澄み切った海辺の空気、静かに時を待つ穏やかな時間、そして竿先を力強く引き込む確かな手応え。カレイ釣りは、そんな釣りの醍醐味が凝縮された魅力的な世界への入り口です。身近な堤防や砂浜から、「座布団ガレイ」とも呼ばれる高級魚を狙える手軽さから、多くの釣り人に愛されています。
しかし、いざ始めようと思っても、「いつ、どこで、何を準備すればいいの?」と疑問に思う方も多いでしょう。この記事では、そんなカレイ釣り初心者のために、釣れる時期や場所の選び方から、具体的な釣り方のコツ、トラブル対策まで、必要な知識を網羅的に解説します。このガイドを読めば、あなたも自信を持って最初の一匹を釣り上げるための準備が整うはずです。
カレイ釣りの魅力とは?身近な堤防から高級魚を狙う

カレイ釣りが多くの人々を惹きつける理由は、その手軽さと、釣れたときの大きな喜びにあります。ここでは、その魅力の核心に迫ります。
ターゲットとなるカレイの種類
岸から釣れるカレイにはいくつかの種類がいますが、代表的なのは「マコガレイ」と「イシガレイ」です。マコガレイは口が小さく、港内など穏やかな場所でも釣れることがあります。一方、イシガレイは体の表面に石のような硬いウロコがあり、外海に面した場所で釣れることが多いです。他にもスナガレイやクロガシラなど、地域によって様々なカレイに出会えるのも楽しみの一つです。釣れたカレイの種類を見分けるのも、釣りの醍醐味と言えるでしょう。
絶品の食味という最高の報酬
カレイは高級魚としても知られ、その上品な白身はどんな料理にも合います。釣れたての新鮮なカレイで作る「煮付け」は、まさに絶品。身が厚い大型のものは、ぷりぷりとした食感が楽しめる「刺身」や「昆布締め」も格別です。また、小型のカレイでも「唐揚げ」にすれば、骨まで美味しくいただけます。自分で釣り上げた魚を味わうという、釣り人ならではの最高の報酬が待っています。
戦略的な「待ち」の釣りの奥深さ
カレイ釣りは、仕掛けを投げてアタリを待つ「待ちの釣り」が基本です。しかし、それはただ待つだけの単純な釣りではありません。どこにカレイの通り道があるかを予測し、どのエサで食欲を刺激するかを考え、潮の動きを読んで時合を待つ。静かな時間の中に、緻密な戦略が隠されています。そして、すべての読みが当たり、竿先が大きくしなる瞬間は、何物にも代えがたい興奮と達成感をもたらしてくれます。
カレイ釣りのベストシーズンはいつ?【関東エリア基準】

カレイ釣りは、季節ごとの行動パターンを理解することで、釣果が大きく変わります。ここでは関東エリアを基準に、カレイ釣りのベストシーズンと、釣果を左右する「時合」について詳しく解説します。
秋(10月~11月):産卵に備える「乗っ込み」シーズン
秋は、カレイが冬の産卵に向けて体力を蓄えるため、水深の浅い沿岸部に移動してくる「乗っ込み」と呼ばれるシーズンです。深場からやってきたカレイは非常に食欲旺盛で、投げ釣りの射程圏内で活発にエサを探します。そのため、数釣りが期待できる絶好のハイシーズンと言えます。ただし、まだ海水温が高い時期はフグなどのエサ取りも活発なため、エサをこまめにチェックする必要があります。
春(3月~5月):体力回復の「花見ガレイ」シーズン
産卵を終えたカレイは、体力を回復するために再び荒食いを始めます。この時期のカレイは「花見ガレイ」や「戻りガレイ」と呼ばれ、秋と並ぶもう一つのハイシーズンです。春は秋に比べてエサ取りが少なく、気候も穏やかな日が多いため、初心者にとっては最も快適に釣りを楽しめる季節かもしれません。産卵後の痩せた個体もいますが、季節が進むにつれて身が厚くなり、食味も良くなっていきます。
冬(12月~2月):大物狙いの玄人シーズン
一般的に冬は、多くのカレイが産卵行動に入り、エサをあまり追わなくなるため、釣果を出すのが難しい時期とされています。しかし、この時期はカレイ釣りのもう一つの顔を持っています。それは、「座布団ガレイ」と呼ばれる超大型が狙えるトロフィーシーズンであるということです。エサ取りがほとんどいなくなるため、仕掛けをじっくりとポイントに置いて待つことができ、産卵を控えた大型個体にエサを見つけてもらうチャンスが増えるのです。数は出にくいものの、一発大物を狙う忍耐強い釣り人にとっては、最もエキサイティングな季節と言えるでしょう。
このように、カレイ釣りのシーズンは、何を目標にするかでその意味合いが変わります。まずは一匹釣ってみたい初心者は、釣れる確率が高い秋や春がおすすめです。そして、カレイ釣りの魅力にハマったら、冬の「座布団」に挑戦してみるのも良いでしょう。
釣果を左右する「時合」を見極める3つのタイミング
カレイは他の魚以上に「時合(じあい)」、つまり魚の活性が上がりエサを活発に食べる時間帯が重要とされています。以下の3つのタイミングを意識することで、釣果は格段にアップします。
- 朝夕のマズメ時: 日の出と日没前後の薄暗い時間帯は、多くの魚と同様にカレイの捕食スイッチが入りやすいゴールデンタイムです。
- 潮の変わり目: 満潮や干潮の前後、潮の流れが動き始めたり、緩やかになったりするタイミングは、カレイの活性が上がる絶好のチャンスです。潮が完全に止まっている「潮止まり」はアタリが遠のくことが多いので、潮時表で時間をしっかり確認しておきましょう。
- 天候の変化: 穏やかな晴天が続くと、カレイの警戒心が高まることがあります。逆に、海が少し荒れた後などは、海底のエサがかき混ぜられ、大型のカレイが浅場まで寄ってくる絶好の機会となることがあります。
初心者でも釣れる!カレイが潜む「一級ポイント」の見つけ方

カレイは海底のどこにでもいるわけではありません。彼らが好んで集まる「一級ポイント」を見つけ出すことが、釣果への一番の近道です。ここでは、そのポイントの見つけ方を伝授します。
基本は「砂地」や「砂泥地」の海底
カレイは、その平たい体で海底に身を潜め、エサを待ち伏せする魚です。そのため、彼らの生息場所の基本は、身を隠しやすい砂地や、砂と泥が混じった「砂泥地」です。釣り場に着いたら、まずは海底がこのような地形である場所を探すのがセオリーです。
最重要ポイント「カケアガリ」を探す方法
カレイ釣りのポイントとして最も重要なのが「カケアガリ」です。これは、海底が坂のようになっている場所、つまり水深が変化する傾斜のことを指します。
カレイがカケアガリに集まるのは、単に地形が変化しているからだけではありません。カケアガリは、潮の流れによってエサとなるプランクトンや小動物が溜まりやすい、いわば「海のビュッフェ」のような場所なのです。カレイはこの天然の食料供給ルートに沿って移動し、エサを探します。
このカケアガリは、海図がなくても見つけることができます。仕掛けを投げ、オモリが着底したら、竿をゆっくりと横に動かして海底を引きずってみましょう。最初はスムーズに引けていたオモリが「グーッ」と重くなる感触があれば、そこがカケアガリの登り坂です。さらに引きずって、急に「フッ」と軽くなったら、坂を乗り越えた証拠。この重さが変化する周辺が、カレイを待つべき絶好のポイントです。
港や堤防の狙い目(ミオ筋・潮目・堤防の先端)
- ミオ筋(船道): 港の中で船が通るために深く掘られた航路のことを「ミオ筋」と呼びます。ここは人工的に作られたカケアガリであり、船のスクリューで海底がかき回されてエサが舞い上がるため、カレイが集まりやすい一級ポイントです。
- 潮目: 海面に見える筋のような模様、これが「潮目」です。異なる潮の流れがぶつかる場所で、エサが溜まりやすいため、カレイも寄ってきます。目に見える絶好のポイントのサインです。
- 堤防の先端: 堤防の先端部分は潮通しが最も良く、水深もある場合が多いため、魚が集まりやすい場所です。
このように、カレイのポイントは「いかにエサが溜まりやすいか」という視点で探すことが重要です。この考え方を身につければ、初めての釣り場でも有望なポイントを見つけ出すことができるようになります。
【関東編】実績のあるカレイ釣り場リスト
どこに行けばいいか迷ってしまう初心者のために、関東エリアで実績のある、比較的安全な釣り場をいくつか紹介します。
- 市原市海づり施設(千葉県): 足場が良く、施設も整っているためファミリーにも人気。投げ釣りでのカレイ実績が高いです。
- 鹿島港魚釣園(茨城県): こちらも管理された釣り公園で、冬のカレイ釣りが有名です。釣果情報が頻繁に更新されるので、釣行計画が立てやすいのも魅力です。
- 千葉県の港湾部(千葉港、長浦港など): 東京湾の奥は黒潮の影響が少なく、カレイが好む冷たい海域が広がっています。検見川浜などのサーフ(砂浜)も有望なポイントです。
これだけは揃えたい!カレイ投げ釣りの基本タックルと便利グッズ

カレイ釣りは、本格的な道具から手軽なものまで、様々なスタイルで楽しめます。ここでは、初心者が最初に揃えるべき基本的な道具を、2つのスタイルに分けて紹介します。
2つのスタイルで選ぶ竿(ロッド)とリール
スタイル1: 置き竿(じっくり待つ)スタイル
伝統的なカレイ釣りのスタイルです。竿を複数本出して、アタリをじっくり待ちます。
- 竿: 全長3.6m~4.2mほどの「投げ竿」が基本です。オモリ負荷は25号~35号に対応するものを選びましょう。
- リール: ナイロンラインの3号~4号が200mほど巻ける、中型のスピニングリール(3000番~4000番)が適しています。
スタイル2: 手持ち(探り歩く)スタイル
よりアクティブに、軽い仕掛けでポイントを探っていく現代的なスタイルです。
- 竿: 全長3m弱(9ft前後)の「エギングロッド」など、30g程度のオモリを扱えるルアーロッドが流用できます。軽くて感度が高いため、小さなアタリも感じ取りやすいのが特徴です。
- リール: PEラインの0.8号前後が200mほど巻ける、小型のスピニングリール(2500番~3000番)がバランスが良いでしょう。
道糸・力糸・仕掛けの基本構成
- 道糸(メインライン): リールに巻くメインの糸です。初心者にはしなやかで扱いやすい「ナイロンライン」(3~4号)がおすすめです。感度を重視するなら「PEライン」(1.5~2号)が良いでしょう。
- 力糸(ちからいと): 重いオモリを投げる際に、キャストの衝撃で道糸が切れるのを防ぐための太い糸です。道糸の先に結びつけます。テーパー(徐々に太くなる)仕様のものが投げやすくおすすめです。
- 仕掛け: 針や装飾がセットになったものです。初心者はまず、釣具店で売られている「カレイ用市販仕掛け」を使いましょう。ジェット天秤と2本針のセットが最もスタンダードです。
釣りを快適にする便利道具
- 竿受け(必須): 特に「置き竿」スタイルでは三脚タイプの竿受けが必須です。竿を安定させ、リールを砂や傷から守り、アタリを見やすくする重要な役割があります。
- 玉網(タモあみ)(必須): 30cmを超えるような良型のカレイは、重さで抜き上げる際に針が外れてしまうことがあります。最後の取り込みで逃さないためにも、必ず用意しましょう。
- クーラーボックス(必須): 釣った魚の鮮度を保つだけでなく、エサや飲み物を保管するためにも必要です。
道具の種類 | 置き竿スタイル(推奨) | 手持ちスタイル(推奨) |
竿(ロッド) | 3.6m~4.2mの投げ竿(オモリ負荷25~35号) | 2.7m前後のエギングロッド等(30g程度まで) |
リール | 3000~4000番スピニングリール | 2500~3000番スピニングリール |
道糸 | ナイロン 3~4号 | PE 0.8~1.5号 + リーダー3号 |
力糸 | テーパー力糸(例: 4号→12号) | (PEラインの場合はリーダーが兼ねる) |
仕掛け | 市販のカレイ用投げ釣り仕掛け | 市販のちょい投げ用カレイ仕掛け |
必須の道具 | 三脚竿受け、玉網、クーラーボックス、ハサミ | 玉網、クーラーボックス、ハサミ |
カレイの食欲を刺激する!エサの種類と付け方の極意

ポイント選びと並んで、カレイ釣りの釣果を大きく左右するのが「エサ」です。ここでは、カレイが好むエサの種類と、そのアピール力を最大限に引き出す付け方のコツを紹介します。
定番エサ「アオイソメ」と特効エサ「マムシ」
- アオイソメ: 最もポピュラーで万能な虫エサです。安価で手に入りやすく、水中でのウネウネとした動きがカレイの視覚に強くアピールします。初心者はまずアオイソメから始めるのが良いでしょう。
- マムシ(イワイソメ): アオイソメより高価ですが、カレイが好む独特の強い匂いを放ち、遠くから魚を寄せる効果があります。食いが渋い時や、濁りがある状況で特に有効な特効エサです。
アピール力倍増!釣果が変わる「房掛け」のやり方
「房掛け」とは、1本の針に2~3匹以上のアオイソメを、ブドウの房のように付ける方法です。この付け方には、釣果を劇的にアップさせる3つの効果があります。
- 視覚的アピール: エサのボリュームが増すことで、海底で非常に目立ち、カレイに発見されやすくなります。
- 匂いのアピール: 複数のイソメから出る体液の量が増え、匂いが広範囲に拡散します。
- エサ取り対策: フグやカニなどのエサ取りに一部をかじられても、針にエサが残りやすく、本命のカレイが食べるチャンスが持続します。
やり方は簡単で、アオイソメの硬い頭の部分に針をチョンと刺し、それを数匹繰り返すだけです。ケチらずにたっぷりと付けることが釣果アップの秘訣です。
釣果に直結!エサの鮮度を保つ方法
カレイ釣りでは、活きの良いエサを使うことが非常に重要です。元気なイソメほど水中での動きが良く、カレイへのアピール力が高まります。
- エサ箱の選び方: プラスチック製よりも、湿度を適度に保ってくれる「木製のエサ箱」がおすすめです。
- 温度管理: 暑い日は、エサ箱をクーラーボックスに入れて保管しましょう。ただし、保冷剤に直接当てると冷えすぎて弱ってしまうため、タオルなどを一枚挟むと良いでしょう。使う分だけを小出しにし、残りはクーラーで保管するのがベストです。
エサの選択と付け方は、状況に応じて変える戦略的な要素です。アタリがない時は、匂いの強いマムシに変えてみる。エサがすぐ取られる時は、房掛けでボリュームアップする。このように、海の状況と対話しながらエサを工夫することが、上達への一歩となります。
実釣編!カレイ釣りの全手順と釣果アップの秘訣

道具とエサの準備が整ったら、いよいよ実践です。ここでは、仕掛けを投げてからカレイを釣り上げるまでの一連の流れと、釣果をさらに伸ばすための秘訣を解説します。
STEP1: 遠近投げ分けてカレイの居場所を探る
カレイは必ずしも遠くにいるとは限りません。時には岸から10mほどのすぐ近くに潜んでいることもあります。そのため、2~3本の竿を使って、近距離・中距離・遠距離と、投げる距離を分けて探るのが非常に効果的です。
まず1本を遠くに、もう1本を近めに投げてアタリを待ちます。どちらかの竿にアタリが出たら、カレイがその距離に集まっている可能性が高いです。次からは、アタリがあった距離周辺に全ての仕掛けを集中させることで、効率よく釣果を伸ばすことができます。
STEP2: じっくり待つ「置き竿」と効果的な「誘い」
カレイ釣りは、竿受けに竿を立ててアタリを待つ「置き竿」が基本です。仕掛けを投げたら、糸が張りすぎず緩みすぎない程度に調整し、静かに待ちます。
しかし、ただ待つだけでなく、時々「誘い」を入れることでカレイの注意を引くことができます。
- ゆっくりと引きずる: 数分に一度、リールをゆっくり1~2回転巻いて、仕掛けを少しだけ手前に引きずります。これにより、オモリが海底の砂や泥を巻き上げ、カレイの好奇心を刺激します。
- 小突く: 竿を軽く持ち上げて、オモリで海底をコンコンと叩くように動かします。この振動と音で、近くにいるカレイにエサの存在をアピールできます。ただし、やりすぎると逆に警戒させてしまうこともあるので、アタリがない時に試す程度が良いでしょう。
STEP3: 早アワセは禁物!本アタリの見極めとアワセ方
カレイのアタリには段階があります。ここで焦らないことが、釣果を確実にする最大のポイントです。
- 前アタリ(まえあたり): 竿先が「コツコツ」「ブルブル」と小さく震えるアタリ。これはカレイがエサの端をつついている段階です。ここでアワセてはいけません。まだ針は口に入っていません。
- 本アタリ(ほんあたり): カレイがエサを完全に飲み込んだサインです。竿先が「グーッ」と大きく、継続的に引き込まれたり、逆に糸がフッとたるむ「糸フケ」のアタリが出ます。これがアワセのタイミングです。
- アワセ方: 本アタリが出たら、慌てずに一呼吸おきます。竿を手に取り、たるんだ糸を巻き取ってから、竿を大きく立てるようにしてしっかりとアワセを入れます。アワセが弱いと、カレイの硬い口に針が貫通せず、巻き上げ途中でバレてしまう(逃げられてしまう)原因になるので注意しましょう。
トラブル回避!知っておきたい「根掛かり」対策
投げ釣りで最も厄介なトラブルが「根掛かり」、つまり仕掛けが海底の岩や障害物に引っかかってしまうことです。ここでは、根掛かりを減らす工夫と、万が一掛かってしまった時の対処法を紹介します。
根掛かりしにくい仕掛けの工夫
- 天秤(オモリ)の選択: 「ジェット天秤」は、リールを巻くと翼の構造で浮き上がりやすく、障害物を回避しやすい特徴があります。また、海底でオモリが立つ「立つ天秤」も、障害物との接点が少なく根掛かり軽減に有効です。
- 仕掛けをシンプルに: 根掛かりが多発する場所では、針の数を3本から2本、2本から1本へと減らすだけで、引っかかる確率を大幅に下げることができます。
もし根掛かりしたら?安全な外し方
根掛かりした時に、力任せに竿をしゃくるのは絶対にやめましょう。竿が折れたり、仕掛けが余計に食い込んでしまう原因になります。
- 軽く弾く: まずは糸を少し緩めてから、竿先で軽く「パン、パン」と弾くようにあおってみます。軽い根掛かりならこれで外れることがあります。
- 角度を変える: それでも外れない場合は、立ち位置を左右に数メートル移動し、引っ張る角度を変えてみましょう。引っかかった方向と逆から引くことで、スルリと抜けることがあります。
- 最後の手段(直線で引く): どうしても外れない時は、竿を傷めないための最終手段です。竿と道糸が一直線になるように構え、リールのスプール(糸が巻いてある部分)を手で押さえて、ゆっくりと後ろに下がります。こうすることで、仕掛けが外れるか、もしくは結び目など一番弱い部分で糸が切れ、竿やリールへのダメージを最小限に抑えることができます。
まとめ:準備を万全にして、美味しいカレイを釣り上げよう!
カレイの投げ釣りは、奥が深く、知れば知るほど面白くなる釣りです。最後に、初心者が釣果を出すための最も重要なポイントをまとめます。
- タイミングが最重要: 釣れる確率が最も高い「秋」と「春」のハイシーズンを狙い、潮が動く時間帯に集中しましょう。
- 場所選びが釣果の8割: 海底は砂地。そしてカレイの通り道である「カケアガリ」を見つけることが成功への鍵です。
- エサは大きくアピール: 新鮮なアオイソメを使い、ボリューム満点の「房掛け」を試してみましょう。
- アワセは忍耐: 小さなアタリで焦らず、竿先が大きく引き込まれる「本アタリ」をじっくりと待ちましょう。
このガイドで紹介した知識とコツを武器に、ぜひ海へ出かけてみてください。静かな待機時間の先にある、力強い一匹との出会いは、きっと忘れられない思い出になるはずです。安全に気をつけて、美味しいカレイとの出会いを楽しんでください。