6月の多摩川下流域は、都市近郊でありながら多彩な魚種と出会える魅力的な釣り場です。梅雨の合間の晴れ間には、シーバスの力強い引き、テナガエビ釣りの風情、そしてハゼ釣りの手軽さを楽しむことができます。この記事では、6月の多摩川下流域で狙える魚種、おすすめのポイント、効果的な釣り方、そして安全に楽しむための注意点や遊漁券について、詳しく解説します。

6月の多摩川下流域:狙える人気魚種トップ3
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多摩川下流域は、淡水と海水が混じり合う汽水域特有の豊かな生態系が育まれています。特に6月は、以下にご紹介するような魚たちがアングラー達を心から楽しませてくれます。
シーバス – ベイトパターンを読んでランカーを狙え!
多摩川下流域のシーバスは、6月も引き続き狙い目のターゲットです。この時期は、アユの遡上(そじょう)やコノシロといったベイトフィッシュ(エサとなる小魚)の動きが活発になり、それを追ってシーバスも接岸します 。特に、河口から六郷橋周辺にかけてはコノシロパターンの実績が高いエリアです 。
6月はバチ抜けパターン(ゴカイなどが水中を漂う現象)の終盤にあたりますが、港湾部などではまだチャンスが残っていることもあります 。重要なのは、その日のベイトの種類や動きを観察し、ルアーの選択やアプローチを柔軟に変えることです。潮の動きも釣果を大きく左右するため、タイドグラフの確認は必須です 。
テナガエビ – 6月は最盛期!手軽に楽しむ江戸前の風物詩
多摩川のテナガエビ釣りは、5月から9月頃まで楽しめますが、特に6月から7月にかけては最盛期を迎えます 。六郷橋周辺のテトラポッド帯は、テナガエビの絶好の隠れ家となっており、人気のポイントです 。
テナガエビは日中、物陰に潜んでいるため、ヘッドライトなどで照らして探すのが効果的です 。釣れたテナガエビは、クロダイやシーバスのエサとしても非常に有効で、同じポイントで大物を狙う「わらしべ長者」的な楽しみ方もできます 。勿論、人間が食べてもとても美味しいのがテナガエビです。是非、連れたら持ち帰って天ぷらら唐揚げなどで食べてみてください。ちなみに、テナガエビ釣りは手軽なタックルで楽しめるため、ファミリーフィッシングにもおすすめです。
ハゼ – 夏の風物詩を先取り!家族でも楽しめる癒やしの釣り
夏から本格的なシーズンを迎えるハゼですが、6月でも十分に楽しむことができます 。特に梅雨の晴れ間には、岸近くで活発にエサを追うハゼの姿が見られます。サイズは8cmから15cmクラスまで期待でき、天ぷらにすると絶品です 。
大師橋周辺など、下流域の広範囲で釣果が報告されており、ちょい投げやミャク釣りといった簡単な仕掛けで手軽に狙えるのが魅力です 。潮が上げてくるタイミングで岸際に寄ってくる傾向があるため、潮時を意識すると良いでしょう 。
必釣!多摩川下流域 6月のおすすめ釣りポイント
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多摩川下流域には、実績の高いポイントが点在しています。ここでは特に人気のある場所をピックアップしてご紹介します。

六郷橋周辺 – テナガエビとシーバスの一級ポイント
六郷橋周辺は、テナガエビ釣りのメッカとして知られています 。橋脚周りや護岸のテトラポッド帯が主なポイントで、JR川崎駅や京急川崎駅から徒歩圏内とアクセスも良好です 。シーバスに関しても、コノシロパターンの上限とされ、実績の高いエリアです 。
駐車場(平日無料・土日祝有料の場合あり )や公衆トイレ も整備されているため、じっくりと腰を据えて釣りを楽しむことができます。ただし、シーバス狙いで流心などを攻める場合はウェーディングが必要になることもあります 。
大師橋周辺 – シーバス、クロダイ、ハゼの宝庫
大師橋周辺は、シーバス、クロダイ(タイとして釣果情報あり )、ハゼ、マゴチなど、多彩な魚種が狙えるポイントです 。橋脚や護岸といったストラクチャーが豊富で、特にシーバスにとっては絶好の付き場となります 。コノシロパターンも有効なエリアです 。
ただし、根掛かりしやすい場所もあるため、仕掛けのロストには注意が必要です 。周辺にはコインパーキングも点在しており、車でのアクセスも比較的容易です 。
多摩川河口域・六郷水門周辺 – 多彩な魚との出会いとウェーディングの魅力
多摩川の最河口部や六郷水門周辺は、潮の影響を強く受けるダイナミックなエリアです。シーバスはもちろん、クロダイ、キビレ、メバルなど、季節によって様々な魚との出会いが期待できます 。六郷水門はイナッコなどのベイトフィッシュが溜まりやすく、シーバスのボイルが頻繁に見られることもあります 。
これらのエリアを攻略するには、ウェーディングが有効な手段となることが多いです 。ただし、潮位の変動や川底の地形変化、エイなどの危険生物には十分な注意が必要です 。エントリーは川崎側からがしやすいとされています 。
多摩川下流域 6月の釣り方マスター:仕掛けとコツ
狙う魚種やポイントに合わせて、効果的な釣り方と仕掛けを選びましょう。
シーバスルアーフィッシング:ベイトに合わせた戦略
6月の多摩川下流域でのシーバスフィッシングは、その日のベイトフィッシュに合わせたルアーセレクトが鍵となります。コノシロやイナッコが見られる場合は、それらを模した大きめのミノーやシンキングペンシル、バイブレーションが有効です 。サイズは5cm~7cmのミノーやバイブレーション、トップウォータープラグも実績があります 。
潮目や橋脚の明暗部、流れの変化がある場所はシーバスが潜んでいる可能性が高いポイントです 。特に下げ潮が効いているタイミングは、ベイトが動き出しシーバスの活性も上がるため狙い目です 。ルアーのアクションは、ただ巻きを基本としつつ、流れの速さに合わせたり、時折ストップを入れたりしてシーバスの反応を見極めましょう 。
表1:多摩川下流域 6月のおすすめシーバスルアー
ルアータイプ | 推奨サイズ | カラー例 | 対象ベイト/パターン | 主なアクション |
---|---|---|---|---|
ミノー | 5cm~13cm | ナチュラル系、イワシ、ボラ、コノシロ、パールホワイト | イナッコ、コノシロ、アユ、バチ(終盤) | ただ巻き、トゥイッチ、ドリフト |
バイブレーション | 5cm~7cm (小型中心)、大型ベイト時はそれ以上も | ゴールド系、レッドヘッド、チャート系、イワシ | 全般、濁り潮時、コノシロ(ボトム付近) | ただ巻き、リフト&フォール |
シンキングペンシル | 7cm~12cm | クリア系、パール系、小型ベイトカラー | バチ(終盤)、マイクロベイト、イナッコ | ドリフト、スローリトリーブ |
トップウォーター | 7cm~10cm | ボラ、イナッコ、クリア系 | イナッコ、ボイル時 | ドッグウォーク、ポッピング |
ワーム(シャッドテール等) | 3インチ~4インチ | ナチュラル系、アピール系 | スレた状況、ピンポイント攻略 | ただ巻き、ボトムコンタクト |
表1は、複数の情報源 を参考に、6月の多摩川下流域で実績のあるルアータイプ、サイズ、カラー、対象ベイト、アクションをまとめたものです。状況に合わせて使い分けましょう。
因みにシーバス釣りは以下の記事も参考にしてみてください。
東京湾ボートシーバス攻略ガイド!爆釣ポイントから必須タックル、釣果アップの秘訣まで徹底解説
テナガエビ釣りの秘訣:繊細なアタリを逃さない!
テナガエビ釣りは、繊細なアタリを捉えるのが醍醐味です。竿は1.5m~3m程度のノベ竿や万能竿を使用し、穂先が柔らかいものがおすすめです 。仕掛けは、玉ウキ仕掛けかシモリウキ仕掛けが一般的です 。ハリはテナガエビ専用針か、タナゴ針などの小型のものを選びましょう 。
エサは赤虫が定番で、ハリに1~2匹チョン掛けします 。テナガエビはテトラポッドや石の隙間など、物陰に潜んでいるため、仕掛けをゆっくりと沈めて底を丁寧に探ります 。アタリは非常に小さく、ウキがわずかに沈んだり、横にスーッと動いたりします。アタリがあってもすぐに合わせず、テナガエビがエサをしっかりと咥えるまで少し待つのがコツです 。釣れたテナガエビは、エアポンプ付きのバケツなどで活かしておくと鮮度が保てます 。
テナガエビ釣り仕掛け(例:玉ウキ仕掛け)
- 竿:1.5m~2m程度のノベ竿
- 道糸:0.6号~0.8号
- ウキ:小型の玉ウキ
- オモリ:ウキの浮力よりやや重めのガン玉や板オモリ(ウキがゆっくり沈む程度に調整)
- ハリス:0.3号~0.4号
- ハリ:テナガエビ針 2~3号、またはタナゴ針
- エサ:赤虫
【完全ガイド】テナガエビ釣りを始めよう!初心者向け仕掛け・エサ・ポイント選びのコツ
ハゼ釣りの簡単テクニック:ちょい投げとミャク釣り
ハゼ釣りは手軽さが魅力です。ノベ竿を使ったミャク釣りやウキ釣り、リール竿を使ったちょい投げ釣りで狙えます。エサはイソメ(ジャリメやアオイソメ)が一般的で、小さく切ってハリに付けます 。スーパーで売られているボイルホタテも代用餌として使えます 。
ハゼは基本的に底にいる魚なので、オモリが底に着くようにウキ下を調整したり、ちょい投げの場合は仕掛けが底をズル引けるようにします 。アタリは明確に出ることが多いですが、食いが渋い時は、仕掛けをゆっくりと引いて誘いをかけるのも効果的です 。ハゼは動くものに興味を示す習性があります。岸際の石の影などにも潜んでいるため、遠投だけでなく足元も丁寧に探ってみましょう 。
ハゼ釣り仕掛け図(例:ちょい投げ仕掛け)
- 竿:1.8m~2.7m程度のコンパクトロッドやルアーロッド
- リール:小型スピニングリール
- 道糸:ナイロン2号~3号
- オモリ:ナス型オモリ 3号~8号程度(テンビンに接続)
- 仕掛け:市販のハゼ用投げ釣り仕掛け(2本針など)
- ハリ:ハゼ針 6号~8号
- エサ:イソメ類(ジャリメ、アオイソメ)
安全第一!多摩川下流域の注意点と遊漁券情報

楽しい釣りも安全があってこそ。ルールを守って、安全に釣りを楽しみましょう。
下流域特有の注意点と安全対策
多摩川下流域は潮の干満の影響を大きく受けるため、特にウェーディングをする際は潮位の変化に十分注意し、タイドグラフを必ず確認してください 。川底は場所によって急に深くなっていたり、滑りやすい箇所があったりします 。エイも生息しているため、ウェーディングの際はエイガードを装着したり、すり足で歩いたりするなどの対策を怠らないようにしましょう 。
夜釣りは、ガス橋より上流(内共12号区間)では禁止されています 。ガス橋より下流では夜釣りは可能ですが、足場の確認や単独釣行を避けるなど、安全には最大限配慮してください 。ライフジャケットの着用も推奨されます。
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遊漁券は必要?下流域のルール解説
多摩川下流域での釣り、特にシーバス、テナガエビ、ハゼといった魚種をターゲットにする場合、ガス橋より下流では基本的に遊漁券は必要ありません 。
ただし、注意点があります。川崎河川漁業協同組合の規定により、六郷鉄橋からガス橋までの区間(内共13号) および 多摩川河口から六郷鉄橋までの区間(内共14号) で、シジミやゴカイなどのエサとなる生物を採捕する場合は、漁業権が設定されており、遊漁券(採捕承認証)が必要となります 。これらの区間で釣りをするだけであれば、上記の魚種(シーバス、テナガエビ、ハゼなど)を対象とする限り遊漁券は不要ですが、エサを現地調達する場合はこの規則を念頭に置く必要があります。
ガス橋が重要な境界線となっており、これより上流の「内共12号区間」(ガス橋~多摩川原橋)では、アユ、コイ、フナ、ウナギなどを釣る場合に多摩川漁協または川崎河川漁協の遊漁券が必要となり、夜釣りも禁止されています 。
表2:多摩川下流域(ガス橋より下)の遊漁ルール概要(6月)
エリア区分(漁協管轄) | 主な対象魚種(釣り) | 遊漁券(釣り) | エサ虫・シジミ採捕の遊漁券 | 夜釣り | 主な管轄漁協(エサ虫・シジミ採捕) |
---|---|---|---|---|---|
多摩川河口 ~ 六郷鉄橋 (内共14号区) | シーバス、ハゼ、クロダイ、テナガエビ等 | 不要 | 必要 | 可能 | 川崎河川漁業協同組合 |
六郷鉄橋 ~ ガス橋 (内共13号区) | シーバス、ハゼ、クロダイ、テナガエビ、コイ等 | 不要 | 必要 | 可能 | 川崎河川漁業協同組合 |
ガス橋周辺(ガス橋より下流側) | シーバス、ハゼ、クロダイ、テナガエビ、コイ等 | 不要 | (内共13号に準ずる) | 可能 | (内共13号に準ずる) |
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表2は、主にガス橋より下流のエリアにおける一般的な釣り(シーバス、ハゼ、テナガエビ等)と、エサ虫・シジミ採捕に関する遊漁券の要否、夜釣りの可否をまとめたものです。詳細は必ず各漁業協同組合の最新情報をご確認ください。特にエサの現地調達をする場合は注意が必要です。
まとめ
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6月の多摩川下流域は、シーバスのダイナミックなファイト、テナガエビ釣りの風情、そしてハゼ釣りの手軽さと、多彩な魅力に溢れています。都市部からのアクセスも良く、気軽に楽しめるフィールドですが、潮汐の影響や安全管理、そして一部エサ採捕に関する遊漁ルールなど、注意すべき点も存在します。
本記事で紹介したポイントや釣り方、安全対策を参考に、ルールとマナーを守って、初夏の多摩川フィッシングを存分に満喫してください。きっと素晴らしい釣果と楽しい思い出が得られることでしょう。