスター

6月の鬼怒川は多種多様な魚が狙えます。ここでは、主要な魚種別に、初心者の方でも挑戦しやすい釣り方やタックル、仕掛け、そして釣果アップのコツを解説します。
ヤマメ釣りの基本:餌・ルアー・テンカラ入門
清流の女王ヤマメは、その美しさとゲーム性の高さから多くの釣り人を魅了します。6月の鬼怒川では、活性の上がったヤマメを様々な方法で狙うことができます。
餌釣り
最もオーソドックスで、魚の食性をダイレクトに突く釣り方です。自然なエサの流れを演出することが釣果への近道となります。
- 道具(タックル):
- 竿: 5.3m~6.3m程度の渓流竿(硬さはお好みで。本流ではやや硬めも選択肢に入ります)。
- 道糸: ナイロンまたはフロロカーボンの0.4号~0.8号。40cmを超えるような大型ヤマメを視野に入れるなら0.8号~1号も検討しましょう。
- ハリス: 道糸より細い0.3号~0.6号程度。
- ハリ: ヤマメバリ6号~8号。大型狙いや大ぶりのエサを使う場合はフトコロの広いものが適しています。
- オモリ: ガン玉(B~5Bなど流れに合わせて調整)。ゴム張りタイプは糸を傷つけにくく着脱も容易です。
- 仕掛け: ミャク釣り仕掛けが基本です。道糸に目印を数個付け、ハリスを接続し、ハリを結びます。オモリはハリスの中間か、ハリから20cm~40cm上に打ちます。 (仕掛け図のアイデア: 竿先から目印、オモリ、ハリス、ハリへと繋がるシンプルなミャク釣り仕掛けのイラスト。各パーツの名称と標準的な号数や長さを記載)
- 餌:
- 川虫(カワムシ): キンパク、ヒラタ、クロカワムシなど、現地の川で採取できるものが最も効果的です。採取方法は、石をひっくり返して捕まえたり、川虫網を使ったりします。
- その他の餌: ミミズ、イクラ、ブドウ虫なども有効です。
- 餌の付け方: 川虫は頭部か尾部からハリ先を少し出すように刺します。イクラは2~3粒をハリに刺し、ミミズはチョン掛けか通し刺しにします。
- 流し方(釣り方): ヤマメがいそうなポイント(岩陰、流れのヨレ、瀬の落ち込み、泡の切れ目など)の少し上流に仕掛けを投入し、エサが自然に流れるように竿を操作します。これを「ナチュラルドリフト」と言います。オモリの重さを流れの速さに合わせ、エサが底波を漂うように調整するのがコツです。アタリは目印の動きで察知します。
ルアー釣り
ルアーを使って積極的にヤマメを誘い出すアクティブな釣り方です。
- 道具(タックル):
- 竿: 5フィート~7フィート程度のL(ライト)~UL(ウルトラライト)クラスのスピニングロッド。
- リール: 1000番~2500番クラスのスピニングリール。
- ライン: PEライン0.4号~0.8号にフロロカーボンリーダー4lb~8lb、またはナイロンライン3lb~6lb。
- ルアー:
- ヘビーシンキングミノー: 5cm~7cm程度。鬼怒川本流では特に実績が高く、リュウキ、ラクス、D-コンパクト、トリコロール流芯などが人気です。カラーはアユカラーやシルバー系などのナチュラル系を基本に、濁りがある場合はゴールド系やチャート系などのアピール系も用意しておくと良いでしょう。
- スプーン: 3g~7g程度。
- スピナー: 3g~5g程度。
- アクション(釣り方): ポイントに対しクロス(横方向)またはアップクロス(やや上流)にキャストし、ルアーを沈ませながらリトリーブ(巻いてくる)します。ミノーの場合は、連続的なトゥイッチ(竿先をチョンチョンと動かす)やジャークでヒラを打たせ、ヤマメの捕食スイッチを入れます。スプーンやスピナーは基本的にただ巻きでOKですが、時折リトリーブスピードに変化をつけたり、フォールさせたりするのも効果的です。初心者のうちは、まずルアーを底に根掛かりさせないように、表層から中層を意識して引いてくるのが良いでしょう。
テンカラ釣り
日本の伝統的な毛バリ釣法で、シンプルな道具立てで手軽に始められるのが魅力です。
- 道具(タックル):
- 竿: 3.3m~4.5m程度のテンカラ竿。
- ライン: レベルラインまたはテーパーライン。
- ハリス: 0.8号~1.5号程度。
- 毛鉤(けばり): ヤマメが捕食していそうな水生昆虫や陸生昆虫に似せたものを選びます。一般的なパターン(普通毛鉤)や、ハックル(鳥の羽)が逆向きに巻かれた逆さ毛鉤、ウェットタイプのソフトハックルなどが使われます。鬼怒川ではガガンボ、カゲロウ、トビケラなどの水生昆虫が多いため、これらを意識した毛鉤も有効です。
- キャストと誘い方(釣り方): 竿のしなりを利用して毛鉤をポイントに振り込みます。基本は毛鉤を自然に流すナチュラルドリフトですが、時には竿先を小さく動かして誘いをかけることもあります。流れの筋や岩周り、巻き返しなどを丁寧に探ります。
ヤマメ釣りは、どの釣法を選ぶかによって楽しみ方が大きく変わります。初心者はまず一つの釣法に絞って基本をマスターし、徐々に他の釣法にも挑戦していくのが良いでしょう。特に餌釣りとテンカラ釣りにおいては、エサや毛鉤をいかに自然に流せるかが釣果を分ける鍵となります。
アユの友釣りに挑戦!おとりアユの扱いから取り込みまで
6月の鬼怒川の風物詩ともいえるアユの友釣り。縄張りを持つアユの習性を利用したこの釣りは、独特の駆け引きが魅力です。初心者には少し敷居が高いかもしれませんが、基本を抑えれば十分に楽しめます。
- 友釣りの魅力と基本タックル: 友釣りは、オトリアユ(おとり鮎)と呼ばれる生きたアユを操作し、野アユの縄張りに侵入させて野アユの攻撃を誘い、掛けバリに掛けるという日本伝統の釣法です。
- 竿: 8m~10mといった非常に長い専用竿を使用します。
- 仕掛け: 天井糸、水中糸、ハナカン、逆さ針、掛け針(イカリ針やチラシ針)など、非常に繊細で複雑な構成です。市販の完成仕掛けを利用するのが初心者には便利です。
- おとりアユの選び方と操作方法: 釣果を大きく左右するのがオトリアユの元気さです。釣具店やオトリ店で購入する際は、弱っていない活きの良いアユを選びましょう。 オトリアユの操作は、基本的には川の流れに乗せて自然に泳がせるのがコツです。上流から下流へオトリを送り込む「引き釣り」や、オトリに自由に泳がせる「泳がせ釣り」といったテクニックがあります。竿の角度や糸の張り具合でオトリをコントロールし、野アユがいそうな石周りや瀬を攻めます。
- アタリと取り込み: 野アユがオトリアユにアタックしてくると、竿先に明確なアタリが伝わります。アタリがあったら、慌てずに竿を立てて寄せます。取り込み方は、初心者にはまず「引き寄せ」がおすすめです。これは、掛けたアユを水面を滑らせるように手元まで寄せてタモ網で掬う方法です。慣れてくると、アユを空中へ引き抜いてタモでキャッチする「引き抜き」というダイナミックな取り込み方もできるようになります。
友釣りは「1にポイント、2にオトリ」と言われるほど、ポイント選びとオトリアユの管理が重要です。近年では、オトリアユを使わないアユルアー釣りも登場し、鬼怒川の一部エリアでは楽しむことができます。これは友釣りに比べて手軽に始められるため、初心者の方にはこちらから試してみるのも良いかもしれません。
ブラックバスをルアーで狙う!
鬼怒川では、ルアーフィッシングの人気ターゲットであるブラックバスも釣ることができます。特に6月は産卵後の回復期にあたり、活発にエサを追う個体が多い好シーズンです。
- 6月におすすめのルアーとリグ: 鬼怒川での実績ルアーとしては、イッセイの「GCミノー75MR 村上シャッド」、ゲーリーヤマモトの「ヤマタヌキ」、バークレイの「クリッターホッグ」、ケイテックの「スイングインパクト アユカラー」などが挙げられます。 一般的に6月のバス釣りでは、水面を意識したバスに有効なトップウォータールアー(ペンシルベイト、ポッパーなど)、広範囲を探れるクランクベイトやスピナーベイト、そして食わせ能力の高いワームを使ったリグ(ノーシンカーリグ、テキサスリグ、フリーリグ、ダウンショットリグ、ネコリグなど)が効果的です。
- ポイントの選び方と基本的な誘い方: バスはストラクチャー(障害物)に付く習性があるため、流れ込み、アシ際、倒木、岩盤、橋脚、テトラポッド、ウィード(水草)エリアなどが狙い目です。川の流れの変化点や、ベイトフィッシュ(小魚)が溜まりやすい場所も有望です。 釣り方の基本は、まずトップウォータールアーで表層を探り、反応がなければ徐々にレンジ(水深)を下げて中層、底層へと探っていくのがセオリーです。ワームの場合は、ズル引きやリフト&フォール、シェイキングなどで誘います。ミノーはトゥイッチやジャークを交えてアピールしましょう。
鬼怒川では、主にスモールマウスバスが釣れることが多く報告されています。スモールマウスバスは流れを好み、岩盤エリアなどに付いていることが多いので、そういった場所を重点的に狙ってみると良いでしょう。
ナマズゲーム入門:デイゲームと夜釣りのコツ
ナマズは、その愛嬌のある姿からは想像もつかないような豪快なバイトで楽しませてくれる魚です。特にトップウォータールアーへの反応は格別で、水面が爆発するようなエキサイティングな釣りが体験できます。
- ナマズ用ルアーと釣り方のバリエーション: ナマズ釣りの定番ルアーは、水面で音や波紋を立ててアピールするノイジー系のトップウォータールアーです。カップで水を掻き回すタイプ(ジッターバグタイプ)や、羽根が付いていてバタバタと泳ぐタイプ(クローラーベイト)などがあります。スミスの「キャタピー」やジャッカルの「ナジーバグ」などが有名です。日中はスピナーベイトやクランクベイトなども有効です。 日中の釣り(デイゲーム)では、アシ際や護岸際、橋の下などのシェード(日陰)や、流れが緩んでいる瀬の落ち込みなどを狙います。夜釣りでは、ナマズが活発にエサを探して浅場に出てくるため、岸際や流れ込みなどが好ポイントとなります。
- 安全な夜釣りのための注意点: 夜釣りは日中と比べて危険が伴います。必ずヘッドライトを装着し、足元や周囲の安全を十分に確認しながら釣りをしましょう。事前に釣り場の状況を下見しておくことも大切です。ナマズは歯がヤスリ状になっているため、ハリを外す際はフィッシュグリップやプライヤーを使用すると安全です。また、ナマズの皮膚はデリケートなので、地面に直接置かず、濡らした草の上などに置くようにしましょう。ハリはカエシのないバーブレスフックを使用すると、魚へのダメージを最小限に抑えられます。
ナマズは意外と身近な場所に潜んでいます。鬼怒川でも、特に流れの緩やかな場所や水路などで出会える可能性があります。トップウォータールアーに「バフッ!」と激しくアタックしてくる瞬間は、一度体験すると忘れられない興奮があります。
コイ釣りの手軽な楽しみ方:ぶっこみ釣りと吸い込み仕掛け
コイは日本全国の河川や湖沼に生息し、その力強い引きから手軽な大物釣りの対象魚として親しまれています。鬼怒川にも多くのコイが生息しており、初心者でも比較的簡単に楽しむことができます。
- 仕掛けと餌の準備: コイ釣りの代表的な仕掛けは、「ぶっこみ釣り」と「吸い込み仕掛け」です。
- ぶっこみ釣り: オモリとハリス、ハリだけのシンプルな仕掛けで、エサを川底に沈めてアタリを待ちます。エサには食パン、サツマイモ、ミミズ、市販のコイ用練りエサ、近年ではボイリーと呼ばれる専用の固形エサも使われます。
- 吸い込み仕掛け: ラセン状のオモリに団子状の練りエサを付け、その周りに数本のハリを埋め込んで使用します。コイがエサを吸い込んだ際にハリ掛かりさせる仕組みです。
- ポイントと釣り方: 流れの緩やかな場所や水深のある場所、橋脚周りや水草の際などが好ポイントです。鬼怒川下流域はコイが多いとされています。仕掛けを投入したら、竿先に鈴を付けてアタリを待つのが一般的です。コイが掛かると竿先が大きく引き込まれたり、鈴が鳴ったりします。
コイ釣りは、身近な食材をエサに手軽に始められるのが魅力です。鬼怒川でも、のんびりと大物とのやり取りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
ニジマス・イワナを効率よく釣る方法
ニジマスとイワナは、ヤマメと並んで鬼怒川で人気の高い渓流魚です。それぞれ好む環境や習性が若干異なるため、効率よく釣るためにはその違いを理解することが大切です。
- ニジマス: 比較的適応力が高く、本流のやや開けた流れや、C&R区間、管理釣り場などでよく釣れます。引きが強く、ジャンプなどの派手なファイトも魅力です。ルアーではスプーンやミノー、スピナー、餌釣りではブドウムシやイクラなどが有効です。本流で大型のニジマスを狙う場合は、流れの筋や深みなどを丁寧に探ります。管理釣り場では、放流直後は派手なカラーのスプーンに高反応を示すことが多いですが、スレてくるとナチュラルカラーの小型ルアーやボトム系のルアーが効果的になることがあります。
- イワナ: ヤマメよりも冷水を好み、岩陰や倒木の下、滝壺といった障害物の多い場所に潜んでいます。鬼怒川では上流域や支流の源流部などが主なポイントとなります。警戒心が非常に強いため、ポイントに近づく際は物音を立てず、慎重にアプローチすることが重要です。ルアーやフライ、餌(川虫など)で狙いますが、障害物の奥へ正確に送り込む技術が求められます。
ニジマスは比較的釣りやすく、初心者にもおすすめです。一方、イワナはより奥深い自然の中で、知恵比べのような釣りを楽しみたい方に向いていると言えるでしょう。どちらの魚も、それぞれの魅力があり、鬼怒川の豊かな自然の中で素晴らしい時間を提供してくれます。
快適・安全な釣行のために!鬼怒川釣りの準備とルール

楽しい釣りは、しっかりとした準備と安全管理、そしてルールとマナーの遵守があってこそ成り立ちます。ここでは、鬼怒川での釣行を快適かつ安全に楽しむためのポイントを解説します。
釣行前にチェック!必須の持ち物リストと服装
釣りの種類や季節によって必要なものは異なりますが、ここでは6月の鬼怒川釣行で共通して役立つ持ち物と服装の基本をご紹介します。
- 必須の持ち物リスト:
- 釣り道具一式: 竿、リール、仕掛け(道糸、ハリス、オモリ、ハリ)、ルアーまたは餌
- タモ網(ランディングネット): 取り込みに必須です。
- プライヤーまたはフォーセップ: 針を外す際に使用します。
- ハサミ: 糸を切るのに使います。
- クーラーボックス: 釣った魚を持ち帰る場合や、飲み物・食べ物を保冷するのに役立ちます。
- 遊漁券: 必ず事前に購入し、携帯しましょう(詳細は後述)。
- 帽子: 日差し対策、頭部の保護。
- 偏光サングラス: 水面のギラつきを抑え、水中を見やすくするだけでなく、目の保護にもなります。
- レインウェア: 6月は梅雨時期なので、急な雨に備えて必ず用意しましょう。
- 飲み物・食べ物: 熱中症対策として水分補給はこまめに行いましょう。
- タオル: 手を拭いたり、汗を拭いたりするのに便利です。
- ゴミ袋: 出たゴミは必ず持ち帰りましょう。
- 日焼け止め、虫除けスプレー: 特に夏場は必須です。
- 常備薬、絆創膏などの応急処置セット。
- ライフジャケット: 万が一の落水に備え、必ず着用しましょう。
- 服装:
- 6月の日中は気温が上がりますが、朝晩は冷え込むことがあります。また、天候が変わりやすいため、重ね着で体温調節ができる服装が基本です。
- 速乾性のある長袖・長ズボン: 日焼け対策、虫刺され対策、怪我防止になります。
- 滑りにくい靴: 川原や濡れた岩場は滑りやすいため、ウェーディングシューズやグリップ力の高いアウトドアシューズを選びましょう。
- ウェーダー(胴長): 川の中に入って釣りをする場合に必要です。
これらの持ち物や服装は、安全で快適な釣りを楽しむための基本です。釣行前にしっかりと準備を整えましょう。
遊漁券はどこで買う?種類と料金、購入方法まとめ
日本の多くの河川で釣りをする際には、「遊漁券(ゆうぎょけん)」の購入が必要です。これは、河川の環境保全や魚の放流事業などに充てられるもので、鬼怒川も例外ではありません。鬼怒川は管轄する漁業協同組合(漁協)が複数あり、釣りをするエリアによって必要な遊漁券が異なります。
- 鬼怒川漁業協同組合(鬼怒川漁協): 主に鬼怒川の中流から下流域を管轄しています。
- 魚種と料金の例: アユの日釣り券は2,700円程度が目安です。ヤマメやイワナ、ニジマスなどを対象とした渓流魚の遊漁券もあります。年券と日釣券があり、魚種や対象魚の大きさによって料金が異なる場合があります。詳細は漁協の公示する遊漁規則で確認が必要です。
- 購入場所: 地元の釣具店(例: かとう釣具店)、コンビニエンスストア、オンライン(フィッシュパス、つりチケなど)で購入可能です。
- おじか・きぬ漁業協同組合: 主に鬼怒川の上流域(川治温泉C&Rエリアなど)や男鹿川を管轄しています。
- 料金の例(2025年度): 全魚種年券10,000円、渓流魚年券8,000円、全魚種一日券3,000円(現場売り5,000円)、渓流魚一日券2,000円(現場売り4,000円)などがあります。中学生以下無料、身体障害者・70歳以上・女性割引などもあります。
- 購入場所: 漁協事務所、取扱釣具店、オンライン(フィッシュパス、つりチケなど)で購入可能です。
- その他の漁協: 鬼怒川の最上流域や支流によっては、栗山村漁協や川俣湖漁協などが管轄している場合があります。
遊漁券購入の際の注意点:
- 釣行前に必ず、釣りをするエリアを管轄する漁協と、必要な遊漁券の種類・料金を確認しましょう。
- 遊漁券は必ず釣りを始める前に購入し、釣りをしている間は見える場所に携帯(装着)してください。
- 漁協によっては、現場売り(監視員からの購入)の場合、通常料金よりも割高になることがあります。
- 年券を購入する場合は、氏名・住所・年齢などを正確に記入する必要があります。
遊漁券の収益は、貴重な釣り場環境の維持や魚族資源の保護に役立てられています。ルールを守って遊漁券を購入し、気持ちよく釣りを楽しみましょう。
鬼怒川の釣りルールとマナー:気持ちよく楽しむために
鬼怒川で釣りを楽しむためには、漁業協同組合が定める遊漁規則や、釣り人としての基本的なマナーを守ることが大切です。これらを守ることで、自分自身も周囲の釣り人も、そして自然環境も気持ちよく過ごすことができます。
主なルール(漁協により細部は異なります):
- 禁止されている漁法: 爆発物・有毒物の使用、電流の使用、瀬干し、やす・もり・水中銃の使用、引っかけ釣り(ギャング釣り)、撒き餌(コマセ)の禁止(特にアユ釣りや渓流釣り)など、多くの禁止漁法があります。
- 漁具の制限: 使用できる竿の長さや本数、ハリの数や種類(C&R区間ではバーブレスシングルフック限定など)、リールの使用可否(テンカラ専用区など)が定められている場合があります。
- 遊漁期間と時間: 魚種ごと、区域ごとに釣りが可能な期間(解禁日~禁漁日)や時間が定められています。例えばアユのドブ釣りは日の出から日没までといった制限があります。
- 全長制限(持ち帰りサイズ制限): ヤマメやイワナ、コイなど、一定サイズ以下の魚の持ち帰りを禁止している場合があります。
- キャッチ&リリース: C&R区間では、釣った魚は全て速やかにリリースすることが義務付けられています。リリースする際は、魚にダメージを与えないよう、濡れた手で優しく扱い、水から上げる時間を最小限にしましょう。ブラックバスなど一部の外来魚はリリースが禁止されている場合もあります。
- 持ち物制限: C&R区間では、魚を持ち帰るためのビクやクーラーボックスの持ち込みが禁止されていることがあります。
- 場所取りの禁止: 杭やロープ、置き竿などによる長時間の場所取りは禁止されています。
守りたい釣りマナー:
- 先行者優先: 先に釣りをしている人がいたら、その人の邪魔にならないように十分な距離を空け、声をかけてから釣りを始めましょう。
- ゴミは必ず持ち帰る: 釣り糸の切れ端、空き缶、弁当の容器など、自分が出したゴミは全て持ち帰りましょう。美しい釣り場を未来に残すために大切なことです。
- 騒音に注意: 大声で騒いだり、オーディオを大音量で鳴らしたりするのは控えましょう。特に早朝や民家が近い場所では配慮が必要です。
- 安全確認: キャストする際は、周囲に人がいないか、頭上に電線などがないか必ず確認しましょう。
- 魚の扱い: 持ち帰らない魚は、できるだけダメージを与えないように速やかにリリースしましょう。
- 漁具・漁船への配慮: 漁業者の網やロープ、停泊している船などには近づかないようにしましょう。
- 釣り場の清掃: 釣りが終わったら、自分の釣り座周りをきれいにしましょう。エサの残りカスなども持ち帰るのがマナーです。
これらのルールやマナーは、鬼怒川の豊かな自然と釣り文化を守り、誰もが安全で楽しく釣りをするために非常に重要です。釣行前には必ず管轄漁協の遊漁規則を確認し、常に周囲への配慮を忘れずに釣りを楽しみましょう。
釣行判断に役立つ!鬼怒川の水位情報とライブカメラ
安全で快適な釣行のためには、事前に川の状況を把握することが非常に重要です。特に梅雨時期の6月は、天候が不安定で川の水位が急に変動することもあります。
水位情報の確認方法:
- 国土交通省「川の防災情報」: 全国の河川の水位、雨量、ダム情報などをリアルタイムで提供しているウェブサイトです。鬼怒川についても複数の観測所のデータが公開されており、現在の水位や過去からの変化をグラフなどで確認できます。
- 見方のポイント:
- 観測所ごとの水位: 鬼怒川には「佐貫(下)」、「石井」、「川島」、「鬼怒川水海道」など、複数の水位観測所があります。釣行予定のエリアに近い観測所のデータを確認しましょう。
- 平常水位との比較: 現在の水位が平常時と比べてどの程度増減しているかを確認します。例えば、「平水よりも15cm高」といった情報が参考になります。
- 水位危険度レベル: 「水防団待機水位」「氾濫注意水位」「避難判断水位」「氾濫危険水位」といった基準水位が設定されており、現在の水位がどのレベルにあるかを確認できます。これらのレベルを超えている場合は、釣行を控えるべきです。
- 水位グラフ: 時間ごとの水位変化をグラフで見ることで、増水傾向にあるのか減水傾向にあるのかを把握できます。急激な水位上昇が見られる場合は特に注意が必要です。
- 釣りでの活用法:
- 釣行前日や当日の朝に必ず確認し、安全な水位であるか判断します。
- 急な増水は非常に危険です。少しでも危険を感じたら釣りを中止し、速やかに安全な場所に避難しましょう。
- 水位の増減は魚の活性や付き場にも影響を与えるため、釣りの戦略を立てる上でも参考になります。例えば、増水で濁りが入った直後は魚の警戒心が薄れることもありますが、あまりに増水・濁りがひどいと釣りになりません。
- 見方のポイント:
- 釣具店のブログやSNS: 地元の釣具店(例: かとう釣具店)などが、ブログやSNSで毎日のように鬼怒川の水位や濁りの状況、釣果情報を発信している場合があります。これらの情報は、リアルタイムの現地の状況を知る上で非常に役立ちます。
- ライブカメラ: 国土交通省や一部の漁協などが、河川の様子をライブカメラで配信していることがあります。映像で直接川の状況を確認できるため、水位データと合わせて参考にすると良いでしょう。
釣行日の天候予報だけでなく、前日までの降雨状況や上流域の天候も川の水位に影響します。常に最新の情報を確認し、無理のない安全な釣行計画を立てることが最も重要です。
【初心者向けQ&A】鬼怒川の釣りをもっと楽しむために
初めて川釣りをする方や、鬼怒川での釣りが初めてという方のために、基本的な疑問にお答えします。
初めての川釣り、基本の道具と仕掛けは?
川釣りを始めるにあたって、まずは基本的な道具を揃える必要があります。対象魚や釣り方によって専門的な道具も多くありますが、ここでは初心者の方が最初に揃えやすい汎用的なものを中心にご紹介します。
- 竿(さお):
- のべ竿: リールを使わないシンプルな竿で、扱いやすく初心者向けです。長さは釣り場や対象魚によって選びますが、川幅がそれほど広くない場所での小物釣りであれば、3m~5m程度のものが一般的です。持ち運びに便利な振り出し式(テレスコピック)がおすすめです。
- リール竿(スピニングタックル): ルアー釣りや、より遠くへ仕掛けを投げる必要がある場合に用います。初心者の場合は、扱いやすいスピニングリールと、それに対応したスピニングロッドのセットから始めると良いでしょう。長さは6フィート(約1.8m)~7フィート(約2.1m)程度で、硬さはL(ライト)~ML(ミディアムライト)クラスが汎用性が高いです。
- リール(スピニングリールの場合): 2000番~2500番程度のスピニングリールが扱いやすく、様々な釣りに対応できます。最初から高価なものである必要はありません。
- 道糸(みちいと): 竿と仕掛けを繋ぐメインのラインです。のべ竿の場合はナイロンの0.8号~2号程度。リール竿の場合はナイロンの4lb~8lb(1号~2号相当)や、PEラインの0.6号~1号程度にリーダーを接続して使用します。
- 仕掛け:
- ウキ釣り仕掛け: ウキ、オモリ、ハリス(ハリを結ぶ糸)、ハリがセットになったものが市販されており、初心者には簡単で便利です。対象魚によってハリのサイズや種類を選びます。
- ルアー: 狙う魚種に合わせたルアー(スプーン、スピナー、ミノーなど)を用意します。最初は数種類あれば十分です。
- 餌(えさ): 餌釣りの場合、ミミズや川虫、練りエサ、イクラなどが使われます。虫エサが苦手な方は、練りエサから始めても良いでしょう。
- その他:
- ハサミ、プライヤー(針外し用)
- タモ網(釣れた魚をすくう網)
- クーラーボックス(釣った魚や飲み物を入れる)
- ライフジャケット(安全のため必ず着用)
- 帽子、偏光サングラス
- 雨具
最初は釣具店で初心者向けのセット商品を購入するのも一つの方法です。店員さんに相談しながら、自分のやりたい釣りや予算に合わせて道具を選びましょう。
スピニングリールの基本的な投げ方(キャスティング)
ルアーフィッシングや遠投が必要な釣りで使うスピニングリール。正しい投げ方を覚えれば、狙ったポイントへ正確に仕掛けを届けることができます。
- 準備(タラシの調整): 竿先からルアー(または仕掛けの先端)までのラインの長さを30cm~50cm程度にします。この部分を「タラシ」と呼びます。最初は短め(30cm程度)から始めると投げやすいでしょう。
- リールの操作とラインの保持: 利き手でリールフット(リールを竿に取り付ける部分)と竿を一緒に握ります。人差し指の先端にラインをかけ、リールのベールアーム(ラインが出ていくのを止めている金具)を起こしてフリーの状態にします。
- 周囲の安全確認: 投げる前に、必ず後方や周囲に人がいないか、障害物がないかを確認します。安全第一です。
- 振りかぶり(テイクバック): 周囲の安全が確認できたら、ルアーの重さを感じながら、竿をゆっくりと後方に振りかぶります。時計の針で言うと、10時~11時くらいの位置まで竿先を持っていくイメージです。
- キャスト(フォワードキャスト): 狙うポイントに照準を合わせ、竿のしなりを利用して、竿先を前方に振り抜きます。この時、利き手を押し出し、反対の手で竿尻を強く手前に引き込むようにすると、竿がよく曲がり、ルアーが遠くへ飛びます。
- ラインの放出(リリース): 竿が頭上を通過し、前方に倒れ始めるタイミング(時計の針で1時~2時くらいの位置)で、ラインをかけていた人差し指を離します。この指を離すタイミングが飛距離と正確性を左右する最も重要なポイントです。
- 指を離すのが遅すぎるとルアーは手前に落ちてしまい、
- 早すぎるとルアーは上に飛んでいってしまいます。
- フォロースルー: ルアーが飛んでいく方向に合わせて竿先を向け、自然に振り抜きます。
- フェザリング(サミング): ルアーが着水する直前に、スプール(リールの糸が巻いてある部分)の縁に軽く人差し指を触れてラインの出を調整し、余分な糸フケ(ラインスラック)が出ないようにします。これにより、着水後のライントラブルを防ぎ、ルアーのアクションもスムーズになります。
- ベールを戻す: ルアーが着水したら、すぐにリールのベールアームを元の位置に戻し、リトリーブ(巻き取り)を開始できる状態にします。
最初は力を入れすぎず、竿の反発力を利用することを意識して練習しましょう。何度も繰り返すうちに、自然とタイミングが掴めてくるはずです。安全な広い場所で練習することをおすすめします。
釣り糸の結び方:覚えておきたい基本ノット
釣りにおいて、糸とハリ、糸とルアー、糸と糸などを結ぶ「ノット」は非常に重要です。結び方が悪いと、魚が掛かった時に簡単に切れてしまったり、すっぽ抜けたりしてしまいます。ここでは、初心者の方がまず覚えておきたい基本的な結び方をいくつか紹介します。図解や動画で解説しているウェブサイトも多いので、合わせて参考にするとより分かりやすいでしょう。
- クリンチノット (Clinch Knot) / ダブルクリンチノット (Double Clinch Knot): ルアーやスイベル(ヨリモドシ)、ハリなどの金具(アイ)に糸を結ぶ際の基本的な結び方です。比較的簡単に結べて強度もそこそこあるため、多くの釣りで使われます。ダブルクリンチノットは、糸をアイに2回通すことで強度を高めた結び方です。 (結び方手順の例 – ダブルクリンチノット)
- 糸の先端を金具のアイに2回通し、ループを作ります。
- 本線に糸の先端を5回程度巻き付けます。
- 最初に作ったループに糸の先端を通します。
- さらに、今できた輪にもう一度糸の先端を通します。
- 本線と糸の先端をゆっくりと引き締めて完成です。
- ユニノット (Uni Knot): これも金具に糸を結ぶ際によく使われる結び方で、クリンチノットと同様に比較的簡単で信頼性があります。ルアーの動きを妨げにくいループノットとしても応用できます。 (結び方手順の例)
- 糸を金具のアイに通し、折り返して本線に沿わせます。
- 糸の先端で輪を作り、その輪の中に本線と糸の先端を一緒に5回程度巻き付けます。
- 糸の先端をゆっくりと引き、結び目を締めます。
- 最後に本線を引き、結び目を金具までスライドさせて固く締め込みます。
- 電車結び (Blood Knot / Double Uni Knot): 道糸とハリスなど、太さの異なる2本の糸同士を直線的に結ぶのに適した結び方です。それぞれの糸でユニノットを作り、互いを引き締めるようにして結びます。 (結び方手順の例)
- 2本の糸の先端を15cmほど重ね合わせます。
- 一方の糸の先端で、もう一方の糸にユニノットの要領で5回程度巻き付けて軽く締めます。
- もう一方の糸の先端でも、同様にもう一方の糸に5回程度巻き付けて軽く締めます。
- 両方の本線を引き、2つの結び目をしっかりと引き締めて完成です。余分な糸はカットします。
- FGノット (FG Knot): PEラインとショックリーダー(フロロカーボンやナイロンのリーダー)を結ぶ際に最も信頼性が高く、強力なノットの一つです。結び目が小さく、ガイド抜けが良いのが特徴ですが、習得には少し練習が必要です。
これらのノットは、釣りの基本となるものです。最初は難しく感じるかもしれませんが、練習すれば必ず習得できます。釣行前に家で練習しておくことをお勧めします。結び方を解説した動画も多数ありますので、参考にしながら確実に結べるようにしましょう。
釣行後の道具の手入れと保管方法
釣り道具は、釣行後に適切なお手入れをすることで長持ちさせることができます。特に川釣りでは、砂や泥、魚のヌメリなどが付着しやすいため、丁寧なメンテナンスが重要です。
- 竿(ロッド):
- ガイドなしのべ竿(鮎竿、渓流竿など): 上栓と下栓を外し、節を一本ずつ分解します。流水で砂や汚れを洗い流し、乾いた布で水分を拭き取ります。その後、風通しの良い日陰で完全に乾燥させます。竿の内側に水分が残っていると塗装を傷める原因になるので注意が必要です。
- ガイド付きリール竿(ルアーロッドなど): 基本的には真水かぬるま湯で全体の汚れを洗い流します。特にガイド周りやリールシート部分は塩分や汚れが残りやすいので、歯ブラシなどを使って丁寧に洗浄します。その後、乾いた布で水分を拭き取り、風通しの良い日陰で乾燥させます。
- コーティング剤: 乾燥後、竿用の撥水コーティング剤(例: ボナンザ)を薄く塗布しておくと、汚れが付きにくくなり、撥水効果も得られます。ただし、竿のコミ部分(継ぎ目)には塗らないように注意しましょう。
- リール:
- 表面の汚れを水で湿らせた布で拭き取ります。スプールやラインローラー部分に砂などが付着している場合は、軽く水で洗い流し、すぐに水分を拭き取って乾燥させます。
- 釣行後はドラグを少し緩めて保管すると、ドラグワッシャーのヘタリを防ぐことができます。
- 定期的に専用のオイルやグリスを注油することで、回転性能を維持し、寿命を延ばすことができます。
- ルアー:
- 使用したルアーは、真水で洗い、フックやボディに付いた汚れや魚のヌメリを落とします。その後、風通しの良い場所で陰干しして完全に乾燥させます。
- フックが錆びていたり、ハリ先が鈍っていたりする場合は交換しましょう。
- 高温になる場所や直射日光の当たる場所での保管は、ルアーの変形や塗装の劣化を引き起こす可能性があるので避けましょう。
- ウェーダー・レインウェア:
- 表面の泥や汚れを水で洗い流します。汚れがひどい場合は、中性洗剤を使って手洗いし、よくすすぎます。
- 洗濯後は、風通しの良い日陰で裏返したりしながら完全に乾燥させます。生乾きのまま保管するとカビや劣化の原因になります。
- ウェーダーのブーツ内部などは乾きにくいので、新聞紙を詰めたり、専用の乾燥機を使用したりするのも効果的です。
- その他小物類: ハサミやプライヤーなどの金属製の小物は、水分をよく拭き取り、必要であれば防錆油を薄く塗っておくと錆びにくくなります。
釣行後の少しの手間が、大切な道具を長持ちさせ、次回の釣りを快適にするための秘訣です。
鬼怒川釣行をもっと楽しむ!周辺情報
鬼怒川での釣りは、豊かな自然と素晴らしい魚たちとの出会いが魅力ですが、釣りの合間や釣行後に立ち寄れるスポットも知っておくと、さらに充実した一日を過ごせます。
釣りの後に立ち寄りたい!鬼怒川・川治温泉の魅力
鬼怒川はその名の通り、流域に鬼怒川温泉や川治温泉といった有名な温泉地を抱えています。
一日の釣りの疲れを癒すには、温泉は最高の選択肢の一つです。日帰り入浴が可能な施設も多く、釣りの後に汗を流し、ゆっくりと体を温めることができます。
特に川治温泉周辺には、男鹿川C&Rエリアや川治温泉C&Rエリアといった釣り専用区もあり、釣りと温泉をセットで楽しむには絶好のロケーションです。
美しい渓谷を眺めながらの露天風呂は格別で、釣りの思い出とともに心身ともにリフレッシュできるでしょう。食事処やお土産店も充実しており、釣りの余韻に浸りながら地元の味覚を楽しむのもおすすめです。
地元の釣具店:情報収集と交流の場
鬼怒川周辺には、釣りの情報収集や道具の調達に便利な釣具店が点在しています。特に「かとう釣具店」は、鬼怒川の鮎釣り情報を中心に、水位や天候などの最新情報をブログ(「今日の鬼怒川」)でこまめに発信しており、釣り人にとって貴重な情報源となっています。
こういった地元の釣具店では、その日の川の状況や釣れているポイント、おすすめのルアーやエサなど、インターネットだけでは得られない生の情報が得られることがあります。また、店主や常連客との交流も、釣りの楽しみの一つです。
釣行前に立ち寄って最新情報を仕入れたり、必要な小物を買い足したりするだけでなく、釣果報告を兼ねて立ち寄るのも良いでしょう。鬼怒川周辺の他の釣具店も、独自の情報を発信している可能性がありますので、探してみる価値はあります。
まとめ:6月の鬼怒川で最高の釣り体験を!
6月の鬼怒川は、アユの解禁に始まり、ヤマメ、ニジマス、ブラックバス、ナマズ、コイといった多種多様な魚たちとの出会いが期待できる、まさに釣りのベストシーズンの一つです。初心者の方でも、C&R区間や管理釣り場、比較的アクセスの良い本流ポイントを選べば、十分に楽しむことができます。
大切なのは、事前の情報収集と準備をしっかり行うこと。釣りたい魚種や自分のレベルに合ったポイントを選び、天候や川の状況を常に確認し、安全には最大限配慮しましょう。そして、遊漁券の購入や釣り場のルール・マナーを守ることは、鬼怒川の豊かな自然と釣り文化を未来へ繋ぐために不可欠です。
この記事で紹介した情報が、皆様の6月の鬼怒川釣行の一助となれば幸いです。ぜひ、美しい鬼怒川の自然の中で、素晴らしい釣り体験を満喫してください。諦めずに投げ続ければ、きっと魚は応えてくれるはずです。安全第一で、思い出に残る一日を!