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8月の荒川中流域釣り完全ガイド!初心者必見の釣れる魚と最強ポイントを徹底解説

真夏の太陽が照りつける8月。都会の喧騒を離れ、雄大な荒川の流れに癒しを求めるアングラーにとって、実は最高のシーズンが到来します。日中の猛暑は厳しいものの、この時期の荒川は生命感に満ち溢れ、正しい知識と戦略さえあれば、忘れられない一匹との出会いが待っています。

「でも、夏は暑くて釣れないって聞くし、何から始めたらいいかわからない…」

そんな初心者の方でも安心して釣行できるよう、この記事では8月の荒川中流域に的を絞り、釣れる魚の種類から、具体的なポイント、釣り方、必要な道具、そして安全対策まで、あらゆる情報を網羅した「完全ガイド」をお届けします。長年の経験で培ったノウハウを余すところなくお伝えしますので、ぜひ最後までお読みいただき、夏の荒川フィッシングを心ゆくまでお楽しみください。

8月の荒川中流域、釣りの前に知っておきたい基本

本格的な釣りの話に入る前に、夏の荒川で釣果を出すために絶対に欠かせない3つの基本事項を確認しておきましょう。これを知っているだけで、釣りの成功率は格段に上がります。

夏の釣果を左右する「時間帯」と「潮回り」

夏の釣りで最も重要な要素、それは「時間帯」と「潮回り」です。7月から8月にかけて、川にはたくさんの魚がいますが、日中の猛暑は魚にとっても過酷な環境。水温が上がりすぎると水中の酸素が減少し、魚の活性は著しく低下します。

この状況を打開する鍵は、魚が活発になるタイミングを狙うことです。具体的には、以下の3つの時間帯がゴールデンタイムとなります。

  1. 朝マズメ(あさまずめ): 日の出前後の薄明るい時間帯。夜の間に下がった水温がまだ維持されており、魚たちが最も活発にエサを探し回ります。
  2. 夕マズメ(ゆうまずめ): 日が沈む前後の時間帯。日中の暑さが和らぎ、再び魚の活性が上がります。
  3. 夜釣り: 気温が下がり、日中のプレッシャーから解放された魚を狙える時間帯です。

そして、これらの時間帯に加えて「潮の動き」を意識することが、釣果への最大の近道です。荒川中流域は海からの潮の影響を受ける「汽水域」です。潮が動くことで水中に流れが生まれ、その流れが魚の捕食スイッチを入れます。特にシーバスのようなフィッシュイーターは、流れがなければ口を使わないことも多いのです。

夏の荒川では、春や秋とは異なり、朝から日中にかけて潮が大きく動く(干満差が大きい)傾向があります。例えば、早朝3時の満潮から午前10時の干潮にかけて大きく潮が下げる日。この「朝マズメ」と「潮が大きく動く時間帯」が重なるタイミングこそ、夏の荒川で最もエキサイティングな釣りが期待できる瞬間なのです。釣行前には必ずタイドグラフ(潮見表)をチェックし、「いつ、潮が動くのか」を把握しておきましょう。

ここが舞台!荒川「中流域」のエリア解説

このガイドで「中流域」と呼ぶのは、埼玉県さいたま市にある「秋ヶ瀬取水堰(あきがせしゅすいせき)」よりも下流の、潮の満ち引きの影響を受けるエリアを指します。この堰が淡水域と汽水域の大きな境界線となっており、ここから下流は海水と淡水が混じり合う、生命豊かな水域が広がっています。

なぜこのエリアが釣り場として優れているのか。それは、エサとなる小魚が非常に豊富だからです。海から遡上してくるコノシロやサッパ、イナッコ(ボラの幼魚)、そして川に生息するハゼなど、多種多様なベイトフィッシュが集まります。そして、その豊富なエサを求めて、シーバスやクロダイといった大型の魚たちが川を遡上してくるのです。

つまり、荒川中流域は、多種多様な魚たちが出会う「交差点」であり、アングラーにとっては様々なターゲットを狙える絶好のステージなのです。

遊漁券は必要?荒川のルールとマナー

釣りを始める前に気になるのが、遊漁券(釣り券)の必要性です。結論から言うと、このガイドで紹介する主要なターゲット(シーバス、クロダイ、ハゼ)を、東京都内の荒川(目安として鹿浜橋より下流)で釣る場合、遊漁券は必要ありません

ただし、注意点もあります。秋ヶ瀬取水堰より上流の埼玉県内のエリアや、アユ、イワナ、ヤマメといった特定の魚種を狙う場合は、管轄する漁業協同組合が発行する遊漁券が必要になります。もし、より上流へ足を延ばす場合や、淡水魚専門の釣りをしたい場合は、必ず現地の漁協の情報を確認し、定められたルールに従ってください。

ルールを守ることは、すべての釣り人が末永く釣りを楽しむための基本です。


表1. 8月の荒川中流域・主要ターゲット魚種まとめ

魚種主な釣り方おすすめ時間帯狙い目の場所
シーバスルアー(トップウォーター、バイブレーション)朝マズメ、夜橋脚の明暗、流れのヨレ
クロダイ(チヌ)ルアー(チニング)朝夕マズメ、潮の動き始め護岸際のゴロタ、障害物周り
ハゼエサ釣り(ミャク釣り、チョイ投げ)日中足元の岸際、砂地

8月の荒川最強ターゲット①:シーバス

8月の荒川で最もエキサイティングなターゲット、それが「シーバス」です。力強い引きと、ルアーに果敢にアタックしてくる姿は、多くのアングラーを魅了します。特に夏の荒川は、他では味わえない特別なパターンでシーバスを狙うことができます。

なぜ夏はデイゲームが熱いのか?朝マズメのトップウォーター戦略

一般的にシーバス釣りは夜がメインと思われがちですが、夏の荒川本流に限っては、日中の釣り、いわゆる「デイゲーム」が非常に有効です。特に狙い目は、太陽が昇り始める「朝マズメ」です。

この時間帯、シーバスは水面近くを泳ぐ小魚を意識しており、非常に高い活性で捕食活動を行います。そのため、水面を泳がせる「トップウォーター」と呼ばれるタイプのルアーに、派手な水しぶきを上げて襲いかかってくるのです。目の前でルアーがひったくられる光景は、一度味わうと病みつきになるほどの興奮です。

夏の夜は、本流での反応が鈍くなる傾向がありますが、本流から分岐する水路など、特定の場所ではイナッコ(ボラの幼魚)の群れにシーバスが付き、水面が盛り上がるほどの大規模なボイル(捕食シーン)が発生することもあります。早起きは少し辛いかもしれませんが、夏のシーバスを狙うなら、朝マズメの数時間を狙って釣行計画を立てるのが最も賢い戦略と言えるでしょう。

ベイトを意識したルアーセレクト術

シーバスを釣るための最も重要な考え方が「マッチ・ザ・ベイト」。つまり、シーバスがその時に食べているエサ(ベイトフィッシュ)に、ルアーの大きさや形、動きを合わせることです。夏の荒川には、主に2種類のベイトフィッシュがいます。

  1. イナッコパターン: 6cmから10cmほどに成長したボラの幼魚「イナッコ」は、夏の間、常に川で見られる安定したベイトです。このイナッコを捕食しているシーバスには、9cmから12cm程度のペンシルベイトやウェイクベイト(水面直下を引けるルアー)が効果的です。イナッコの群れの中でルアーの存在を気づかせるために、ラトル(音が出るオモリ)が入ったものや、強い波動を出すタイプを選ぶと良いでしょう。
  2. コノシロパターン: 夏になると、東京湾の海水温上昇を避けるために、大型の「コノシロ」が荒川のような大きな川に大量に遡上してきます。このパターンに遭遇したら、ビッグチャンスです。シーバスは15cmを超える大きなコノシロも果敢に捕食するため、ルアーもそれに合わせて18cmから20cmクラスの大型トップウォータープラグなど、ビッグベイトと呼ばれるルアーが必要になります。特に朝マズメの時間帯は、大型ルアーで水面を攻めてみる価値が大いにあります。

釣り場に着いたら、まず水面をよく観察し、どんな小魚が泳いでいるかを確認しましょう。その小魚のサイズに合わせてルアーを選ぶことが、釣果への第一歩です。

初心者向けシーバスタックル完全解説

荒川のような大規模な河川で快適に釣りをするためには、それに適したタックル(竿やリールなどの道具一式)選びが重要です。初心者の方が最初に揃えるべき、おすすめのタックル構成をご紹介します。

  • ロッド(竿): 長さは8フィート6インチ(約2.6m)から9フィート6インチ(約2.9m)がおすすめです。硬さはML(ミディアムライト)からM(ミディアム)クラスが良いでしょう。広い川で遠投が必要な場面や、夏に多用する少し重めのバイブレーションというルアーを快適に投げるために、この長さとパワーが基準となります。また、ヒットした魚を橋脚などの障害物から引き離すパワーも必要です。
  • リール: スピニングリールの3000番から4000番サイズが、ロッドとのバランスも良くおすすめです。ギア比はHG(ハイギア)やXG(エクストラハイギア)を選ぶと、ルアーの回収が速く手返しが良くなるほか、流れの変化を感じやすくなるというメリットがあります。
  • ライン(糸): 伸びが少なく感度の高い「PEライン」が必須です。太さは1号から1.2号を150mほど巻きましょう。夏の釣りでは重いルアーをフルキャストすることが多いため、細すぎるとキャスト時に切れてしまう「高切れ」というトラブルが起こりやすくなります。また、川底にはカキ殻などの障害物も多く、根ズレ(ラインが擦れて切れること)対策としても、少し太めのラインが安心です。
  • リーダー: PEラインの先には、根ズレ対策として「フロロカーボン」製のリーダーを結びます。太さは20ポンド(lb)を1mほど接続するのが標準的です。

このタックルセッティングは、夏の荒川シーバスを攻略するための「保険」のようなものです。適切な道具を選ぶことで、トラブルを減らし、釣りに集中することができます。

おすすめシーバスポイント5選(駐車場情報付き)

ここでは、実績が高く、比較的エントリーしやすい中流域のシーバスポイントを5つ、駐車場の情報と合わせてご紹介します。

  1. 平井大橋(ひらいおおはし)
    • 特徴: 河口から約6km上流に位置する超有名ポイント。すぐ下流で中川が合流するためベイトフィッシュが非常に多く、シーバスが頻繁に遡上してきます。河川敷が公園として整備されており、足場が良いのも魅力です。橋の明暗部や流れのヨレが狙い目です。
    • 駐車場: 専用駐車場はありません。周辺のコインパーキングを利用する必要があります。事前に地図アプリなどで場所を確認しておきましょう。
  2. 堀切橋(ほりきりばし)
    • 特徴: 綾瀬川からの流れ込みが絡むことで、複雑な流れが生まれるポイント。多くの釣り人が訪れるため、魚がスレている(警戒心が強い)傾向にあります。ルアーを自然に流し込むなど、丁寧なアプローチが求められます。
    • 駐車場: 荒川河川敷に「堀切橋駐車広場」があります。ただし、土日祝日のみの営業で有料(1回500円)です。利用時間も季節によって異なるため注意が必要です。
  3. 岩淵水門(いわぶちすいもん)
    • 特徴: 荒川と隅田川を分ける、歴史ある水門。通称「赤水門(旧水門)」と「青水門(現水門)」があり、その周辺一帯が広大なポイントになっています。ハゼ釣りの名所としても知られ、ベイトが豊富なため多くのシーバスがここに留まると言われています。
    • 駐車場: 「荒川岩淵関緑地駐車場」が土日祝日のみ営業しています(有料500円)。満車の場合も多いですが、周辺にはコインパーキングが多数あります。
  4. 笹目橋(ささめばし)
    • 特徴: 東京都と埼玉県を結ぶ橋。上流から鴨川が合流し、さらに水循環センターからの排水の影響で水温が安定しているため、一年を通して魚が集まりやすいエリアです。特に冬場に強いポイントとして知られますが、夏場ももちろん有望です。
    • 駐車場: 戸田市側の河川敷に「荒川河川敷運動公園」の駐車場があります。
  5. 秋ヶ瀬取水堰(あきがせしゅすいせき)
    • 特徴: 荒川の汽水域最上流部に位置する、シーバスアングラー憧れの聖地。潮に乗って遡上してきたシーバスの終着点となるため、魚影が非常に濃い一級ポイントです。堰から落ちる流れや、その周辺の複雑な地形変化を狙います。
    • 駐車場: 隣接する「秋ヶ瀬公園」に広大な無料駐車場が完備されています。

シーバス釣りについてより詳しく知りたい方は以下記事も参考にしてください。

【2025年版】シーバス釣りの完全ガイド!初心者向け釣り方(ルアー・餌)の種類とコツを徹底解説

8月の荒川最強ターゲット②:クロダイ(チヌ)

シーバスと並んで荒川の人気ターゲットとなっているのが、クロダイ(関西ではチヌ)です。エサ釣りのイメージが強い魚ですが、近年はルアーで狙う「チニング」というスタイルが確立され、手軽に楽しめるゲームフィッシングとして人気を集めています。

手軽に始められる「チニング」の魅力

チニングの魅力は、なんといってもその手軽さにあります。シーバスのような大掛かりなタックルは必ずしも必要なく、スニーカーと普段着のような軽装で気軽に楽しめるのが特徴です。

川底に潜むクロダイを、ルアーを操作して探し出し、繊細なアタリを捉えてフッキングに持ち込む。その一連のプロセスは、まるで宝探しのようで、非常に奥深く面白い釣りです。シーバスとはまた違った力強い引きも、一度味わえば虜になること間違いなしです。シーバス釣りの合間に、あるいはチニングを本命に、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

基本の釣り方「ボトムずる引き」をマスターしよう

クロダイは基本的に川の底にいる魚です。そのため、釣り方も「いかにルアーを底から離さずに攻めるか」が重要になります。チニングの最も基本的で効果的な釣り方が「ボトムずる引き」です。

やり方はとてもシンプルです。

  1. ルアーをキャストし、完全に底まで沈めます(ラインの動きが止まったり、フッと軽くなったら着底の合図)。
  2. リールをゆっくりと巻き始めます。スピードの目安は、川の流れに任せつつ、ルアーが底を「コツ、コツ…」と叩く感触が手元に伝わってくる程度です。
  3. この「底を感じる」感覚を維持しながら、ひたすらゆっくりと巻いてきます。
  4. アタリは「モゾモゾ」と重くなるような、非常に小さな変化として出ることが多いです。何か違和感があったら、迷わず竿を立ててアワセてみましょう。

この「ボトムずる引き」をマスターすることが、チニング上達への一番の近道です。仕掛けは、根掛かりのリスクが少ない「ジグヘッド」に「ワーム」を付けただけのシンプルな組み合わせから始めるのがおすすめです。

シーバスタックルでOK!チニング用タックルとおすすめルアー

「チニングを始めるには、専用の道具が必要?」と心配になるかもしれませんが、ご安心ください。先ほどご紹介したシーバス用のタックルで、そのままチニングを楽しむことができます

もちろん、より繊細な操作を追求したチニング専用ロッドも存在しますが、まずは手持ちのシーバスタックルで挑戦してみるのが良いでしょう。新たに買い足す必要があるのは、ルアーだけです。

  • ルアー: クロダイのエサとなるカニやエビ、ゴカイなどを模したワーム(ソフトルアー)がメインになります。特に、エビやザリガニのような形をした「クロー系ワーム」は実績が高いです。シーバスにも効果的なシャッドテールワームも有効です。
  • ジグヘッド/シンカー: ワームに取り付けるオモリです。川の流れの速さに合わせて、7gから16g程度を使い分けます。流れが速いほど重いものが必要になります。

チニングは、少ない投資で始められるのも大きな魅力です。釣具店で数種類のワームとジグヘッドを揃えれば、すぐにでも挑戦できます。

クロダイが潜むポイントの見つけ方

クロダイは、身を隠せる「障害物(ストラクチャー)」が大好きです。広大な川の中からクロダイを見つけ出すには、そうした障害物を探すのがセオリーです。

  • 護岸際のゴロタ: 護岸沿いに沈んでいる石や岩(ゴロタ)が積み重なったエリアは、クロダイにとって絶好の隠れ家であり、エサ場でもあります。岸際に沿って丁寧にルアーを引いてくると、思わぬところから飛び出してくることがあります。
  • 橋脚周り: シーバスと同様、橋脚も一級ポイントです。橋脚が作り出す流れのヨレにエサが溜まりやすく、それを狙ってクロダイが潜んでいます。橋脚ギリギリをタイトに攻めるのが釣果を出すコツです。

川岸を歩きながら、「もし自分がクロダイだったら、どこに隠れるだろう?」と考えてみてください。流れが緩やかになる場所、何か変化のある場所、そういった場所にこそ、クロダイは潜んでいるのです。

クロダイ釣りについてより詳しく知りたい方は以下記事も作成してください。

クロダイ(チヌ)のルアー仕掛けの紹介!チニングのコツも伝授します。

8月の荒川最強ターゲット③:ハゼ

夏の荒川といえば、この魚を忘れてはいけません。日本の夏の風物詩ともいえる「ハゼ」。専門に狙うベテランもいるほど奥が深い魚ですが、初心者や家族連れでも気軽に楽しめ、夏の思い出作りにぴったりのターゲットです。

夏の風物詩!家族で楽しむハゼ釣り

ハゼ釣りの最大の魅力は、その手軽さと釣れやすさにあります。難しいテクニックはほとんど必要なく、仕掛けを足元に落とすだけで、次々とアタリがあることも珍しくありません。この「釣れる」という体験が、特に子供たちにとっては最高の楽しみになります。

また、ハゼ釣りのポイントは、公園に隣接していたり、足場が良かったりする場所が多く、トイレなどの設備が整っていることもあります。安全に、そして快適に釣りを楽しめるため、ファミリーフィッシングにはまさに最適です。8月の荒川では、時に15cmを超える良型のハゼが釣れることもあり、大人も十分に楽しめます。

簡単・釣れる!「ミャク釣り」と「チョイ投げ」

ハゼはクロダイと同じく、川の底にいる魚です。そのため、釣り方もシンプルに底を狙うのが基本。初心者におすすめなのは、以下の2つの釣り方です。

  1. ミャク釣り: リールのない延べ竿(のべざお)を使った、最もシンプルな釣り方です。竿先から垂らした糸とオモリ、ハリだけの仕掛けで、足元の底を直接探ります。ハゼがエサを突く「ブルブルッ」という感触がダイレクトに手に伝わるのが楽しく、非常に効率的な釣り方です。
  2. チョイ投げ: 短いリール竿を使い、仕掛けを軽く(ちょいっと)投げて、少し広い範囲を探る釣り方です。足元でアタリがない時に、少し沖の底を探るのに有効です。

どちらの釣り方も、ハゼのいる底に直接エサを届けられるため、タナ(魚のいる水深)を合わせるのが難しいウキ釣りよりも簡単で、確実性が高いのが特徴です。まずは足元をミャク釣りで探り、反応がなければチョイ投げで少し遠くを探ってみる、という流れがおすすめです。

ハゼ釣り用の竿・仕掛け・エサはこれだけ!

ハゼ釣りは、高価な道具は一切必要ありません。釣具店で手軽に揃えられる、最低限の道具をご紹介します。

  • 竿: ミャク釣りなら、長さ3.3mから3.6m程度の万能な延べ竿。チョイ投げなら、1.6mから1.8mくらいの短いコンパクトロッドセットで十分です。
  • 仕掛け: 釣具店で売っている「ハゼ釣り用仕掛けセット」が簡単で便利です。自分で作る場合、ミャク釣りなら道糸に1号程度のオモリとハゼ用のハリを結ぶだけです。
  • ハリ: ハゼ専用の5号から7号のハリを用意しましょう。
  • エサ: 定番は「アオイソメ」です。1パック買えば数時間は十分に楽しめます。

これだけあれば、すぐにでもハゼ釣りを始められます。その手軽さが、ハゼ釣りが長く愛される理由の一つです。

足場が良くて釣りやすいハゼ釣りポイント

家族連れでも安心して楽しめる、足場が良く実績のあるポイントをご紹介します。

  • 旧中川(きゅうなかがわ): 都営新宿線の東大島駅からも近く、電車でのアクセスが抜群のポイント。周辺にはトイレやコンビニもあり、ファミリーに最適です。川幅が狭いため、延べ竿を使ったミャク釣りに向いています。
  • 小名木川・クローバー橋付近(おなぎがわ): 護岸が低く、子供でも釣りがしやすいポイント。根掛かりも少なく、快適に楽しめます。
  • 清砂橋(きよすなばし)周辺: コンクリート護岸が整備されており、その先の砂地が絶好のハゼポイントになっています。水辺の公園にはトイレもあり便利です。

これらのポイントは、シーバスやクロダイを狙うような場所とは異なり、「安全性」と「快適性」が魅力です。

まだまだいる!8月に狙えるその他の魚たち

荒川のポテンシャルはこれだけではありません。少し変わったターゲットを狙ってみるのも面白いでしょう。

  • ハクレン: 巨大な体躯を誇る中国原産の大型魚。荒川では、マッシュポテトを練ったエサで狙う独特の釣り方で楽しむことができます。その引きは強烈で、一度は体験してみたい釣りの一つです。
  • テナガエビ: 護岸の石組みやテトラポッドの隙間に潜む、長い手が特徴的なエビ。繊細なアタリを取るのが楽しい、奥の深い釣りです。釣ったテナガエビは素揚げにすると絶品です。
  • ブラックバス: 流れ込みや堰、テトラポッド周りなど、シーバスと同じような場所に潜んでいます。荒川にはスモールマウスバスとラージマウスバスの両方が生息しており、ルアーフィッシングの良いターゲットになります。

これらの魚たちも、夏の荒川を彩る豊かな生態系の一員です。

安全に釣りを楽しむための必須知識

最後に、最も重要なことをお伝えします。それは「安全管理」です。楽しい釣りが悲しい事故につながらないよう、以下の3点を必ず守ってください。

猛暑対策は万全に

夏の炎天下での釣りは、熱中症のリスクと常に隣り合わせです。これは人間だけでなく、魚の活性にも影響します。自分自身の体を守るために、以下の対策は必須です。

  • 水分補給: 「多いかな」と思うくらいの飲み物を持参し、喉が渇く前にこまめに水分を補給しましょう。
  • 日除け対策: つばの広い帽子、偏光サングラス、日焼け止め、そして速乾性のある長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を極力避けましょう。
  • 休憩: 釣りに夢中になっても、定期的に日陰で休憩を取り、体を休めることが重要です。

ライフジャケットを必ず着用しよう

荒川は穏やかに見えても、潮が効くと流れが速くなったり、急に深くなっている場所があったりします。万が一の落水に備え、ライフジャケットは必ず着用してください。これは初心者・ベテラン問わず、水辺に立つすべての人にとっての鉄則です。あなたの命を守る、最も重要な装備です。

駐車ルールと釣り場でのマナー

人気ポイントでは、駐車スペースが限られていることが多く、ルールも場所によって様々です。違法駐車は地元住民の方々の迷惑になるだけでなく、釣り場への立ち入りが禁止される原因にもなりかねません。必ず指定された駐車場を利用し、ルールを守りましょう。

また、釣り人として最低限のマナーも大切です。

  • ゴミは必ず持ち帰る: 釣り場を汚さないのは、基本中の基本です。
  • 先行者に配慮する: すでに人が入っているポイントでは、挨拶をし、十分な距離を取って釣りを始めましょう。
  • 魚を大切に扱う: 食べる分だけキープし、リリースする魚は優しく扱いましょう。

まとめ

8月の荒川中流域は、猛暑という厳しい側面がある一方で、シーバスの豪快なトップウォーターゲーム、クロダイとの知的な駆け引き、家族で楽しめるハゼ釣りなど、魅力的な釣りに満ちています。

成功の鍵は、「時間帯」「潮回り」「ターゲット」という3つの要素を理解し、それに合わせた戦略を立てること。そして、万全の安全対策を講じることです。

このガイドを参考に、あなただけの夏の物語を荒川で紡いでみませんか。タイドグラフを確認し、タックルを準備して、フィールドへ出かけましょう。きっと、素晴らしい一匹があなたを待っています。

ABOUT ME
Shin
釣歴32年のパパアングラーで子供を連れて行ける釣り場やキャンプ場を日々探して巡っています。役に立つ情報満載でブログをお届けさせていただきます(^^♪
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